2012年6月25日月曜日

社会主義理論学会第60回研究会案内

社会主義理論学会第60回研究会
重慶モデル、薄煕来事件を考える
本年3月、4月の薄煕来事件は、近年の中国共産党内権力闘争とは異なる路線論争の要素が感じられる。社会主義理論研究の立場からこの問題へのアプローチを試みる

日時 7月22日(日)午後2時より
会場 慶応大学三田校舎研究室棟1FB会議室
http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html
*通常と会場が異なっていますのでご注意ください。

報告
瀬戸宏(摂南大学) 
重慶モデルの理論背景
大西広(慶応大学) 
南街村、華西村との対比における重慶モデルの特徴について

参加費 500円

詳細は社会主義理論学会HP参照。
http://sost.que.jp/

2012年6月22日金曜日

『むかし原発 いま炭鉱 ~炭都[三池]から日本を掘る』刊行のご案内

*熊谷博子さんからの掲載依頼です。

熊谷博子です。5年がかりで書いた本が出版されました。
 映画『三池 終わらない炭鉱(やま)の物語』で出せたことは、実は撮影した中のわずかでしかなく、上映を続け、様々な人と出会いながら発見したことは、さらに
膨大でした。どうしたらそれが伝えられのか。その後ずっと本を書いていました。
 三池炭鉱の坑道は、日本のあらゆる問題とつながっています。しかもエネルギー
問題は、日本の裏事情でもあり、事実を掘り出し、つなぎ合わせ、それが正しいのかを確かめるには、長い大変な作業が必要でした。
 何とか完成に近づいたかなと思った時に、3・11が起きました。また全面的に書き直すことになりました。
 かなりの大作になってしまいましたが、一気に読めます。
 炭鉱から原発に至る見えない坑道があり、すべてのものごとは過去に終わっているのではなく、見事に絡み合いながら現在につながっているということが、パズルを解くようにわかります。読めばきっと、涙が滲みます。
 タイトルには、もう原発はやめにしてくれ、という思いを込めました。
 炭鉱に始まる、日本という国を支えてきた、そして今も支えている無名の人々の姿を、きちんと見直したいのです。
 人々の価値観が変わらなくてはならないこの国を、まさに根っこから掘り、ともに新しい道を作れる本だと、確信しています。
 ぜひ、手におとり下さい。

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◇『むかし原発 いま炭鉱 ~炭都[三池]から日本を掘る』
             熊谷博子 著 中央公論新社 2300円(税別)
 ―日本の根っこと未来へ向かう坑道がある 原発は何を残そうというのか
 話題の映画『三池』監督、渾身の書下ろし―  帯から  

【目次内容】
○炭鉱は文化を生み出したが、原発は文化を生み出さなかった―まえがきに代えて
○プロローグ 古くて新鮮な物語 
○第一部 「負の遺産」て何なのさ!~三池というまちで
  廃坑跡から声が聞こえた/負の遺産!?/異種混合スクラム/炭鉱にさわる/
  地の底で乳をしぼる
○第二部 地の底のジグソーパズル~三池闘争から現代へ
  60年の記憶/撮れないものを撮る/それぞれの一瞬/イデオロギーか生活か/
  分裂工作のシナリオは誰が?/裏の裏のそのまた裏/炭鉱労働者から原発労働者へ/
  みんな仲間だ
○第三部 巨大企業への一刺し~事故を抱きしめる女たち
  妻たちと母たちの地獄/妻たちの坑内座り込み/つぶされた鑑定書/
  象の足にアリがかみつく/団結公害/負けてそして勝った
○第四部 炭鉱(やま)に埋められた歴史
  長老の沈黙/切り取られた壁/心に時効はあるのか?/アメリカ人捕虜の訴え
○第五部 炭都シンフォニー
  労働への尊厳/撮れなかったものの重さ/負の遺産を富の遺産に
○エピローグ 三池の女と夕張の女   

2012年6月21日木曜日

『三池~終わらない炭鉱(やま)の物語』上映&熊谷博子監督トーク

*熊谷博子さんより連絡がありましたので、掲載します。

■□■市民社会フォーラム第77回例会■□■
        むかし原発 いま炭鉱
『三池~終わらない炭鉱(やま)の物語』上映&熊谷博子監督トーク
 ドキュメンタリー映画『三池 終わらない炭鉱(やま)の物語』(2005年)を監督し、『むかし原発 いま炭鉱 ~炭都[三池]から日本を掘る』(中央公論社、2012年)を著した、熊谷博子さんをお招きし、上映とトークを開催します。
 「三池炭鉱を振り返れば、そこで働いている人々の事情などお構いなしに、国の利益を優先して政府、経済界、学者が連携する構造があった。
原発政策もまったく同じ根っこを持っている。」
政府が地方にエネルギー開発基地を押しつけている、いびつな構造をあぶり出す視点で、熊谷さんは、「国とエネルギーの歴史を見直さずにここまで来てしまっているのが最大の問題
だろう。三池から、日本の『根っこ』を考えてほしい」(『東京新聞』5/13)と訴えています。

 3.11原発事故を体験した今だからこそ、「三池」の歴史から日本の「根っこ」をともに考えましょう。
参加費 1000円

★大阪会場
日程 7月12日(木)
会場 シアターセブン(大阪・十三)
共催 NPO法人淀川文化創造館
13:00~ 第1回上映
16:00~ 第2回上映
18:30~ 第3回上映
20:20~21:00 熊谷さんトーク
21:00~21:30 著作サインセール
21:30~22:30 会場で交流会(ワンドリンク・軽食 1500円)
※どの回で鑑賞されてもトークにご参加できます。

★神戸会場
日時 7月13日(金)18:20~20:40
会場 こうべまちづくり会館
 お申し込みなしでどなたでもご参加できますが、
人数把握のために事前にご連絡いただければありがたいです。
civilesocietyforum@gmail.com まで
【『三池~終わらない炭鉱の物語』】
オフィス熊谷/2005/1時間43分
監督:熊谷博子
撮影:大津幸四郎
協力:三池炭鉱に生きた人々
企画:大牟田市、大牟田市石炭産業科学館
2006年度 日本ジャーナリスト会議特別賞
2006年度 日本映画復興賞奨励賞
 1997年3月30日、日本で最大の規模を誇った三池炭鉱は閉山しました。
でもその歴史を、「負の遺産」と言うひともいます。
囚人労働、強制連行、三池争議、炭じん爆発事故・・・。
過酷な労働を引き受け、誇り高くやまに生きた男と女たちの証言を聞き続け、
7年がかりで完成させました。勇気をもって命がけで生きること。
そのひたむきな力。今さらではなく、今だからこそ未来への思いを込めて伝えたい。
150年以上にわたる、三池炭鉱の歴史に、初めて正面から向き合った映画です。
【熊谷博子(くまがい・ひろこ)さん】
1951年東京生まれ。
1975年より、日本映像記録センターにて、ディレクターとして、TVドキュメンタリー
の制作を開始。
戦争、原爆、麻薬などさまざまな社会問題を追い、
1985年にフリーの映像ジャーナリストとして独立。
これまで各テレビ局で50本を越すドキュメンタリー番組を作る。
TV番組のほかにも、戦時下のアフガニスタンに生きる人々を描いた
『よみがえれカレーズ』(89年 土本典昭と共同監督)、
自らの育児経験をもとにした『ふれあうまち』(95年)、
日本の女性監督たちの格闘を描いた『映画をつくる女性たち』(04年)
などのドキュメンタリー映画を多数監督する。
右手にカメラ左手にこども、がモットー。
■会場アクセス
【シアターセブン】
http://www.theater-seven.com/access.html
〒532-0024 大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ5階
TEL/FAX:06-4862-7733
阪急電車 十三駅、西改札口5分
【こうべまちづくり会館】
http://www.kobe-toshi-seibi.or.jp/matisen/4kuukan/kaikan.htm#access
神戸市中央区元町通4丁目2番14号
(元町商店街4丁目西端の南側角)
地下鉄海岸線「みなと元町駅」西1出口から北へ1分
神戸高速「花隈駅」東口から南へ3分、「西元町」東口から東へ5分
JR・阪神「元町駅」西口から西へ8分
市民社会フォーラムHP
https://sites.google.com/site/civilesocietyforum/

2012年6月17日日曜日

労農派の歴史研究会第139回例会報告


前回のレポートでは、曽我中執の『社会新報』論文などにより、当時の党指導部が理論委員会の学者グループの説にしたがって、国家独占資本主義論を放棄して「過程社会主義論」(現実の資本主義の過程が社会主義だという説)を採り、また公明党綱領に通じるように、「人間尊重・ヒューマニズム=社会主義」という定義をしたことが報告された。そういう変化は、党指導部が「政権が近い」ことを強く意識した結果であった。どこの国の左翼政権も、政権が近づくと言うことも現実的になるものである。

 先ごろ当選したフランス大統領も、自分は社会主義者だと名乗っているが、資本主義の制度を根本的に変えるような政策は出していない。自分と閣僚の報酬を大幅に削り、教員の増員、労働者の賃上げを主張しているのは立派だが、それは社会主義ではない。しかし、まず国民に好感をもたれるような改革をして、支持率を上げてからじっくり改革に取り組もうというのは、理解できる。

 当時の社会党指導部も、同じようなことを考えて、政権構想、政策をより現実的にしていこうと考えていたのだろうが、残念ながら支持率は上がらなかった。マスコミも理解を示さなかった。まだ冷戦中であったので、社会主義的な要素をもった構想には、拒否反応が強かったのである。

 政策変更に反対する方の陣営も、そのあたりの理解はパラパラで、対応がいくつにも分かれてしまったのだが、続回大会では付帯決議を付けるという対応で統一された。そのときの努力は、後に社会党の分解が進む過程で、出来るだけ組織を維持する力として生きた。
 現在は、政権からは遠いので、もろもろの経過、問題点を総点検して、次の時期に備えることが大事だと思われる。そういう討論をしておけば、必ず役に立つときはくるということを期待しつつ。      

2012年6月1日金曜日

社会主義2012年6月号目次



鎌倉 孝夫 金融・財政危機から国家の危機へ(下)
特集  12春闘総括から今後の課題を探る
近江 連合12春闘中間総括を検証する
根岸 一歩を踏み出したJP労組の12春闘
豊巻浩也 岩手県教組の12春闘総括と課題
小池 泰博 働く者が企業存続の調整弁か
佐藤肇 独立行政法人下における職場改善の闘い
高橋 俊夫 地方連合春闘の取り組みと課題
石井 敏郎 北海道における12春闘中間総括

熊谷 重勝 内部留保分析の視座
菅原晃悦 震災被害を資本主義の矛盾の観点で捉えなおす
金子 豊貴男 相模原市公契約条例スタート
山田 あつし 生活苦・労働苦と繰返し闘い社民党の強化を
善明 建一 ◇批評  フランス、ギリシャの二つの選挙結果を考える,
田本 ◇思い出すことども 私と社会主義協会