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2015年3月15日日曜日

労農派の歴史研究会第168回例会報告

 
テキスト・・『覇権経済のゆくえ』(飯田啓輔、中公新書)第一章


覇権と言うと、強いものが全体を牛耳るというイメージがわくと思います、事実、実質
はそのとおりなのですが、鰹済のいろいろな面には、それぞれに国際機関があり、一定の
ルールに基づいて、人がその期間を動かします。商品の生産、販売に強くても、それらの
期間を上手に動かす人材を育てないと、経済の秩序は保てませんし、覇権を握っていると
いう評価にはなりません。


 この本では、通商、通貨、金融、開発の四つの分野について、統括する機構を見ていま
す。全体として現在、「アメリカの覇権が衰えつつある状態である」ということは、多くの
人が一致していますが、それぞれの分野ごとに見るとどうなのか。日常的には、なかなか
そこまでは、分析できません。この著者は、アメリカの力の衰え、二番手、三番手の成長
ぶりを見ながら、-一応の評価をしています。


 経済力がつけば、政治(優れた政治家や官吏の育成)にも有利ですし、軍事力の強化に
もつながります。アメリカの圧倒的な力は、圧倒的な経済力に裏付けられていました。こ
れからは、第二次大戦後のアメリカのような圧飼的な力をもつ国家は、なかなか現れない
でしょうが、そこに近づく国はでて来ます。中国がそうなるかどうか、この著者は疑問符
をつけています。


 覇権国にならなくても、経済の国際的な機構を動かす人材を多く育てることは、それぞ
れの国にも有利になることですから、日本がそのための取り組みを強めることも、無駄で
はないと思います。いずれにしても、国際経済を動かす際に必要な諸機構の役割を知り、
そこで役に立つような知識の地区制、人材の育成には、ちゃんと予算を配分しておいたほ
うが良いのではないかと思われます。

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