2011年6月16日木曜日

新社会党委員長選挙結果

新社会党中央本部からの通知によると、投票率は77.9%、得票率は松枝候補74.7%、江原候補20.3%、白票3.8%、無効1.2%とのことです。得票数については非公表とのことです。
当選は松枝候補になります。

2011年6月15日水曜日

鎌倉孝夫報告「朝鮮式社会主義の思想と現実」を聞く

社会主義理論学会第58回研究会としておこなわれた鎌倉孝夫さんの報告「朝鮮式社会主義の思想と現実」を聞きました。私は当日の司会も担当しました。
 休憩を挟んで約二時間におよぶ鎌倉さんの報告を要約するのはたいへん難しいのですが、私の理解では次のようなものです。

 まず最初に、チュチェ思想はスターリニズムを乗り越えようとする志向が明確にあることが指摘されました。ただし『資本論』の理解は不十分とのことです。
 続いて、金正日の論文「社会主義建設の歴史的教訓」(1992)を紹介するかたちで、北朝鮮のソ連崩壊論を分析します。
 報告によれば、ソ連崩壊は社会主義そのものの崩壊ではない。また金正日論文は「ソ連社会主義崩壊」ではなく、「ソ連社会主義挫折」としてるとのこと。そして「挫折」の原因は、社会主義の本質を「人民大衆」を中心に理解していなかったこと、マルクス主義の歴史的制約-革命後の社会主義建設は示されておらず、そのため教条主義(スターリニズム)と修正主義(社会主義の「原則」放棄、思想の自由・多元主義、市場経済導入)の双方が生じたこと-にあるとしているとのことです。

 次に、朝鮮社会主義-チュチェ思想に基づく社会主義-の紹介に入ります。鎌倉さんによれば、朝鮮社会主義は、人間中心-人民大衆中心の社会主義、人間の社会的本質的性格に即し、発展させる社会とのことです。また社会にはその指導者(領袖)と指導勢力(党)が必要だが、決して領袖や党の考えを押しつけるのではなく人民に自分で気づかせていく教育を重視していること、それを通して全人民のチュチェ思想化、インテリ化を計っている、人民の主体的努力が社会主義を前進させる、とのことでした。

 続いて、朝鮮社会主義の現実が紹介されます。朝鮮経済は自立的民族経済(自己完結型経済)を目指し1991年まではかなりの高度成長を遂げており、ピークは1991、92年であったこと、それからソ連東欧社会主義崩壊の影響と大自然災害の中で経済が急速に落ち込み、中川雅彦『朝鮮社会主義経済の理想と現実』(JETRO アジア経済研究所 2011)の数字を引用して、90年代中期には穀物生産が91、92年の20%あまりに落ち込んでしまい、北朝鮮の言う「苦難の行軍」-深刻な食糧難、エネルギー不足が起きたこと、2000年頃から経済が再び上昇し始めるが、まだピーク時の78%程度に止まっていることなどが紹介されました。経済復興の中では軍が重要な役割を果たしており、軍はチュチェ思想が徹底しており、武装だけでなく農業・インフラ整備など生産にも積極的に関わっているとのことです。また北朝鮮の人口はこの間一貫して増加しており、マスコミの言う400万人餓死などはデマであることも指摘されました。そして、近年のグローバリゼーション、市場経済化の潮流の中で経済特別開発区、軍事技術の民間転用などが計られているとのことでした。

 そのあと、参加者との間で予定時間を大幅に上回る活発な質疑応答が行われました。残念ながらさまざまな討議を詳しく紹介することはできません。私の印象に残っているものを記すと、鎌倉さんによれば、北朝鮮は決して閉鎖的ではなく日本からの観光旅行は現在も認めており、北朝鮮に閉鎖的なのは日本の方だ。指導者の世襲については、鎌倉さんは批判的だが、それが北朝鮮の現実だと認めるしかないと考えているとのこと。

 私もいろいろ質問したかったのですが、司会をしていた関係で最後にごく短い発言ができただけでした。
 私の発言内容は以下の通りです。

 鎌倉報告を聞いているとデジャビュ感に襲われる。学生時代に見聞きした文革期の中国を思い出すのである。当時の毛沢東思想も「人民、人民だけが歴史の原動力だ」と言っていた。文革も、建前は党の押しつけではなく人民を主体的自発的に立ち上がらせるものだった。北朝鮮で軍が生産活動にも重要な役割を果たしているのは、文革期に軍が生産建設兵団を作り生産活動も行っていたのと似ている。全人民のインテリ化も、頭脳労働と肉体労働、都市と農村の区別撤廃という文革のスローガンを思い出す。
 文革は、言葉だけみれば今日でも通用するような美しいものが多いが、実際に出現したのはそれとは似ても似つかない社会だった。文革期中国と北朝鮮の比較研究をやる必要がある。また、ソ連崩壊後に穀物生産が20%程度に落ち込むなどソ連崩壊の強い影響を受けたことが事実なら、北朝鮮の言う自立的民族経済は実はまったく形成できておらず、実際にはソ連東欧圏に経済的には深く組み込まれていたのではないか。

 これに対する鎌倉さんの回答は、文革期中国を通して北朝鮮を理解しようというのは、一つの立場としては理解できる、また自立的民族経済がまったく形成できていなかったというのは言い過ぎで、その努力はしていた。九〇年代の経済落ち込みは自然災害の側面もあり、さらに研究しなければならない、というものでした。(瀬戸の理解による要約)
 ともあれ、北朝鮮が社会主義の試行錯誤の一つであることは確かであり、北朝鮮についてのある程度まとまった情報が得られたことは有益でした。

 なお、北朝鮮とは関係ありませんが、福田豊さんと今日も連絡を取り合っているのか尋ねたところ、九〇年代からすでに没交渉になっているとのことでした。(瀬戸宏)

2011年6月12日日曜日

2011年6月12日サイト更新

リンク集に要宏輝 正義の労働運動ふたたび最終章、基礎経済科学研究所、ルネサンス研究所、福田光一事務所を追加しました
文献・資料に、社青同全国学協再建総会議案を掲載したした。第二章の一部までで掲載未完て゜す。また第一章の記載漏れ部分も追加し、解題部分も補強しました。
刊行物・『ある女党員の半生』、『「資本論」から社会の仕組みを学ぶ』リンク先を変更しました。さるさる日記閉鎖にともなう措置です。新リンク先はこのブログです。
労農派の歴史研究会に、129・130回研究会案内、129回研究会報告を掲載しました。
表紙、管理人よりのURLを変更しました。変更先はこのブログです。

今回の更新では、山川菊栄賞選考理由など、労農派の歴史研究会報告の補強がまにあいませんでした。6月末のさるさる日記閉鎖までにもう一回上京できそうですので、その時に更新します。

2011年6月9日木曜日

労農派の歴史研究会第129回例会報告

前回は、「新中期路線」の中身には入らず、当時の社会党について、いろいろと経過や
問題点を話して、終わりました。
 そのときに、あまり整理して言わなかったことを、ちょっと補足します。当時の社会党本部では、経済安定本部(現在の経済企画庁)の職員、その周辺の学者グループがかなり議論に参加、あるいは協力していました。官僚としては、和田博雄の影響下にある人たちが多くいたし、学者は有沢広巳と向坂逸郎の弟子筋の人々が多くいました。党内の勢力としては、和田派(後の勝開田派)、また社会主義協会員が中心でした。この両者は、55年の左右合同反対で一一致しており、その後も緊密な関係にありました。 したがって、官僚たちが持っている統計的な情報についても、最新のものを入手できる位置にいました。
 1960年に、『社会主義日本の設計』(社会主義政策研究会発行、A 5版290頁)という本がでています。有沢広巳。「現代日本資本主義の特質」、高橋正雄・「社会主義政権の課題と準備」、稲葉秀三・「社会主義政権下の財政」、大河内一一男・「労働組合はいかにあるべきか」、大内力・「日本農業をどう変革してゆくか」、の5つの報告をめぐって、いろいろな人が発言するという内容です。参加者にも「大物」がずらりと並んでいます。
 もちろんこの内容は、「社会主義日本」ではなく「社会党政権下の日本」の政策についての議論です。 しかし、優れた学者、政治家が、報告・討論をしています。もしこの時に政権を取っていたら、現在の民主党よりも、うまくやったのではないかという気がします。 (ただし、当時の私は、この本を読んだら「これは改良主義日本の設計」ではないかと、文句をいったかもしれません。)
 しかし当時の社会党が、こういうメンバーで政権構想についての議論をできたというのは、重要な歴史の断面であると思います。

2011年6月3日金曜日

鎌倉孝夫さんの北朝鮮報告

鎌倉孝夫さんが社会主義理論学会6月研究会で北朝鮮に関する研究報告をします。詳細は以下の通りです。

第58回研究会
鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授) 朝鮮式社会主義の思想と現実
参考文献 
鎌倉孝夫『朝鮮半島戦争の危機を読む』(白峰社 2010)
鎌倉孝夫『現代と朝鮮』(社会科学研究所 1993)
日時 2011年6月12日(日)午後2時より
場所 専修大学神田校舎7号館784教室  
会場費 500円(会員、非会員問わず)
詳細は社会主義理論学会HPをご覧下さい。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/sost/index.html

2011年6月2日木曜日

山川菊栄生誕120周年記念映画上映会のお知らせ

*山川菊栄生誕120周年記念ドキュメンタリー映画「山川菊栄の思想と活動『姉妹よ、まずかく疑うことを習え』」上映会が各地で予定されています。山川菊栄記念会HPより転載します。

1 岩手大学全学共通教育科目「ジェンダーの歴史と文化」授業公開
: 2011年 年6月7日(火)13:00~14:30
場所:岩手大学学生センターA 棟G2大教室
問い合わせ先:岩手大学人文社会科学部 海妻径子研究室
Tel/Fax:019-621-6750 email:kkaizuma@iwate-u.ac.jp

2 映像女性学の会 第25回女性監督作品上映会
日時 2011年6月11日(土) 14:00~16:30 
場所 渋谷女性センター アイリス
参加費 1000円   先着50名 事前予約の必要はありません
問合せ先:映像女性学の会・小野まで  
e-mail:ycinef@yahoo.co.jp fax:03-3306-2762


3  大阪上映会 大阪府男女共同参画推進財団 
日時 2011年6月17日(金) 18:30~21:00
場所 ドーンセンター 1F パフォーマンススペース
参加費 700円 定員150名(先着順)
申込み 申込書にてFAXでお申し込みください。
FAX&TEL 072-683-7077

4 東京外国語大学上映会
日時 2011年6月24日(金) 18:00~21:00
場所 東京外国語大学226教室
問合せ 東京外国語大学海外事情研究所
TEL 042-330-5405 e-mail ifa@tufs.ac.jp

5 川崎市男女共同参画センター 上映会
日時 2011年6月26日(日) 13:30~17:00
会場 すくらむ21 4階多目的室
TEL 044-813-0808 FAX 044-813-0864
*詳細な内容や申込書ダウンロード先などは山川菊栄記念会HPをみてください。
  http://www.yamakawakikue.com/

2011年6月1日水曜日

『社会主義』2011年6月号目次

ご注文は社会主義協会へ。東京新宿・紀伊国屋書店本店、東京神田・東京堂書店、福岡・積文館書店新天町店でも販売しています。一冊600円
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 特集 2011春闘総括から単産大会へ
平地一郎◇日本経団連「経労委報告」と社会の行方
小笠原福司◇2011春闘総括から何を引き継ぐのか
足田芳憲◇景気に左右されつつ春闘を闘う
本田久夫◇「宅配統合」による赤字攻撃に抗して
高橋俊夫◇地方連合からみた2011春闘
加納克巳◇36年ぶりに自民党独占に「風穴」をあける
山田あつし◇生活・労働苦にこだわり選挙をたたかう
仲田信雄◇復興財源には消費税しかないのか
沖田カツオ◇大地震・大津波、原発事故に思う
鈴井孝雄◇浜岡から見える原発の問題点
星野幸生◇柏崎から原発を改めて問い直す
高林正廣◇ドイツ左翼党と「これからの社会主義」(二)
岡田新一◇スウェーデンの労働組合を訪問して
向坂逸郎◇山川均の思想と生涯―再録
広田貞治◇古典を読む17向坂逸郎『日本革命と社会党』急がれる反独占民主主義の統一戦線の構築(その2)
<批評>早瀬進◇ドラッカーについて考える