本文の中に、「企業内にあるのは共同決定法にもとづく従業員評議会であって、日本のような労組の「下部組織」は存在しないということは、昔、聞いたことがあるような気がするが、改めて日本との違いについて、驚かされた。 ドイツでは、労組が企業の外にあり、その労組の組合員が企業と契約を結んで働く、という仕組みになっている。企業に所属する労働者が結びついて労働組合をつくるというのではない。だからドイツの労組では、企業と労働組合幹部が癒着するという事態にはなりにくい。双方とも、結ばれた契約にもとづいて行動するのである。癒着もないが、労使交渉が妥結した後で職場闘争でより有利な条件を認めさせるというような行為もしない。労働条件を変えるには、改めて交渉をし直すしかない。そういう歴史をふまえた、労働組合運動なのである。
日本の労働運動が活発であった頃には、日本の運動ほうがよく見えた。労使交渉が終って協約が結ばれても、職場闘争の成果として、それ以上の労働条件を獲得することが、たいへん立派な階級闘争だと思われた。しかし、現在の日本では、労使交渉で何か決めても、職場では、サービス残業が横行している、つまり労使交渉で決めたことが守られていない職場が多い。有給休暇は、西欧では100%使うことが当たり前だが、日本では活動家でも100%はなかなか使わない。執筆者の村田さんは、日本の労働組合運動も体験しているので、この違いが良く判っていて、書いたのだと思われる。
労働組合運動の成立、その後の発展の経過が違うので、組織のあり方についてどちらが良いかは、簡単には言えない。どちらかが良いと思っても、簡単に選択、変更できるわけではない。しかし、ドイツをはじめとする西欧の労資関係において、双方が交渉の結果を大事にしている(もちろん、交渉の結果を守らなければペナルティーが大きい)ということは、日本の労働運動ももっと学んで良いのではないだろうか。
2014年2月4日火曜日
2014年2月1日土曜日
『社会主義』2014年2月号目次
『社会主義』2月号の目次です。注文は社会主義協会へ。一冊600円。紀伊國屋書店本店でも販売しています。
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横田昌三■第一八六回通常国会の焦点と私たちの課題
仲田信雄■大企業にばらまく2014年度予算
特集 2014春闘をいかに闘うか
近江守■連合2014春闘方針と課題を考える
足立康次■2014年春闘・各産別の方針を読む
善明建一■派遣労働の常態化に断固反対しよう
原田和明■鉄鋼合理化と2014年春闘
伊藤功■2014春闘、自治労の重点課題
橋本勇■公的部門労働者の実態と課題
北川鑑一■特定秘密保護法を検証する
本村隆幸■安倍自民党の「憲法・教育破壊攻撃」
津田公男■新「防衛計画の大綱」がめざすもの
瀬戸宏■中国共産党一八期中全会と現在の中国
2014年1月9日木曜日
第四回日中社会主義フォーラム報告
*この文章はフェイスブックの私のページに掲載したものですが、フェイスブックをみていない人もいると思うので、ここに転載します。
もう去年の出来事ですが、私も主催者の一人として関わった第四回日中社会主義フォーラムが「中国特色社会主義の行方と理論問題」を主題に、12月21日、22日両日慶応大学で開催されました。中国側十二名、日本側八名の研究者が報告しました。主催は社会主義理論学会で、慶応大学東アジア研究所などが共催です。
日中学術交流は、昨今の日中関係のため多少陰りが出てきましたが、基本的にはいまも非常に盛んです。しかし、中国が...今も社会主義を掲げているにもかかわらず、中国社会主義をテーマにしたシン...ポジウムは日本国内では皆無に近いのです。そして、中国国内で社会主義の要素の堅持・発展を主張する部分は、日本では単純に保守派とみなされ、しかもその保守派の主張が具体的に検討されることはほとんどありません。
実際には、中国国内で社会主義を主張する部分は今でも強い影響力を持っています。「現在の中国では社会主義、マルクス主義に関心を持つ者はほんの一握りだ」とよく言われます。これは一面では事実ですが、その「一握り」がどこにでもおり、全部を合わせると相当な数になります。しかも、中国共産党、共産主義青年団という形で強力なネットワークを形成しているわけです。これを無視して現代中国を語っていいのか、これがフォーラム開催にあたっての基本的問題意識です。根底には、文革期という中国が最も社会主義を強調した時期に中国研究を開始した私の、社会主義へのこだわりがあります。
フォーラム開催に当たって、大西広さん(慶応大学)を代表者に、私や田上孝一さん(立正大学)を研究分担者として「中国特色社会主義の多角的研究」をテーマに科研費を申請し獲得できたことが、フォーラム開催の財政的基礎になりました。また慶応大学東アジア研究所からも助成がありました。
フォーラムのプログラムは社会主義理論学会HPに掲載されています。http://sost.que.jp/myweb_017.htm また詳しい経過・内容は、私は別に文章を書く予定ですのでここでは詳細は省略しますが、参加者は傍聴者も含めて約60名に達し、たいへん活発な討論がたたかわされ、会議は大いに盛り上がりました。現在の日本で、社会主義をテーマにした学術会議に60名の参加者があったのは、かなりのものだと思います。中国側、日本側両方の参加者が内容に満足したようです。
私は社会主義理論学会の役員(委員)をしており、フォーラムの実行委員長でした。実行委員長として、中国側のビザ取得用招聘書類作成、フォーラムブログラム編成、予稿集編集を担当しました。フォーラム終了後23日の中国側研究者の東京見学にも同行しました。相当に疲労しましたが、非常に有意義な疲労だったと思います。写真はフォーラム閉会式。
日中学術交流は、昨今の日中関係のため多少陰りが出てきましたが、基本的にはいまも非常に盛んです。しかし、中国が...今も社会主義を掲げているにもかかわらず、中国社会主義をテーマにしたシン...ポジウムは日本国内では皆無に近いのです。そして、中国国内で社会主義の要素の堅持・発展を主張する部分は、日本では単純に保守派とみなされ、しかもその保守派の主張が具体的に検討されることはほとんどありません。
実際には、中国国内で社会主義を主張する部分は今でも強い影響力を持っています。「現在の中国では社会主義、マルクス主義に関心を持つ者はほんの一握りだ」とよく言われます。これは一面では事実ですが、その「一握り」がどこにでもおり、全部を合わせると相当な数になります。しかも、中国共産党、共産主義青年団という形で強力なネットワークを形成しているわけです。これを無視して現代中国を語っていいのか、これがフォーラム開催にあたっての基本的問題意識です。根底には、文革期という中国が最も社会主義を強調した時期に中国研究を開始した私の、社会主義へのこだわりがあります。
フォーラム開催に当たって、大西広さん(慶応大学)を代表者に、私や田上孝一さん(立正大学)を研究分担者として「中国特色社会主義の多角的研究」をテーマに科研費を申請し獲得できたことが、フォーラム開催の財政的基礎になりました。また慶応大学東アジア研究所からも助成がありました。
フォーラムのプログラムは社会主義理論学会HPに掲載されています。http://sost.que.jp/myweb_017.htm また詳しい経過・内容は、私は別に文章を書く予定ですのでここでは詳細は省略しますが、参加者は傍聴者も含めて約60名に達し、たいへん活発な討論がたたかわされ、会議は大いに盛り上がりました。現在の日本で、社会主義をテーマにした学術会議に60名の参加者があったのは、かなりのものだと思います。中国側、日本側両方の参加者が内容に満足したようです。
私は社会主義理論学会の役員(委員)をしており、フォーラムの実行委員長でした。実行委員長として、中国側のビザ取得用招聘書類作成、フォーラムブログラム編成、予稿集編集を担当しました。フォーラム終了後23日の中国側研究者の東京見学にも同行しました。相当に疲労しましたが、非常に有意義な疲労だったと思います。写真はフォーラム閉会式。
2014年1月1日水曜日
『社会主義』2014年1月号目次
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
『社会主義』新年号の目次です。注文は社会主義協会へ。一冊600円。紀伊國屋書店本店でも販売しています。
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小島恒久■現代社会とマルクス主義
特集 日本と世界の経済・政治・労働
立松潔
又市征治■座談会「経済・政治・労働情勢の特徴と課題を考える」
高橋俊夫
山崎耕一郎■冷戦後の構図定まらぬ世界政治
木村牧郎■緊縮財政のもとでの欧州労働運動
横田昌三■特定秘密保護法の国会審議と廃止に向けた闘い
吉田ただとも■2014年新年にあたって,
安倍反動政権と対決する広範な戦線の確立を
連合 古賀伸明 自治労 氏家常雄 国労 石上浩一 I女性会議 高橋広子 社青同 柏原孝行 労大 小川研■2014年を迎えて
津田大介■ネット選挙解禁、若者の政治意識は変わるのか
大槻重信■日本は中国との戦争はできない
石川稔■原発再稼動で、国民を危険にさらすな
大谷竹人■2013現業・公企統一闘争から確定闘争へ
脇本茂紀■古典を読む⑳ マルクス『賃金・価格・利潤』
『賃金・価格・利潤』と今日の情勢(下)
『社会主義』新年号の目次です。注文は社会主義協会へ。一冊600円。紀伊國屋書店本店でも販売しています。
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小島恒久■現代社会とマルクス主義
特集 日本と世界の経済・政治・労働
立松潔
又市征治■座談会「経済・政治・労働情勢の特徴と課題を考える」
高橋俊夫
山崎耕一郎■冷戦後の構図定まらぬ世界政治
木村牧郎■緊縮財政のもとでの欧州労働運動
横田昌三■特定秘密保護法の国会審議と廃止に向けた闘い
吉田ただとも■2014年新年にあたって,
安倍反動政権と対決する広範な戦線の確立を
連合 古賀伸明 自治労 氏家常雄 国労 石上浩一 I女性会議 高橋広子 社青同 柏原孝行 労大 小川研■2014年を迎えて
津田大介■ネット選挙解禁、若者の政治意識は変わるのか
大槻重信■日本は中国との戦争はできない
石川稔■原発再稼動で、国民を危険にさらすな
大谷竹人■2013現業・公企統一闘争から確定闘争へ
脇本茂紀■古典を読む⑳ マルクス『賃金・価格・利潤』
『賃金・価格・利潤』と今日の情勢(下)
2013年12月24日火曜日
労農派の歴史研究会第155回例会報告
レポートを聞きながら、GMが倒産しそうになった頃のことを思い出しました。レポートの中でも言われましたが、GMが危うくなったとき、労組が年金・退職者医療で大幅に譲歩すれば、なんとかなるかもしれないと報道されていました。日本の労資関係であれば、労組は必要なだけの譲歩をして、倒産を回避しようとしたでしょう。日本の風土では、そうせざるをえないのです。
ところがGMの労組は、倒産の回避に動きませんでした。自分が損をするような譲歩はしないのが当然、というわけです。退職者の権利を、守ったのです。そしてアメリカでは、この点で労組を非難する声は、無かったようです。少なくとも、日本で報道されることはありませんでした。
たぶん、日頃の労使交渉でも、同様の態度だと思います。右より、労資協調思想といっても、交渉の場に出れば、やたらに譲歩しないのです。この点では、日本の労働運動、それを取り巻く周囲の眼と、かなり違います。 日本では、かなり左よりの執行部をもつ労組でも、交渉では、非妥協ではいられません。とくに倒産の危機が指摘されるような状況では、「お互いに譲り合って危機を回避せよ」という圧力がかかります。それを無視すると、後々の運動に差し障りが大きいので、最後は譲り合うという形で終ることが多いのです。
この違いは、それぞれの国の風土によるので、指導部が思想的に右よりの組合も、左よりの組合も、どちらもその風土を無視できません。もちろん、交渉決裂というケ-スもありますが、非常に少ないと思われます。
レーガンが大統領になった直後に、航空管制官のストに直面しました。レポートにあるように、この時は双方非妥協で、大統領は航空管制官全員を解雇しました。労組はもちろん打撃を受けたのですが、大統領の行為もやり過ぎであったようです。レーガンの政治を誉める人は時々いますが、この争議への対応について誉める人は、あまりいません。アメリカの風土でも、いつでも非妥協で交渉するのが良いわけではないようです。
ところがGMの労組は、倒産の回避に動きませんでした。自分が損をするような譲歩はしないのが当然、というわけです。退職者の権利を、守ったのです。そしてアメリカでは、この点で労組を非難する声は、無かったようです。少なくとも、日本で報道されることはありませんでした。
たぶん、日頃の労使交渉でも、同様の態度だと思います。右より、労資協調思想といっても、交渉の場に出れば、やたらに譲歩しないのです。この点では、日本の労働運動、それを取り巻く周囲の眼と、かなり違います。 日本では、かなり左よりの執行部をもつ労組でも、交渉では、非妥協ではいられません。とくに倒産の危機が指摘されるような状況では、「お互いに譲り合って危機を回避せよ」という圧力がかかります。それを無視すると、後々の運動に差し障りが大きいので、最後は譲り合うという形で終ることが多いのです。
この違いは、それぞれの国の風土によるので、指導部が思想的に右よりの組合も、左よりの組合も、どちらもその風土を無視できません。もちろん、交渉決裂というケ-スもありますが、非常に少ないと思われます。
レーガンが大統領になった直後に、航空管制官のストに直面しました。レポートにあるように、この時は双方非妥協で、大統領は航空管制官全員を解雇しました。労組はもちろん打撃を受けたのですが、大統領の行為もやり過ぎであったようです。レーガンの政治を誉める人は時々いますが、この争議への対応について誉める人は、あまりいません。アメリカの風土でも、いつでも非妥協で交渉するのが良いわけではないようです。
2013年12月9日月曜日
第四回日中社会主義フォーラムの案内
12月21日、22日に、社会主義理論学会主催で第四回日中社会主義フォーラム・中国特色社会主義の行方と理論問題、が開催されます。日本側八名、中国側十二名の研究者が、中国特色社会主義について、社会主義理論研究の立場から徹底討論します。
中国に関するシンポジウムは、近年数多く開かれていますが、社会主義をテーマにしたシンポジウムはほとんどありません。会場は慶応大学三田キャンパス。傍聴参加無料。詳細は、リンク先の社会主義理論学会関係ページをみてください。
http://sost.que.jp/myweb_017.htm
中国に関するシンポジウムは、近年数多く開かれていますが、社会主義をテーマにしたシンポジウムはほとんどありません。会場は慶応大学三田キャンパス。傍聴参加無料。詳細は、リンク先の社会主義理論学会関係ページをみてください。
http://sost.que.jp/myweb_017.htm
2013年12月1日日曜日
『社会主義』2013年12月号目次
ご注文は社会主義協会へ。紀伊國屋書店本店でも販売しています。一冊600円。
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特集 脱原発と労働者
菅原晃悦■世界初の自然災害と原発事故の同時発生
武藤聡■福島原発事故の真相を究明し、すべての原発を廃炉に
長田秀樹■北海道における脱原発の闘い
我妻薫■原発再稼動に抗して
二田村邦浩■被災地の自治体労働者の現状
戸部忠則■柏崎刈羽における反原発の闘い
山芳彦夫■さようなら原発1000万人アクション
高橋俊夫■連合大会論議から今後の課題を考える
鴨桃代■労働法制の規制緩和に抗し、働く人が求める法整備を
栗田英夫■企業減税と消費税引き上げ
中島修■第50回護憲大会の報告
岩城博志■四カ月間闘い続けた一三春闘
野田邦治■第50回三池大災害抗議集会
伊藤修■批評 ”ブラック企業・職場・上司”を点検、摘発、撲滅せよ
大森紀美雄■思い出すことども 私と社会主義協会(一二)
脇本茂紀■『賃金・価格・利潤』と今日の情勢(中)
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