2014年1月9日木曜日

第四回日中社会主義フォーラム報告

*この文章はフェイスブックの私のページに掲載したものですが、フェイスブックをみていない人もいると思うので、ここに転載します。
 
もう去年の出来事ですが、私も主催者の一人として関わった第四回日中社会主義フォーラムが「中国特色社会主義の行方と理論問題」を主題に、12月21日、22日両日慶応大学で開催されました。中国側十二名、日本側八名の研究者が報告しました。主催は社会主義理論学会で、慶応大学東アジア研究所などが共催です。

日中学術交流は、昨今の日中関係のため多少陰りが出てきましたが、基本的にはいまも非常に盛んです。しかし、中国が...今も社会主義を掲げているにもかかわらず、中国社会主義をテーマにしたシン...ポジウムは日本国内では皆無に近いのです。そして、中国国内で社会主義の要素の堅持・発展を主張する部分は、日本では単純に保守派とみなされ、しかもその保守派の主張が具体的に検討されることはほとんどありません。

実際には、中国国内で社会主義を主張する部分は今でも強い影響力を持っています。「現在の中国では社会主義、マルクス主義に関心を持つ者はほんの一握りだ」とよく言われます。これは一面では事実ですが、その「一握り」がどこにでもおり、全部を合わせると相当な数になります。しかも、中国共産党、共産主義青年団という形で強力なネットワークを形成しているわけです。これを無視して現代中国を語っていいのか、これがフォーラム開催にあたっての基本的問題意識です。根底には、文革期という中国が最も社会主義を強調した時期に中国研究を開始した私の、社会主義へのこだわりがあります。

フォーラム開催に当たって、大西広さん(慶応大学)を代表者に、私や田上孝一さん(立正大学)を研究分担者として「中国特色社会主義の多角的研究」をテーマに科研費を申請し獲得できたことが、フォーラム開催の財政的基礎になりました。また慶応大学東アジア研究所からも助成がありました。

フォーラムのプログラムは社会主義理論学会HPに掲載されています。http://sost.que.jp/myweb_017.htm また詳しい経過・内容は、私は別に文章を書く予定ですのでここでは詳細は省略しますが、参加者は傍聴者も含めて約60名に達し、たいへん活発な討論がたたかわされ、会議は大いに盛り上がりました。現在の日本で、社会主義をテーマにした学術会議に60名の参加者があったのは、かなりのものだと思います。中国側、日本側両方の参加者が内容に満足したようです。

私は社会主義理論学会の役員(委員)をしており、フォーラムの実行委員長でした。実行委員長として、中国側のビザ取得用招聘書類作成、フォーラムブログラム編成、予稿集編集を担当しました。フォーラム終了後23日の中国側研究者の東京見学にも同行しました。相当に疲労しましたが、非常に有意義な疲労だったと思います。写真はフォーラム閉会式。
 
 

2014年1月1日水曜日

『社会主義』2014年1月号目次

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
『社会主義』新年号の目次です。注文は社会主義協会へ。一冊600円。紀伊國屋書店本店でも販売しています。
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小島恒久■現代社会とマルクス主義

特集 日本と世界の経済・政治・労働
立松潔
又市征治■座談会「経済・政治・労働情勢の特徴と課題を考える」
高橋俊夫
山崎耕一郎■冷戦後の構図定まらぬ世界政治
木村牧郎■緊縮財政のもとでの欧州労働運動
横田昌三■特定秘密保護法の国会審議と廃止に向けた闘い

吉田ただとも■2014年新年にあたって,
安倍反動政権と対決する広範な戦線の確立を
連合 古賀伸明 自治労 氏家常雄 国労 石上浩一 I女性会議 高橋広子 社青同 柏原孝行 労大 小川研■2014年を迎えて

津田大介■ネット選挙解禁、若者の政治意識は変わるのか
大槻重信■日本は中国との戦争はできない
石川稔■原発再稼動で、国民を危険にさらすな
大谷竹人■2013現業・公企統一闘争から確定闘争へ
脇本茂紀■古典を読む⑳ マルクス『賃金・価格・利潤』
『賃金・価格・利潤』と今日の情勢(下)