2021年3月9日火曜日

石河康国『櫛田民蔵』案内

 *石河康国氏より『櫛田民蔵』(社会評論社)案内が寄せられましたので、転載します。


マルクスヘの道を

泥臭く歩み続けた

壮絶な生涯をひも解く。

石河康国/著


いしこやすくに 著書に『労農派マルクス主義 理論・ひと・歴史』(上・下巻) 「マルクスを日本で育てた人 評伝・山川均」(1・2巻)『向坂逸郎評伝』(上・下巻)など多数ある。


 櫛田民蔵二八八五~一九三四)は、日本におけるマルクス経済学の開拓者である。その史的唯物論の探究は河上肇を曖目させ、大内兵衛をして業績を後世に伝えさせた。

 ブルジョア経済学との論争の火ぶたを切ったのは民蔵である。小泉信三など最先端の面々を、ほとんど一人で相手取って価値論争を展開した。戦線は河上肇の「価値人類犠牲説批判」から、地代・小

作料をめぐって野呂栄太郎らへと拡大した。

 櫛田民蔵が人々を惹きつけてやまないのは、マルクスへの道を泥臭く歩み続けたその人生である。一向に洗練されず、おもねらず、いわき地方の濃厚な土の匂いを感じさせ、マルクスと格闘した男の

壮絶な最期を、長谷川如是閑は「学徒としての殉職」と称しか。


主要目次

第1章 彷徨せる若者

第2章 社会政策のゆりかごの中で

第3章 古典派経済学とマルクス経済学

第4章『共産党宣言』と唯物史観に着目

第5章 河上肇の胸を借りて

第6章 唯物史観に沈潜

第7章 河上肇を越えて

第8章 マルクス派の分化のなかで

第9章 価値論争

第10章 河上肇との緊張と別れ

第11章  地代論争・小作料論争

第12章  早逝と定まる「値打ち」

A5判256頁 ISBN978-4-7845-1877-7

定価2750円(税込)





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