男女雇用機会均等法が成立した頃、労働組合でもその他の団体でも、女性の役員は非常に少なかった。それから十数年たって、最近は少し増えたように見える。しかし、個人で仕事をする職業、学者、評論家、弁護士など、に比べると、まだ労働組合役員は少ないのではないかと思う。
この章の執筆者も、ずいぶん苦労をしたのではないかと思う。学者、評論家、弁護士などで活躍する女性たちを見れば、男性と「能力の差」がないことは判る。しかし、日本ではまだ、企業や労働組合の中で、「女性が男性の上の地位に立つ」というのは、心理的な抵抗がある。だから、実現しているところは少ない。
数年前、トヨタがアメリカで問題を起して、アメリカ・トヨタの経営者たちの写真が報道されたとき、アメリカの視聴者の第一印象は「男だけ!日本人ばかり!」であり、かなり印象を悪くしたそうである。そのために問題の解決が遅れて、たぶん、金銭的にもマイナスが大きくなっただろう。アメリカやEU諸国の企業でも、報道に出てくる会長、社長はほとんど男だからこの点ではあまり違わないと思うが、その他のポストには女性の役員がもう少し多いのだろう。男女平等の点で先進国である西欧の社会でもその程度だから、発展途上国である日本では、改善がゆっくりとしか進まないのは、やむを得ない。
この章に書かれているように、国際的な改革に引っ張られながら、日本でも女性の権利、女性の活躍の場の実現が、進んできた。私は、国家でも、社会でも、その中のいろいろな団体でも、その中の女性の能力を十分に生かす方が、全体の利益になると思う。ただ、その事が実現する過程は、ゆっくりとしたものであり、また行きつ戻りつ、という場合もあると思う。
しかし、現在の若者たちのなかでは、男女の権利の均等化は、進んでいると思う。それは労働者の権利全体の確立に、プラスになると思われる。
2013年9月25日水曜日
2013年9月10日火曜日
「三池炭鉱炭じん爆発50年展」案内
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三池炭鉱炭じん爆発50年展~むかし炭鉱、いま原発
日時:10月25日(金)~28日(月)10時~17時
場所:ひと・まち交流館京都
京都市下京区河原町五条下る東側 tel:075-354-8719
講演:10月27日(日)10時~12時
●命を守る闘い
宮脇好光さん(炭じん爆発被害者・元三池労組員)
●福島から自主避難して
加藤祐子さん(子ども・被災者支援法を考える会・京都)
入場無料
主催:三川鉱炭じん爆発50年展実行委員会
協力:大牟田・荒尾がんばろう会
「三池の黒い煙」と「フクシマの白い煙」が問いかけるもの
1963年11月9日に起きた三井鉱山三池鉱業所三川鉱(福岡県大牟田市)の炭塵大爆発から今年は50年の節目を迎えます。社会は豊かになり発展したと言われますが、働く者の雇用と安全、そして生活は守られてきたのか、当時と比べ現在はよくなったのか。自身、派遣労働者として7年間働いてきて、いま自問することであります。
折りしも2年前の2011年3月11日、東日本大震災による地震・津波の被害を受けた福島第一原発が爆発事故を起こしたことにより、原子力発電所の安全が、単に「神話」でしかなかったことが暴露された形になってしまいました。テレビニュースで観た福島第一原子力発電所爆発の際の白い煙は、50年前の三川鉱炭重大爆発の際の黒い煙となんら変わっていないのではないか、と。
炭塵爆発で、かろうじて助かりながらも、CO(一酸化炭素)ガスで被災した炭鉱労働者に、会社や国は「さほどの影響はない」という言葉を繰り返しました。それだけでなく。その後も容態がいっこうによくならない患者に対して、会社や国は、補償ほしさの「詐病」とまで言い出す始末でした。いまだに80数人のCO患者(福岡労基監督局把握)がいるにもかかわらず、です。
それと同じようなことが今また福鳥第一原子力発電所事故で繰り返されているのではないか。「直ちに影響はない」-そう繰り返された政府発表に、逃げ遅れた多くの住民が放射能汚染にさらされることになりました。その後の補償もいまだ充分になされていません。そればかりか行政は、除染が充分でない地域に帰還させる政策を取り、これに応える住民と反対する住民とが分断している有様です。かつての炭鉱町においても、住民が分断、いがみあった歴史がありました。このように行政による分断政策が今昔繰り返されている現実。
悲惨なのは住民ばかりではない。原発で働く労働者もまたしかり、なのです。放射線被ぱくで危険だとわかっていても、そこで働かざるを待ない派遣労働者たち。そこには炭鉱から流れて行った人たちもいる。そのことは、働く者の雇用と生活がいまだ充分に保障されていないことの裏返しではないのか。「危険を承知で来るのだから、少々の被ばくぐらいで文句を言うな」。自己責任として労働者に何もかも押し付ける労務政策。それが今の雇用と安全の実態ではないのか。何も社会はよくなっていない。
石炭と核エネルギーの違いはあっても、どちらも独占資本と国が犯した罪は大きく、三池は会社責任があいまいにされ、そして再び、電力会社の責任もあいまいにされようとしていること。そのためにも、50年前九州の片隅で起きた三池炭鉱大爆発事故の出来事を伝えなければならないと思うのです。
2013年9月1日日曜日
『社会主義』2013年9月号目次
ご注文は社会主義協会へ。一冊600円
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又市征治■社民党再建に向けて三位一体の徹底した総括討論を
特集 成長戦略と労働者,
鎌倉孝夫■金融独占資本のための「成長戦略」
瀬戸真一郎■成長戦略における医療
平川則男■家族と社会化をめぐる闘争の三〇年
柳湖太郎■二〇一三年版通商白書をどのように評価するか
座談会■参院選総括から党再建へ
真鍋健一■参議院選挙を闘って
中島修■候補擁立し確認できた党への期待と課題,
福田和幸■参院選大分選挙区における闘いから
瀬戸宏■中国社会科学院マルクス主義研究院訪日団との理論交流
座談会■国並み賃下げ攻撃と闘って
徐阿貴■『在日朝鮮人女性による「下位の対抗的な公共圏」の形成』を執筆して
吉田進■批評 参議院選挙闘争を振り返って,
大槻重信■山川均「非武装中立は不可能か」と石橋政嗣「非武装中立論」
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