2013年5月22日水曜日

中国社会科学院マルクス主義研究院訪日団来日

2013年5月10日より21日まで、中国社会科学院マルクス主義研究院訪日団金民卿団長ほか一行計五名が、社会主義協会の招待で訪日し、東京、名古屋、関西を訪問、現代中国研究者と交流したほか、各地を視察しました。これは、社会主義協会が2001年より続けているマルクス主義研究院との交流(前身のマルクス・レーニン主義毛沢東思想研究所時代を含む)の一環です。一部の訪日団メンバーは、17日、18日三重・ヤマギシ会本部を訪問しました。
 このうち、5月12日(日)には、東京・水道橋グランドホテルで社会主義協会との理論交流がおこなわれ、午前10時から午後5時半まで、事前に双方から出された質問事項に基づき、熱心な討論が行われました。
双方の質問事項は、次の通りです。
●社会主義協会からマルクス主義研究院への質問事項
1.中国共産党18回大会および第12期全人代、政治協商会議の基本特徴
 今後も高経済成長を追求するのか
 指導部人事について、「改革」「保守」の路線対立を反映していると日本のマスコミは報道しているが、それをどうみるか
2.中国社会の格差拡大の現状とそれに対する中国共産党・政府の対策
 環境問題、労働者の賃金、労働条件、権利問題、都市と農村(戸籍問題を含め)、教育問題、医療、高齢化社会等具体的問題の現状と対策
3.国有企業改革の現状と今後
4.中国社会主義民主の現状
 全人代の機能、広東省烏坎村・上浦村など
5.中国官僚層の腐敗発生の原因と対策
 薄煕来事件など
6.中国の当面の外交政策
 北朝鮮(特に核実験への見解)、ASEAN諸国、ロシア、アフリカ諸国、TPP、日本

●中国側質問事項
1.日本の学者の中国特色社会主義に対する認識
2.日本はどのようにして農民に社会サービスを提供しているか
3.日本の両極分化状況はどうか。日本のギニ係数はいくらか。
4.日本都市化の経験と教訓
5.日本の学者の毛沢東研究の最新状況
6.新自由主義の日本の学界での影響
7.日本の反腐敗機構、対策

交流は、善明建一社会主義協会事務局長との司会で行われました。中国側、日本側とも、一質問事項に一名が20分(通訳を含むので実質10分)で回答し、10分間討論するという形式です。双方とも率直に自己の見解を述べ、熱心な討論が行われました。『社会主義』8月号に理論交流の報告が載る予定ですので、ここでは詳細は省略しますが、たいへん有意義であったと思います。ただ、質問事項はかなり絞ったのですが、通訳を介しての交流ではやはり時間が足らず、一部の質問事項は時間切れになりました。次回はもう少し質問を絞る(日中とも各5問、計10問)必要があると思いました。

中国側も今回の訪日に満足していたようです。訪日団は21日に関西国際空港から無事に帰国しました。

*マルクス主義研究院との交流報告は、諸般の事情で『社会主義』2013年9月号になりました。



 

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