2018年4月10日火曜日

山崎耕一郎さんを偲んで(佐藤優)

*以下の追悼文は、佐藤優さんが2月18日の「山﨑耕一郎さんを偲ぶ会」に寄せられた追悼文です。当日、司会の中村ひろ子さんによって読み上げられました。佐藤優さんの同意を得て当ブログに転載します。転載を快諾された佐藤優さんに厚くお礼申し上げます。

山崎耕一郎さんを偲んで

山崎耕一郎さんがあの世に旅立たれ、とても悲しいです。

私が日本社会主義青年同盟に参加したのは、埼玉県立浦和高校2年生のときでした。当 時、高校生の社青同同盟員はひじように少なかったと思います。社青同委員長の山崎耕一郎さんは、私たちにとって「雲の上」の人でしたが、ビラを作成するときには、社青同解放派、社青同全国協と区別するために社青同(山崎耕一郎委員長)と書いていました。そ れだから、高校生時代に鉄筆で山崎耕一郎という名前を数百回書いています。

 その後、私は無神論に関心を持つようになり、同志社大学神学部に進みました。この神学部は、洗礼を入学の条件にしておらず、唯物論研究も歓迎するという姿勢を取っていま した。私はプロテスタント神学に魅了され、キリスト教の洗礼を受け、世界観も唯物論から観念論に変わりました。大学2回生のときに社青同からも離れました。ただし、社青同時代の活動、学習は、人生の基盤を作りました。そのことは、外交官時代も、職業作家に なった現在も、いつも感じています。

  山崎さんを私に紹介してくださったのは、元共産党のゲバルト部隊「暁行動隊」のキャップで、その後共産党を離れ、アウトロー作家となった宮崎学さんです。山崎さんと私は波長がひじょうに合い、 21世紀に労農派マルクス主義の伝統をどう活かすかという課題に共通して取り組みことで意見が一致しました。その成果の一つが、山崎さんとの共著『マルクスと日本人一社会運動から見た戦後日本』(明石書店、 2015年)です。この本を読んでいただければ、労農派マルクス主義、社会主義協会の伝統に立った革命家・山崎耕一郎の真髄がわかります。

  私は、別の道を歩むことになりましたが、山崎さんの生き方を尊敬しています。山崎さ んの早すぎる死をとても残念に思います。同時に私なりに山崎さんの理念、遺志を消化して、この世界が少しでもよくなるように努力したいと思います。

  山崎耕一郎さん、天国でゆっくり休んで下さい。

2018年2月18日

  佐藤優(作家・元外務省主任分析官、同志社大学神学部客員教授)

2018年4月7日土曜日

社会主義理論学会会報に山﨑耕一郎さん遺稿

「社会主義理論学会会報」74号(2018年3月26日)が同学会ホームページに転載されましたが、そこに山﨑耕一郎さんが昨年10月8日の同学会研究会で行った報告「ロシア革命・ソ連崩壊の総括 ソ連社会主義の意義と失敗の総括」の要旨が掲載されています。報告要旨ですが約4000字はあります。時期的にみて、山﨑さんの遺稿と思われます。

管理人も同研究会に出席していました。少し報告にキレがなくお疲れかとは思いましたが、研究会後の懇親会にも最後まで参加されており、約一ヶ月後に急逝されるとはまったく想像もできませんでした。

山﨑さんの報告要旨を読み、改めて山﨑さんを偲びご冥福を祈りたいと思います。

社会主義理論学会ホームページ
http://sost.que.jp/




2018年4月1日日曜日

『社会主義』2018年4月号目次

『社会主義』最新号目次です。一冊600円。紀伊國屋書店新宿本店、大阪・清風堂書店で販売中。社会主義協会でも取り扱っています。
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又市征治■9条改憲発議阻止に全力を挙げよう
北村巌■米国発世界同時株安の意味するもの
特集 アベノミクスの5年を地方から検証
川上登■第二次安倍政権下で地方財政はどうなったか
髙田良徳■欺瞞に満ちた「地方創生」の現実
清水哲男■安倍政権が地方にもたらしたもの
山田あつし■住民の実態から新国民健康保険の是正を
福山権二■指定管理者制度で責任放棄の自治体
加瀬邦彦■非正規労働者の組織化を取り組んで
角田政志■震災から7年―福島の現状発信
佐藤龍彦■被災者に寄り添う復興の継続を
田山英次■社民党全国大会から来る参院選挙を見すえて
ふくもとまさお■ドイツで第4次メルケル政権が発足
佐藤礼次■山﨑耕一郎さんを偲ぶ会 開催
中島修■批評 沖縄・原発問題で考える
瀬戸宏■書評 『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』