2011年9月21日水曜日

労農派の歴史研究会第132回例会報告

前回に学習したように、「国民統一綱領」は、60~70年代の社会党運動、そして「社会
主義への日本の道」や「新中期路線」をふまえて作られた文書です。作成の中心になった
勝:開田さんは、原則をふまえながら、諸階層、諸団体のおかれている条件、そごの人びと
の要求。にも配慮を欠かさず、文書をまとめました。

 この文書¨の特徴は「全野党共闘に支えられた国民連合政府」を目指すという点であると
いえます。当時、党の外では、共産党排除の連合政権か、社共中軸(民社党排=除)の統一
戦線政府か、という議論になうていました。「国民統一綱領」では、共産党も、公明党、民
社党も含む全野党の共闘を実現しようとしたところが、特徴です。社共共闘も、社公民共
闘も、社会党がどちらかの選択を決めれば、比較的簡単に実現できます。しかしそれでは、
労働者の一部を排除して戦線が分断されます。全野党共闘は、実現は難しいのですが、こ
れが実現できれば、政権の支持基盤は大きくなります。

 だか=らこの「国民統一綱領」では、全野党共闘の実現の難しさを良く意識して、構想を
立てています。大衆運動(国民運動)の広がりを前提に、反独占国民連合を形成しようと
いうことです。もちろんそれも、簡単にはできないわけで、できるようにするには、党の
抜本的強化が課題となります。党の力量の強化が、前提条件と言ってよいと思います。
 これも結果として実現できなかったということは、今では事実として明白です。なぜ実
現できなかったのか、それは、教科書には書いてありません。今までの社会党の文書のな
かにも、納得できるものはあまりありません。この点について、運動を体験した社会党員
が納ソ得できるような総括を行い、多くの人に理解されるように文書化することが、重要だ
と思われます。

 政権も、それを支える政党も不安定な現在、これまでの総括を生かすような状況が、来
るかどうかは不明ですが、理論的な用意は、しておかなければな・らないと思います。

http://www5f.biglobe.ne.jp/~rounou/myweb1_008.htm

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