レポートのなかに、64頁の「労働者階級の歴史的任務の実現・・・『構造改革論』はこ
れにこたえる理論?」となっている部分が、若干、話題になりました。清水慎三が、構造
改革論をどう評価していたかということです。
構造改革論は、最初の問題提起としては大酒運動を起こしながら国家の構造を改革して
ゆく路線として、提起されました。そして当時の社会党青年部幹部には清水理論信奉者が
多かったのですが、この人たちの多くが、「選挙に勝つには佐々木より江田が良い」という
理由で江田に傾き、同時に江田が提起した構造改革論にも扉いたという経過があります。
だから構造改革論の推進者には、「清水門下生」と称する活動家が多かったのです。清水慎
三自身も、この本を書いた61年の時点では、提起されたばかりの構造改革論を、好意的
に評価していたと思います。
ただその後、構造改革論は急速に変質してしまいました。「三池のように、立派に闘って
もつぶされるような目に会いたくないjという人たちに支持される路線になってしまった
のです。当時の日本資本主義は高度成長期でしたから、徹底抗戦しなくても、体面を保て
る程度には、労働条件と労組の立場は守れたのです。そういう路線としての評価が定着し
てしまったため、もともとの構造改革論者は、離れてしまうという傾向もありました。
社会党・総評系の運動においては、いつでも「タテマエとホンネ」の区別が難しいので
すが、この構造改革論についても、それが言えます。
炭労が三池闘争後に行なった政策転換闘争(石油への転換をせず、石炭産業の維持を主
張)については、われわれも高く評価していますが、構造改革論者も「自分たちの理論の
実践である」と評価しています。闘争の成果で、炭鉱のあった自治体では、閉山の後も国
からの支援が手厚く、労働者や地場産業が守られていました。強力に闘えば、そういう成
果が残るものだという勉強になります。
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http://www5f.biglobe.ne.jp/~rounou/rounouha.htm
2012年8月28日火曜日
2012年8月25日土曜日
2012年8月1日水曜日
『社会主義』2012年8月号目次
小島恒久◇逆流する野田政権と「維新の会」の危険性
松谷信◇左翼政権の復活 -フランス2012政治転換-
特集 中小・未組織・非正規労働者の運動
善明建一◇連合の中小・未組織・非正規運動の現状
木下栄治◇地域労働運動の果たす役割と今日的運動課題
原田和明◇地域で雇用問題を考える
十河健治◇香川における連合運動の現状と課題
梅川正信◇地域ユニオン運動10年の実績
早瀬進◇批評 増大する海外設備投資の現状と影響
大江登志栄◇日本航空の不当整理解雇との闘い
佐古正明◇契約社員の導入から正社員化の闘い(上)
西沢清◇思い出すことども 私と社会主義協会(七)
酒居利彦◇「維新の会現象」が私たちに提起する課題
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