2013年12月24日火曜日

労農派の歴史研究会第155回例会報告

レポートを聞きながら、GMが倒産しそうになった頃のことを思い出しました。レポートの中でも言われましたが、GMが危うくなったとき、労組が年金・退職者医療で大幅に譲歩すれば、なんとかなるかもしれないと報道されていました。日本の労資関係であれば、労組は必要なだけの譲歩をして、倒産を回避しようとしたでしょう。日本の風土では、そうせざるをえないのです。
 ところがGMの労組は、倒産の回避に動きませんでした。自分が損をするような譲歩はしないのが当然、というわけです。退職者の権利を、守ったのです。そしてアメリカでは、この点で労組を非難する声は、無かったようです。少なくとも、日本で報道されることはありませんでした。
 たぶん、日頃の労使交渉でも、同様の態度だと思います。右より、労資協調思想といっても、交渉の場に出れば、やたらに譲歩しないのです。この点では、日本の労働運動、それを取り巻く周囲の眼と、かなり違います。 日本では、かなり左よりの執行部をもつ労組でも、交渉では、非妥協ではいられません。とくに倒産の危機が指摘されるような状況では、「お互いに譲り合って危機を回避せよ」という圧力がかかります。それを無視すると、後々の運動に差し障りが大きいので、最後は譲り合うという形で終ることが多いのです。
 この違いは、それぞれの国の風土によるので、指導部が思想的に右よりの組合も、左よりの組合も、どちらもその風土を無視できません。もちろん、交渉決裂というケ-スもありますが、非常に少ないと思われます。
 レーガンが大統領になった直後に、航空管制官のストに直面しました。レポートにあるように、この時は双方非妥協で、大統領は航空管制官全員を解雇しました。労組はもちろん打撃を受けたのですが、大統領の行為もやり過ぎであったようです。レーガンの政治を誉める人は時々いますが、この争議への対応について誉める人は、あまりいません。アメリカの風土でも、いつでも非妥協で交渉するのが良いわけではないようです。

2013年12月9日月曜日

第四回日中社会主義フォーラムの案内

12月21日、22日に、社会主義理論学会主催で第四回日中社会主義フォーラム・中国特色社会主義の行方と理論問題、が開催されます。日本側八名、中国側十二名の研究者が、中国特色社会主義について、社会主義理論研究の立場から徹底討論します。

中国に関するシンポジウムは、近年数多く開かれていますが、社会主義をテーマにしたシンポジウムはほとんどありません。会場は慶応大学三田キャンパス。傍聴参加無料。詳細は、リンク先の社会主義理論学会関係ページをみてください。
http://sost.que.jp/myweb_017.htm

2013年12月1日日曜日

『社会主義』2013年12月号目次

ご注文は社会主義協会へ。紀伊國屋書店本店でも販売しています。一冊600円。
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特集 脱原発と労働者

菅原晃悦■世界初の自然災害と原発事故の同時発生

武藤聡■福島原発事故の真相を究明し、すべての原発を廃炉に

長田秀樹■北海道における脱原発の闘い

我妻薫■原発再稼動に抗して

二田村邦浩■被災地の自治体労働者の現状

戸部忠則■柏崎刈羽における反原発の闘い

山芳彦夫■さようなら原発1000万人アクション

 

高橋俊夫■連合大会論議から今後の課題を考える

鴨桃代■労働法制の規制緩和に抗し、働く人が求める法整備を

栗田英夫■企業減税と消費税引き上げ

中島修■第50回護憲大会の報告

岩城博志■四カ月間闘い続けた一三春闘

野田邦治■第50回三池大災害抗議集会

伊藤修■批評 ”ブラック企業・職場・上司”を点検、摘発、撲滅せよ

大森紀美雄■思い出すことども 私と社会主義協会(一二)

脇本茂紀■『賃金・価格・利潤』と今日の情勢(中)

 

2013年11月26日火曜日

2013年度山川菊栄賞決定

2013年度山川菊栄賞選考委員会が11月23日開催され、下記のように決定したとのことです。本体にも書き込みますが、とりあえずここで紹介します。

丸山里美『女性ホームレスとして生きる―貧困と排除の社会学 』(世界思想社 2013.3)2940円
世界思想社HPの紹介
 
丸山里美(まるやま さとみ)氏は1976年生まれ、京都大学大学院博士課程単位取得認定退学。博士(文学)。社会学専攻。立命館大学産業社会学部准教授。共著に『フェミニズムと社会福祉政策』(ミネルヴァ書房 2012)ほか。
*『女性ホームレスとして生きる―貧困と排除の社会学 』奥付より。
立命館大学産業社会学部の紹介

贈呈式
日時 2014年3月1日(土) 13:30~16:30
場所 神奈川県立かながわ女性センター 集会室 アクセス
(神奈川県藤沢市江の島1-11-17  電話 0466-27-2111)

受賞者スピーチタイトル 「貧困女性の声を聞く」

山川菊栄賞のページ

2013年11月12日火曜日

労農派の歴史研究会第154回例会報告

連合発足の後、つまり90年代は、左派の人間にとっては「暗い時代」だった。左派の内部も幾つにも分かれ、批判し合いながら勢力を弱めていた。そういう時期に、自治労が日共系を除けばまとまって連合に入ったこと、総評内の中小企業労働運動(左派の影響力が強かった)が、まとまって連合に入り、内部で労働組合運動を継続する努力を続けたことが救いであった。その後の連合運動のなかでも、中小労働運動の存在が、連合の役割をひきたてていることは、例年の春闘を見れば明らかだろう。

 当時の記憶を掘り起こすと、レポートの中にある「補強五項目見解」を追求した運動の役割が大きかったと思う。総評運動を解体して連合に移行する議論の過程で、はじめの頃には、中小労働運動の幹部・活動家の中には、「連合なんかに行けるか!」という雰囲気が強かった。中小企業の労組を多く抱える単産が連合に入らなければ、連合も社会的影響力も小さくなるし、左派労働運動も分断されてさらに弱体化することが危惧されていた。

 そういう時期に「補強五項目見解」が提起された。(1)国民春闘路線の継承、(2)「反自民」「全野党の協力、共同闘争」、(4)中小企業労組・未組織労働者組織化の援助、等々、連合運動の弱点として指摘されていた問題点を簡潔に表現したものだった。この五項目を富塚総評事務局長が、連合結成にむけての会議で繰り返し主張し、中小労働運動の幹部・活動家たちがそれを支持した。そういう議論がしばらく続いている間に、「連合なんかに入れるか」と言っていて労組幹部・活動家たちの多くが、連合の批判をしながらも、中に入ってこの主張と運動を続けると変った。その経過は、富塚事務局長とその周辺の人たちの、見事な手品のようであった。

 現在でも、自治労と中小労働運動の担い手たちが、多くの仲間たちと協力しながら、連合を少しでも労働組合らしくさせている。そして今は、多くの人に、労働組合(もちろん、
連合外の労組も含めて)の立ち直りが期待されている。

2013年11月3日日曜日

三池炭坑炭塵爆発50年展(大阪)

10月10日の書き込みで紹介した三池炭坑炭塵爆発50年展が大阪でもあります。
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むかし炭坑、いま原発 三池炭坑炭塵爆発50年展
2013年11月9日(土) 〜16日(土)10時〜18時
 (15日のみ20時まで/11日休館)
 会場:エル・ライブラリー・展示コーナー 入場無料(▶アクセス)
  資料展示の他、映画「三池からの報告」等、関連映像。
「三池の黒い煙」と「フクシマの白い煙が問いかけるもの」
三池炭坑炭じん爆発50年展
1963年におこった戦後最大の炭鉱事故、
 「三井鉱山三池鉱業所三川鉱爆発」。
458人の犠牲者と839人の一酸化炭素中毒患者を出し、
 患者と家族の苦しみは今なお続いている。
危険とわかっていても、そこで働かざるを得ない労働者。
 行政によって分断される住民。
あいまいにされる独占資本と国の責任。
福島第一原子力発電所爆発の白い煙は、
50年前の三池炭坑炭じん大爆発の黒い煙と
 なんらかわっていないのではないか。
三池炭じん爆発50年展写真 三池炭じん爆発50年展写真
会期終了後も、予約していただければ11/29(金)まで観覧できます。
 予約日時については観覧希望日の2日前までにエル・ライブラリーへお問合せください。
お問合せ:
エル・ライブラリー 電話06-6947-7722
前川:電話090-2389-7686, 0749-23-1028
 e-mail: maekawa@hasiru.net

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主催:三池炭坑炭じん爆発50年展実行委員会
 協賛:エル・ライブラリー
協力:大牟田・荒尾がんばろう会
http://shaunkyo.jp/miiketankoutanjinbakuhatsu50nenten.html

 

2013年11月1日金曜日

『社会主義』2013年11月号目次


一冊600円。ご注文は社会主義協会へ
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又市征治■第185回臨時国会と社民党の課題

特集 安倍政権1年の検証

松永裕方■自民党安倍政治とは何かを考える

飯山満■資本のための成長戦略では社会はよくならない

仲田信雄■大企業支援のために消費税の増税を「決断」

伴英幸■原発推進に転換したエネルギー政策

津田公男■安倍政権の「積極的平和主義」は何をめざすか

 

佐藤保■批評 社会民主党とリベラル勢力

沖克太郎■三池CO闘争の教訓(その五)

村田雅威■二〇一三年九月のドイツ連邦議会選挙 その結果と評価

善明建一■民主化闘争を進めてきた韓国労働運動の歴史

山藤彰■「協同組合的社会」について

山崎耕一郎■民族派・右翼の台頭と安倍政権の集団的自衛権論

小笠原福司「平成二五年版労働経済白書」を読む

2013年10月1日火曜日

『社会主義』2013年10月号目次

ご注文は社会主義協会へ。一冊600円。
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横田昌三■第一八五臨時国会の焦点と私たちの課題

特集 産別大会から秋期闘争の課題を探る
久保泉■4・26スト提起で交渉実施単組拡大-自治労
山本隆史■JP労組第6回定期全国大会を終えて-JP
石崎浩■安倍教育再生に対峙し、社会的対話を進めよう-教組
山川藪沢■成果と反省共有し、方針実践で倍返し-私鉄
高田順次■職場闘争を基礎に基本権回復目指す-林野

座談会■三池CO闘争五〇年,
沖克太郎■三池CO闘争五〇年の闘いから(上)
平地一郎■夏季研究集会報告 佐高信氏を迎えて
佐高信■自民党政治に抗するリベラル勢力の結集のために
伊藤修■「アベノミクス」の理論的性格と主流経済学の屈折
早瀬進■リフレ論者の主張と財政政策
山路一行■新古典派最賃改革論の批判
王吉■中国の金融の現状
大森紀美雄■思い出すことども 私と社会主義協会(十二)
脇本茂紀■『賃金・価格・利潤』と今日の情勢(上)

2013年9月25日水曜日

労農派の歴史研究会第153回例会報告

男女雇用機会均等法が成立した頃、労働組合でもその他の団体でも、女性の役員は非常に少なかった。それから十数年たって、最近は少し増えたように見える。しかし、個人で仕事をする職業、学者、評論家、弁護士など、に比べると、まだ労働組合役員は少ないのではないかと思う。

 この章の執筆者も、ずいぶん苦労をしたのではないかと思う。学者、評論家、弁護士などで活躍する女性たちを見れば、男性と「能力の差」がないことは判る。しかし、日本ではまだ、企業や労働組合の中で、「女性が男性の上の地位に立つ」というのは、心理的な抵抗がある。だから、実現しているところは少ない。

 数年前、トヨタがアメリカで問題を起して、アメリカ・トヨタの経営者たちの写真が報道されたとき、アメリカの視聴者の第一印象は「男だけ!日本人ばかり!」であり、かなり印象を悪くしたそうである。そのために問題の解決が遅れて、たぶん、金銭的にもマイナスが大きくなっただろう。アメリカやEU諸国の企業でも、報道に出てくる会長、社長はほとんど男だからこの点ではあまり違わないと思うが、その他のポストには女性の役員がもう少し多いのだろう。男女平等の点で先進国である西欧の社会でもその程度だから、発展途上国である日本では、改善がゆっくりとしか進まないのは、やむを得ない。

 この章に書かれているように、国際的な改革に引っ張られながら、日本でも女性の権利、女性の活躍の場の実現が、進んできた。私は、国家でも、社会でも、その中のいろいろな団体でも、その中の女性の能力を十分に生かす方が、全体の利益になると思う。ただ、その事が実現する過程は、ゆっくりとしたものであり、また行きつ戻りつ、という場合もあると思う。

 しかし、現在の若者たちのなかでは、男女の権利の均等化は、進んでいると思う。それは労働者の権利全体の確立に、プラスになると思われる。

2013年9月10日火曜日

「三池炭鉱炭じん爆発50年展」案内


 
主催者より案内が届きましたので、掲載します。
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三池炭鉱炭じん爆発50年展~むかし炭鉱、いま原発
日時:10月25日(金)~28日(月)10時~17時
場所:ひと・まち交流館京都
  京都市下京区河原町五条下る東側 tel:075-354-8719


講演:10月27日(日)10時~12時
●命を守る闘い
 宮脇好光さん(炭じん爆発被害者・元三池労組員)

●福島から自主避難して
 加藤祐子さん(子ども・被災者支援法を考える会・京都)
入場無料
主催:三川鉱炭じん爆発50年展実行委員会
協力:大牟田・荒尾がんばろう会
 



「三池の黒い煙」と「フクシマの白い煙」が問いかけるもの

 1963年11月9日に起きた三井鉱山三池鉱業所三川鉱(福岡県大牟田市)の炭塵大爆発から今年は50年の節目を迎えます。社会は豊かになり発展したと言われますが、働く者の雇用と安全、そして生活は守られてきたのか、当時と比べ現在はよくなったのか。自身、派遣労働者として7年間働いてきて、いま自問することであります。
 
 折りしも2年前の2011年3月11日、東日本大震災による地震・津波の被害を受けた福島第一原発が爆発事故を起こしたことにより、原子力発電所の安全が、単に「神話」でしかなかったことが暴露された形になってしまいました。テレビニュースで観た福島第一原子力発電所爆発の際の白い煙は、50年前の三川鉱炭重大爆発の際の黒い煙となんら変わっていないのではないか、と。
 炭塵爆発で、かろうじて助かりながらも、CO(一酸化炭素)ガスで被災した炭鉱労働者に、会社や国は「さほどの影響はない」という言葉を繰り返しました。それだけでなく。その後も容態がいっこうによくならない患者に対して、会社や国は、補償ほしさの「詐病」とまで言い出す始末でした。いまだに80数人のCO患者(福岡労基監督局把握)がいるにもかかわらず、です。
 
 それと同じようなことが今また福鳥第一原子力発電所事故で繰り返されているのではないか。「直ちに影響はない」-そう繰り返された政府発表に、逃げ遅れた多くの住民が放射能汚染にさらされることになりました。その後の補償もいまだ充分になされていません。そればかりか行政は、除染が充分でない地域に帰還させる政策を取り、これに応える住民と反対する住民とが分断している有様です。かつての炭鉱町においても、住民が分断、いがみあった歴史がありました。このように行政による分断政策が今昔繰り返されている現実。
 
 悲惨なのは住民ばかりではない。原発で働く労働者もまたしかり、なのです。放射線被ぱくで危険だとわかっていても、そこで働かざるを待ない派遣労働者たち。そこには炭鉱から流れて行った人たちもいる。そのことは、働く者の雇用と生活がいまだ充分に保障されていないことの裏返しではないのか。「危険を承知で来るのだから、少々の被ばくぐらいで文句を言うな」。自己責任として労働者に何もかも押し付ける労務政策。それが今の雇用と安全の実態ではないのか。何も社会はよくなっていない。
 
 石炭と核エネルギーの違いはあっても、どちらも独占資本と国が犯した罪は大きく、三池は会社責任があいまいにされ、そして再び、電力会社の責任もあいまいにされようとしていること。そのためにも、50年前九州の片隅で起きた三池炭鉱大爆発事故の出来事を伝えなければならないと思うのです。
 
三川鉱炭じん爆発50年・実行委員会  前川俊行

前川さんのHP「異風者からの通信」
http://www.miike-coalmine.org/
 

2013年9月1日日曜日

『社会主義』2013年9月号目次

ご注文は社会主義協会へ。一冊600円
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又市征治■社民党再建に向けて三位一体の徹底した総括討論を

 

特集 成長戦略と労働者,

鎌倉孝夫■金融独占資本のための「成長戦略」

瀬戸真一郎■成長戦略における医療

平川則男■家族と社会化をめぐる闘争の三〇年

柳湖太郎■二〇一三年版通商白書をどのように評価するか

 

座談会■参院選総括から党再建へ

真鍋健一■参議院選挙を闘って

中島修■候補擁立し確認できた党への期待と課題,

福田和幸■参院選大分選挙区における闘いから

瀬戸宏■中国社会科学院マルクス主義研究院訪日団との理論交流

座談会■国並み賃下げ攻撃と闘って

徐阿貴■『在日朝鮮人女性による「下位の対抗的な公共圏」の形成』を執筆して

吉田進■批評 参議院選挙闘争を振り返って,

大槻重信■山川均「非武装中立は不可能か」と石橋政嗣「非武装中立論」

 

2013年8月30日金曜日

第38回平和友好祭中央祭典

昨年十七年ぶりに開催された平和友好祭中央祭典が、今年も以下の要領で開催されるとのことです。

日時 9月22日(日)~23日(月、祝)
場所 愛媛県松山市・ホテル道後
参加費 一万八千円(一人)

講演(福島県教組)、分科会(憲法、教科書、原発、日朝連帯)、「旅」の報告、うたごえなど

21日から22日にかけて伊方原発方面へのフィールドワークを予定しているとのことです。

「青年の声」2296号(9月2日号)より

2013年8月28日水曜日

『情況』2013年7・8月合併号


新左翼系の理論雑誌『情況』2013年7・8月合併号が六〇年代社青同(解放派)運動特集を組んでいます。特にここで紹介するのは、労働者運動資料室理事長の山崎耕一郎さんも寄稿しているからです。内容は次の通りです。
六〇年代社青同に思う  田中尚輝
六〇年代社青同(解放派)運動 樋口圭之介
書評 『六〇年代社青同(解放派)私史』 村上明
労働運動の前進・後退と社青同 山崎耕一郎

昨年出た樋口圭之介著『六〇年代社青同(解放派)私史』に着想を得た企画のようです。四本の文章の中でも樋口氏のもの(インタビュー)が最も長くなっています。執筆者の顔ぶれも、田中氏(太田派)、樋口氏(解放派)、村上氏(構革・反戦派)、山崎氏(向坂派)とバランスをとっています。

詳しい内容は後日に譲りますが、山崎さんの文章はいかにも近年の山崎さんらしく、私は好ましく読みました。しかし、特集登場の他の人や『情況』常連読者には異議や違和感があることでしょう。ただ、「七一年二月に事実上の再建大会として第一〇回大会を招集すると・・・私はこの大会で委員長になった」(p187上段)というのは山崎さんの記憶違いで、山崎さんが委員長になったのは1973年の第一二回大会です。

ともあれ、社青同の歴史に関心のある人には、たいへん興味深い内容といえるでしょう。『情況』ではこの後も社青同関連の論文などを掲載していくとのことです。


2013年8月27日火曜日

労農派の歴史研究会第152回例会報告

連合香川の運動の歩みと発展についての報告を受けた。確実にやるべきことを実行して、
現在では、活発に活動しているほうの県連合だそうである。私も一度、学習会に参加した
ことがある。自治労をはじめとする官公労の参加者が多かったのはもちろんだが、民間・
中小の労働者も参加していた。役員の方に、どういう取り組みが良かったのか聞いてみた
ら、いろいろな会合で素直に発言したことが、ゼンセン同盟をはじめ|日同盟の労組役員に
良い印象をもたれた原因ではないか、と言っていた。発言を遠慮したのではなく、積極的
に発言した方が良かったというのであった。もちろん、発言する以上、他の発言者が言う
ことを良く聞くということもあっただろう。社民党、民主党の「すみ分け」による選挙協
力も、行なわれている。

 話は変わるが、現在、国際政治においても冷戦時代のような、固定した対立・対峙の関
係は、表面化していない。たとえば、米中両国とも、相手の国とは対決でなく協力の関係
にあると言っている。腹の中がどうかは知らないが、少なくとも公式の発言では、協力関
係にあると言っている。欧米の人々は、そう言いつつも、自分の見解ははっきり主張する。
その点では、強調となると自分の意見を言わなくなる傾向の強い日本人とは、かなり違う。
香川の連合の活動をしている人たちの気持ちを聞いたことはないが、欧米流の民主主義に
近いのではないかと感じられる。

 ともかく、われわれもこれまでに学んできた労働運動論を捨てないし、同盟運動で育っ
てきた人たち、その後継者たちも多分そうだろう。それでも組織内の対話が進み、相互理
解が進むという例を、香川の運動の中に見ることができるのではないか。
 現在は、労働運動全体が低調である。この運動を上向きにしていくためには、連合内外
の者のすべてが、協力し合うことが重要であると思われる。それは中央より、県、地区の
連合運動の中で、実行し易いのではないか。

2013年8月1日木曜日

『社会主義』2013年8月号目次


ご注文は社会主義協会へ。一冊600円。
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柏井一郎■参院選挙で自・公圧勝、衆参で過半数を制する

 

特集 アベノミクスとTPPを考える

平地一郎■アベノミクス成長戦略論の経済思想

北川鑑一■「成長戦略」案には生存権で対峙を

善明建一■難航する12カ国TPP拡大交渉会合

石原健二■TPPで農業はどうなる

山田あつし■TPPと日本の医療

公的医療が崩され貧困と格差の医療が強まる

水沼剛■競争が激化する保険制度 狙われるかんぽ生命

 

金子 哲夫■参院選挙にみる各党の憲法政策

中村元気■朝鮮半島の非核化・東アジアの平和と共生を考える

西土井俊則■産別統一闘争再構築からあたりまえの組合づくりを

資料■「連合の政治方針」の中間まとめ・改訂案,

加納克己■批評,「歴史認識」問題と私

大槻重信■古典を読む⑲ 古典から戦争と平和を学ぶ②

レーニン「社会主義と戦争」と毛沢東「持久戦論」

2013年7月27日土曜日

2013年現代社会問題研究会夏季研究集会案内

恒例の現代社会問題研究会夏季研究集会が、今年も下記のように開催されます。

開催日時     2013年8月31日(土)午後2時~5時
開催場所      全水道会館5階中会議室  *JR水道橋駅北口より徒歩2分
講  演     「自民党政治に対抗する民主リベラル勢力の結集」
佐高 信 氏(経済評論家)
参加費      1000円   
 *終了後懇親会(4000円程度)も予定しています。ご参加を。
主  催       現代社会問題研究会
       佐賀大学経済学部 平地一郎研究室
        0952-28-8459 E-mail: hirachi●cc.saga-u.ac.jp
                *●を@に換えてください

詳細は、現代社会問題研究会HPをみてください。
http://www.geocities.jp/gensya2004/index.html

2013年7月20日土曜日

労農派の歴史研究会第151回例会報告

 連合春闘が始まった90年代というのは、ソ連が崩壊して、資本主義内部の競争が残った時代であった。当時はそういうことはあまり意識しては考えなかったが、資本主義内の競争ということは、コスト削減をめぐる競争が厳しくなるということであった。したがって、賃金闘、争は非常に取り組みにくくなるということであった。

 連合、各産別、というよりその実権を握る個別大企業の労資は、賃金闘争をやりたくないのは当然である一一企業としては、他の企業の労働者が賃上げをして、製品を買ってくれるのは歓迎だが、自分のところはその分だけコスト削減をしたいのがホンネだー-だから春闘を継続しようとする人たちは、様々に工夫しながら、単産、単組に働きかけていたようだ。ところが、この章に、ていねいに書かれているように、そうやって苦労しても、獲得できた賃上げは、その前の時代に比べると、額も率も小さい。だから実際に現場で苦労していない人は、「だから連合はだめだ!」と批判したがっていた。

 私(山峙)も、最近になってとくに強く感じるようになったのだが、60年代、70年代のように、企業も高度成長するが労働者も大幅賃上げが当たり前というのは、資本主義のなかでも条件の整ったところでだけ実現するのだ、ということである。そのなかで誰が偉いとか、立派だということではなく、そういう特殊な条件にある資本主義で起こる現象なのである。現在、「成長政策」というようなことを言っている人たちは、みんな「うまくやれば60年代、70年代と同じような高度成長をできる」と、本人が思うか、そう思っている人たちに圧力をかけられて、四苦八苦しているのである。

 そういう条件を再現できれば良いが、そうならないときは、毎年わずかづつでも賃上げが出来るのなら、それを長期間継続することを考えた方が良いのである。90年代、2000年代と、労組幹部が賃上げに努力して、ささやかな要求でも値切られてしまうようだが、それを継続して、少しでも正当な賃金獲得に近づいてほしい、と考える他ない。

2013年7月1日月曜日

『社会主義』2013年7月号目次

ご注文は社会主義協会へ。一冊600円。

特集 世界と日本の経済・政治・労働
北村厳■回復力弱くリスク抱える世界経済
山崎耕一郎■体制間対立終焉後の政治の低迷
松谷信■緊縮と闘い続ける欧州労働運動
芳賀和弥■米国労働運動を取り巻く現状
伊藤修■日本とアジアの経済の現況および焦点

資料■社会民主党2013参議院選挙公約(素案)
酒居利彦■漂流する橋下・日本維新の会
武藤聡■連合の2013春闘中間まとめを読んで
小池泰博■東北の私鉄13春闘をふり返って
高橋俊夫■地方連合会春闘の取り組みと課題
櫛部浩二■地方公務員給与削減攻撃に抗して
高橋道明■「職場の声」に依拠し大衆闘争で闘う
中村ひろ子■批評 ジェンダーの視点で安倍政権を見れば

2013年6月21日金曜日

労農派の歴史研究会第150回例会報告

 労働法制についての対応、国の基本政策、政治方針などが前回のテーマでした。この前にも言ったように、総評が無くなり、90年代には社会党も分解してしまうという状況で、労働運動にはたいへん暗い情勢でした。反動化を危惧する発言が、度々出されました。

 しかし私としては、連合の議論は、予想していたよりも堅実で、傘下の産業別組織、あるいは単位組合などから出された意見は、それなりに反映されていたと思います。労働運動全体が停滞して弱くなっていたので、反戦・平和の闘いも、労働法制に中いての闘いも強力でなかったのは事実です。しかし、強引な運営で反対意見を抑え込むというようなことは、あまりなかったと思います。
 憲法9条や自衛隊・自衛権などについても、きちんと意見集約がされていたようです。UIゼンセン同盟のように、改憲論の労組があるところでの意見集約でしたから、左派の人々が満足するような内容ではなかったのですが、それは労組の現状ですから、我慢しなければなりません。我慢しながら、正しい意見でまとめられるように、影響力を拡大しなければならないのは当然です。

 最近の労働組合の話を聞きますと、われわれの仲間たちも含めて、役員の後継者を確保するのに四苦八苦しているそうです。ということは、逆に言えば、後継者をたくさんつくって労組役員に送り込めば、方針、見解についても足りないところを補える、ということです。もちろん、現在はこの点が一番難しくて、どこの団体も四苦八苦しているところです。今は労組の機関で「主導権争い」をするよりも、どの党派、政治潮流も、「後釜不足」が深刻だそうです。

  「後釜」を育てるためにも、労組の政策、政治的立場について、若い人々に理解してもらうことが大切です。長期の不況で、労組の奮起を期待する声が大きくなっているこの頃ですから、ぜひこの点での成果を上げましょう。

2013年6月1日土曜日

『社会主義』2013年6月号目次


特集 春闘総括と今後の課題

五十嵐光彦  地方交付税・賃金削減阻止の取り組み,

根岸均  焦点となる賃金を巡る攻防(郵政)

佐藤正幸  新人事・賃金制度について(JR東日本)

石井敏郎  13春季生活闘争・連合北海道の取り組み

足田芳憲  中小企業労働組合における2013春闘

 

藤田研一  採用から65歳までの雇用制度(NTT)

高田順次  職場実態にもとづく要求・運動づくりを(国有林野職場)

三木秀樹  丸亀市におけるトリプル選挙三連勝

社民党  自民党「日本国憲法改正草案」全文批判()

菅原修一  「2013年版中小企業白書」を読む

川上登  地方財政制度から見た地方公務員給与削減問題

山崎耕一郎  批評 ボストン・マラソンでの爆弾テロが語る悩める“人種のるつぼ”

浦口俊郎  闘い続けた織田寿美子さんの生涯

大槻重信  古典を読む⑲クラウゼヴィッツ「戦争論」と「孫子」

 

 

 

2013年5月22日水曜日

中国社会科学院マルクス主義研究院訪日団来日

2013年5月10日より21日まで、中国社会科学院マルクス主義研究院訪日団金民卿団長ほか一行計五名が、社会主義協会の招待で訪日し、東京、名古屋、関西を訪問、現代中国研究者と交流したほか、各地を視察しました。これは、社会主義協会が2001年より続けているマルクス主義研究院との交流(前身のマルクス・レーニン主義毛沢東思想研究所時代を含む)の一環です。一部の訪日団メンバーは、17日、18日三重・ヤマギシ会本部を訪問しました。
 このうち、5月12日(日)には、東京・水道橋グランドホテルで社会主義協会との理論交流がおこなわれ、午前10時から午後5時半まで、事前に双方から出された質問事項に基づき、熱心な討論が行われました。
双方の質問事項は、次の通りです。
●社会主義協会からマルクス主義研究院への質問事項
1.中国共産党18回大会および第12期全人代、政治協商会議の基本特徴
 今後も高経済成長を追求するのか
 指導部人事について、「改革」「保守」の路線対立を反映していると日本のマスコミは報道しているが、それをどうみるか
2.中国社会の格差拡大の現状とそれに対する中国共産党・政府の対策
 環境問題、労働者の賃金、労働条件、権利問題、都市と農村(戸籍問題を含め)、教育問題、医療、高齢化社会等具体的問題の現状と対策
3.国有企業改革の現状と今後
4.中国社会主義民主の現状
 全人代の機能、広東省烏坎村・上浦村など
5.中国官僚層の腐敗発生の原因と対策
 薄煕来事件など
6.中国の当面の外交政策
 北朝鮮(特に核実験への見解)、ASEAN諸国、ロシア、アフリカ諸国、TPP、日本

●中国側質問事項
1.日本の学者の中国特色社会主義に対する認識
2.日本はどのようにして農民に社会サービスを提供しているか
3.日本の両極分化状況はどうか。日本のギニ係数はいくらか。
4.日本都市化の経験と教訓
5.日本の学者の毛沢東研究の最新状況
6.新自由主義の日本の学界での影響
7.日本の反腐敗機構、対策

交流は、善明建一社会主義協会事務局長との司会で行われました。中国側、日本側とも、一質問事項に一名が20分(通訳を含むので実質10分)で回答し、10分間討論するという形式です。双方とも率直に自己の見解を述べ、熱心な討論が行われました。『社会主義』8月号に理論交流の報告が載る予定ですので、ここでは詳細は省略しますが、たいへん有意義であったと思います。ただ、質問事項はかなり絞ったのですが、通訳を介しての交流ではやはり時間が足らず、一部の質問事項は時間切れになりました。次回はもう少し質問を絞る(日中とも各5問、計10問)必要があると思いました。

中国側も今回の訪日に満足していたようです。訪日団は21日に関西国際空港から無事に帰国しました。

*マルクス主義研究院との交流報告は、諸般の事情で『社会主義』2013年9月号になりました。



 

2013年5月19日日曜日

労農派の歴史研究会第149回例会報告


連合結成の後、90年代に入ると日本経済は長期の停滞期に入りました。多少は景気の波が上向いても、グローバル化で国内の生産・販売は伸びないので、労働者、とくに中小企業労働者には、厳しい状況が続きました。国内の工場、営業所の縮小、撤退が相次いだからです。そのために春闘においても、中小企業労組を多く抱える産別は、苦しい局面に立たされました。

 レポートでも強調されたように、93年春闘で「中小連絡共闘会議」が発足し、94春闘では「中小運動センター」が新設され、95春闘では「中小共闘センター」になりました。

 2000年代になると、パート、非正規労働者の増加が大きな問題になり、06年には「パート共闘」が設置され、07年には「連合非正規労働センター」「パート共闘」「パート共闘連絡会議」などが出来て、労働条件改善、組織化などに取り組みました。最低賃金の引き上げにもつながりました。

 労働組合の力量を高めるために、未組織労働者の組織化にも、力が注がれました。それでも、組織率は上がらず、連合の組織数も徐々に落ちています。連合組織は最高時には800万人を超えたそうですが、リストラの連続で雇用者数が減ったためもあって、現在は700万人が目標です。

 労働法制確立の取り組みも継続してきました。なかなか目に見える成果が上がらないのは事実ですが、取り組みの中軸になっているのは連合です。労働戦線再編成の議論が盛んであった90年代には、連合はすべて資本の言いなりになるかのような批判を受けましたが、労働者の意見がそれなりに反映されているのも事実です。問題はその「労働者の声」を、もっと強めることではないかと思われます。

2013年5月1日水曜日

『社会主義』2013年5月号目次


ご注文は社会主義協会へ。
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吉田ただとも■参議院選挙の争点と政策課題

善明建一■進む労働市場の流動化と規制緩和

 

特集 現代と日本国憲法

佐藤保■日本国憲法が果たしてきた役割

大槻重信■せめぎ合う改憲と護憲

北川鑑一■労働法制の規制緩和は生存権侵害

中村元気■安倍・自民党「教育改革構想」の実態とねらい

平川則男■医療保険制度と日本国憲法

福原宗男■生活困窮者の増大と生活保護制度の実態

中島修■自民党の「日本国憲法改正草案」を読んで

津田公男■危険きわまりない安倍政権の軍事政策

崎山嗣幸■憲法と基地問題

 

小笠原福司■批評 アベノミクスと2013春闘

正田彰■思い出すことども 私と社会主義協会(十一)

瀬戸宏■重慶モデル・薄煕来事件とは何であったか

中村譲■古典を読む⑱ 10月革命前夜ー平和的発展と武装蜂起の「間」

2013年4月1日月曜日

『社会主義』2013年4月号目次

小島恒久■歴史の危険な曲がり角

特集 アベノミクスとその政治を問う
北村厳■大幅な金融緩和へ舵を切った安倍政権
横田昌三■2013年度税制改正案とアベノミクス
石原健二■民主党の財政運営と安倍政権の財政出動
布野幹夫■第二次安倍政権の教育政策を考察する
藤井宗一■TPP参加で日本の農業は壊滅的な打撃

木村辰彦■オスプレイの配備・撤回を求める沖縄県民
町村進■国の地方公務員賃金引き下げ強制に反撃
佐々木貴■職場からタダ働きに抗して
東篤■衆議院解散総選挙を戦って
社会保障と財源についての研究会報告
山藤彰■社会主義的計画性の真のあり方について
山崎耕一郎■書評『世界の99%を貧困にする経済』
杢田恭輔■向坂逸郎先生に学んだ『資本論』研究会

2013年3月13日水曜日

労農派の歴史研究会第147回例会報告

 90年代には、国際政治においてはソ連の崩壊があり、国内では五五年体制の解体があり
ました。経済のグローバル化が進行して、労働者の運動にも大きな影響がありました。そ
の時代の日本の政治を、手短にまとめたのがこの章です。

 当時、自民党政権はもう長くは続かないということは判っていたのですが、どういう政
権に代わるのかは、必ずしも明確ではありませんでした。この執筆者が言う北欧型社会民
主主義の日本版の実現というのは、もっとも有力な説の一つでした。福祉の充実に、反対
する労働者はいないからです。

 49頁以降に書かれているように、09年の総選挙では、非自民勢力の期待がうまく結集
されたと思われます。国民生活重視、人間らしい労働(ティーセント・ワーク)、官僚政治
の打破、政官業癒着の打破、地方分権、環境保護など、ほんとうに期待は大きかったと言
えます。それがご承知のような経過で、短期の首相交代、支持率低下があって、昨年末の
総選挙での、民主党大敗に至ってしまいました。社民党はもう与党ではなくなっていたの
です力八同様の敗北であったと見なければならないでしょう。共産党にも支持が集まって
はいないので、民主党政権と共に[戦後革新]が敗れたと見て良いのではないでしょうか。
 レポーターの廣田さんも、「四 生活に密着した国民の要求一北欧型社会民主主義の日本
版を」「五 非核化政策と日米同盟からの脱却」「六 連立政権を支える社民党と労働組合
の役割」について述べています。

 90年代には社会党左派も落ち着いた討論ができずに、成り行き任せで分裂し、峰な政策
論議もせずに民主党政権に追随してしまったのですが、今度はもう少しましな対応をしな
ければ、という感じがします。現実にわれわれの周辺に残存している政治勢力を見るとか
なり遠い課題かもしれませんが。

2013年3月5日火曜日

2012年度山川菊栄賞推薦の言葉

                                                                                       重藤都

 この研究は、大阪府東大阪市の長栄中学校夜間学級に学ぶ在日一世二世の女性達が、自治体に学びの場を保障させ、地域で在日朝鮮人女性が人としての主体確立を求めた運動の克明な記録です.彼女らはさらに運動を発展させ、平等な市民的社会空間の「下位の対抗的な公共圏」である「ウリソダン」などをつくりだして、家庭で女性に負わされてきた支援や介護の機能を社会の機能につくりかえ、加えて、民族文化の世代間交流伝承、多文化交流の場として創り出しました。そのユニークな経過の分析につながります。

 在日朝鮮人の集住地である長栄中学夜間学級は、開設まもなく生徒数全国一、そして大部分が中高年の女性となりました。国際識字年の1 9 9 0年頃には生徒数は全日制を上回り、教育委員会は生徒の半数を急ごしらえの近隣校へ移動させようとしたのですが、施設も急ごしらえ、教員数も少なく、女性たちは行政に朝鮮人差別があることを敏;感に受け止め、独立の夜間中学を要求、八年間ものたゆまぬ運動の結果、独立中学をかち取りました。

 私は2010年の韓国併合百年に際して、在日ハルモニから女性としての併合百年を伺ったことがあります。兄弟の勉強の横で、文字も教えられず育つ苦しみを聴き、解放後、朝鮮学校づくりに献身した情熱の背景と意味を知ることができました。その民族学校設立の運動は朝鮮人男女一致した運動だったと理解しました。

 しかし、この書に登場するのは女性。家業、家族の世話、生活苦を一身に担って、家から出ることなく、駅で切符を買えず、病院で医者の診断の意味が分からず、公衆トイレの男女別が分からず、厳しい差別と無知のなかにおかれた女性です。その彼女らが、子の独立父母の介護卒業を経て、自らの学校へと向かい始めた情熱の強さをこの書で知って圧倒されました。

 この研究の魅力は、半世紀にわたる犠牲にも損なわれないハルモニたちの個性、熱意、強い意志が描かれているから、夫の理解を得るねばり強い「交渉」「方法」がむしろユーモラスに描かれているからです。

 ハルモニたちの個性は学校の教師を呑み込むばかりです。はじめて本名を呼ばれて、ためらうハルモニに「あんたの名前やがな」と呼びかける教師。それは自己回復の貴重な一歩であったのです:が「あんたの名前やがなって、まいにーち言われました、先生に。あんとき教えてくれはった先生は、そういうことに情熱があったんです。授業よりもね」個性が躍るようなハルモニの記憶です。

 二十年を超える運動の記録と評価は、同族である筆者の強い愛情と広い見識に裏打ちされて提供されました。運動の参加者のみならず、私たちもこの労作を感謝とともに受け取りたいと思います。

                                        (しげとうみやこ 山川菊栄記念会選考委員)

2013年3月1日金曜日

『社会主義』2013年3月号目次

伊藤修「アベノミクス」(?)について

特集 原発震災の実態と脱原発の闘い
菅原晃悦■脱原発で問われる「被害の事実」から出発した運動
藤岡郁夫■年末繁忙職場の実態とフクシマでの思い
池本柳次■原発に依存しない社会を創ろう
食緑水宮城県民会議■放射能被害は生活、産業、文化、自然環境に

立花洋一■被災住民が求めていることを復旧・復興の出発点に
中村浩■労働者の切り捨てを許さない
仲田信雄■消費増税の「地ならし」に税・財政を総動員
  財政規律が緩む2013年度予算
高田良徳■香川三区での取り組みの報告
社民党竹原支部■非正規労働者の組織化と衆議院選挙の取り組み
中堀一功■第46回衆議院選挙闘争を取り組んで
井上輝子■書評 バックラッシュに抗った闘争記
藤岡一雄■PSI第29回世界大会報告,
佐藤龍一■思い出すことども 私と社会主義協会(九

2013年2月13日水曜日

2012年度山川菊栄賞授賞式報告

*資料室理事の中村ひろ子さんから授賞式報告が届きましたので、掲載します。

今年の授賞式は、偶然も重なり、日本の植民地支配の歴史を反省させられるエピソードに満ちたものでした。まず、会場の韓国YMCAは、95年前、朝鮮人留学生たちが3・1独立宣言起草し発表をしたところでした(会館内には歴史資料室あり)。またホールでは「建国記念日」反対集会が開かれ、終了後デモ行進があるというので、「右翼がくる」という名目で、機動隊に囲まれての開催でした。そして授賞作が対象にしたのは、植民地被害そのもの、在日1世、2世のオモニたちの識字運動、夜間中学の増設運動だったのです。

 徐阿貴(そ・あき)さんは、ご本の内容がもつ重さからは想像できない華奢な方でした。その印象のごとく、優しい語り口で、ときには笑いを誘いながら、なぜこういう研究をするに至ったかを話されました。しかし、オモニたちが教育委員会と交渉している場面(受賞を喜ぶオモニたちだが皆高齢なので東京には来られず、何かないかと探したところ1週間前にようやく見つけ出した記録のDVD)を見せられた頃から、会場はすすり泣きが途絶えることはありませんでした。
 

 徐さんは、在日3世ですが、祖母や母親の生き方から示唆をうけて、このテーマに取り組まれたとのことです(だから、著書はお三方に捧げられている)。男たちは移住を強いられても、仕事を通じて移住先に根付くものだが、女たちは私的領域にとどまるため(専業主婦)二重差別のなかで生き続けざるをえない。そういう認識だったところに、東大阪の夜間中学に学ぶオモニたちが、母や妻としてではなく、自らの学ぶ権利獲得、自治体に学びの場を保障させ、地域で人としての主体確立に動いたことを知ったのでした。それから徐さんは、夜間中学を訪問され続け、オモニたちの活動を追い続け、博士論文としてまとめあげられたのです。それをもとに本に仕上げられたのでした。時にはお子さんを連れて一ヵ月近く滞在しての取材であったとは、当時の中学校の先生からお祝いの言葉の中にありました。なお、徐さんの受賞スピーチの全文は、夏ごろの『社会主義』に掲載の予定です。
 
 

2013年2月8日金曜日

2013年2月7日サイト更新

文献・資料に、第一次『唯物史観』編集のことば、総目次(1947-48)を追加しました。労農派、社会主義協会の他の刊行物の目次も、おいおい追加していきます。


労農派の歴史研究会に第146、147回案内、145回、146回報告を追加しました。
リンク集に、【堺からのアピール】教育基本条例を撤回せよ、津田大介公式サイトを追加しました。
労働者運動資料室とは、を一部更新(役員)、小島恒久先生から山崎耕一郎さんへの理事長交代を示しました。昨年八月の労働者運動資料室総会で決まったものですが、ページの更新をうっかり忘れておりました。またこの機会に、川口武彦先生のページの写真を差し替えました。以前の写真は逝去直前のものだったので、壮年時代の写真にしました。
 

2013年2月7日木曜日

社会文化会館の耐震診断費用に関する一部報道について(社民党、紹介)

社会文化会館の耐震診断費用に関する一部報道について、社民党HPに2月4日付で声明が掲載されています。

社会文化会館の耐震診断費用に関する一部報道について
社会民主党
2013年2月2日、一部報道機関において、社民党が実施した社会文化会館の耐震診断に関して、「東日本大震災の復興予算が使われていた。社民党は復興予算が被災地以外の事業に流用されていた問題を批判してきたが、姿勢が問われそうだ」などと、社民党が復興予算を「流用」しているかのような報道がございました。その内容につきまして、事実の経過と社民党の見解を改めてお知らせいたします。
以下、HPを直接みてください。
http://www5.sdp.or.jp/comment/2013/dannwa130204.htm

追記
社民党は耐震診断費用のうち、復興予算分280万円を被災地に寄付するとのことです。
朝日新聞記事
社民党、復興予算同額寄付へ 旧本部の耐震診断に使用
社民党本部が入っていた社会文化会館(東京都千代田区)の耐震診断費用の一部に復興予算が使われていた問題で、同党の又市征治幹事長は7日の記者会見で、復興予算から出ていたのと同額の約280万円を「被災地の子どもたちに寄付したい」と語った。
http://www.asahi.com/politics/update/0207/TKY201302070068.html

労農派の歴史研究会第146回例会報告

テキストが判りやすく書かれていたので、内容については、とくに議論はありませんでした。小泉内閣の当時、報道では長期の好況と書かれていましたが、実際、労働者にはその実感はなかったと思います。

 その後は、「リーマンショック」以後の欧米の不況と重なってしまったので、日本経済は名実ともに不況に入り、そこからの脱出の出口が見えません。報道ではFアペノミクスの
成功で株価が上がった。もうじき好況に」という、希望をもたせるような解説が多いのですが、世界のニュースを見ると、アメリカ、EUの株価も、日本と同様にこの間に7%前後上がっています。「アベノミクス」がなくても、同じぐらいの株価上昇はあったのです。株価というものは、大気予報と同じように、予想しにくいものなのですが、上昇は必ずしも「安倍のおかげ」ではないようです。

 大事なことは、「国民の購買力」を大きくすることではないかと思われます。この点て成果が積み重なってゆけば、国内での商品の売れ行きも、良くなると思われますギジシャやスペインの労働組合は、国の借金が問題にされ、緊縮財政を求める圧力が強いのに、ストをやめません。
 日本では、大阪府・市が典型ですが、労働組合が抵抗を控えているのに「労働組合叩き」が執拗に続けられます。労働組合の方では、もっと大声で主張しても良いと思うのですが、そうしていないようです。「孤立するともっと叩かれる」という危惧が強いようです。

 状況を変えるには、味方を増やしながら、世論を転換させることができるような陣容を整えなけれ、ばなりません。戦後、1960年代ぐらいまでは、総評の行動にも力がありましたが、味方の勢力、行動は一緒にできないが応援はしてくれる勢力などが、年々、厚みを増していました。学習を重ねながら、そういう状況もつくりたいと思います。

労農派の歴史研究会に戻る
http://www5f.biglobe.ne.jp/~rounou/rounouha.htm

2013年2月5日火曜日

新社会党委員長選挙公報(2013)抜粋

最近おこなわれた新社会党委員長選挙の結果はすでにお知らせした通りですが、選挙公報の主要部分を資料として紹介します。両候補の主張部分です。細川氏の部分の方が長くなっていますが、これは細川氏の公報の方が主張部分が長いからです。省略した部分は、推薦者、推薦の言葉、略歴、連絡先などです。
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■松枝佳宏氏の選挙公報(抜粋)
運動と党組織を強化しながら護憲共同の構築に全力をあげよう。
皆さんといっしょに闘いと組織をつくる
立候補にあたって
 2期連続の委員長選挙になった。全国の同志の温かいご支援を心からお願いします。
 12年末総選挙は自民党の圧勝となり、7月参院選挙は改憲発議3分の2をめぐる闘いになる。護憲派が3分の1勢力を確保できるか否かは、その後の日本社会の方同を左右することになろう。護憲共同の構築のため全力を挙げ、その一翼を担う、それが当面する新社会党の課題である。
 だな容易ではない。何よりも「憲法どころではない」という憲法破壊が先行する中で、私たちの周りの仲間の生活・労働の現実がある。「富を独占する1%の人々に対して、99%の人々が声を上げる」といわれるが、総選挙では99%の多くは棄権・無効票、そして「維新」「みんな」へと流れ、護憲派は惨敗した。一言で言えば、労屋運動をはじめ憲法を生かす大衆運動、およびそれと結びつく私たちの運動・和織の弱さの結果である。「憲法どころではない」という実態の中で、仲間と一緒になって闘いと組織をつくるしかない。
 私は書記長、委員長を担う中で、党員同志の奮戦に深い敬意の念を抱いている。そして改憲の危機を迎えている今日、よくぞ新社会党を作った、よくぞ闘いぬいている、と誇りを持っている。だが弱いのである。私たち新社会党が護憲共同の軸を担う力と情熱を持たない限り、共同の前進もない。
 困難な局面だが、執行部一丸となって闘う決意を表明する。委員長選挙は第18回大会 (2月16、17日)の議案討論に重なる。委員長選挙が、大会に結びつき、闘う方針が豊富化されることを願いながら、立候補のご挨拶といたします。

■細川正氏の選挙公報(抜粋)
民主的な党運営を進め党員の気持ちを大切に
 党の立場はあくまでも共同候補者づくりをめざすものであり、社民党とだけ選挙協力をしたり応援するものではありません。社民党の手足となって運動するのは、けっして「共同」ではありません。先の17回大会決定は、第16回大会の「本格的な選挙共同をどうつくりだすかつきつけられる」という確認を受け継ぎ、「参院選を含め、社民、『みどりの未来』、できれば共産党も単独でなく大胆な選挙協力をすべきだ」という立場から、共同テーブルを地域につくり、条件に応じ候補者の選考に関わるにとを決定したのです。社民党だけの推薦は共同をめざす大会決定に違反します。
●新社会党の存在意義
 中央執行委員会は、今回また社民党を推薦して総選挙を行ないました。東京の総支部では『社会新報』が何千枚も下りてきて、多くの党員が腹を立てながら配ったそうです。もちろんはっきりと拒否した党員もいたそうですが。社民党のチラシを配ったりポスターを貼ったりすることは、新社会党の発展にも拡大にも、党員の意識の向上にもつながらず、新社会党の展望を失っていきます。こんなことを毎回やっていては新社会党の存在は危うくなります。私たちは17年前に何のために新社会党を結成し、なんのために闘ってきたのでしょうか。選挙のたびに毎回、社民党の下請けをし続けるだけでは、新社会党の存在意義はうすれるばかりです。
●社会変革をめざし闘う党
 私たち新社会党員は、度重なる国政選挙の敗北にも耐え、地域や職場の小さな一つ一つの闘いが、社会を変えることにつながっていく、人らしく生きられる社会をつくることにつながっているのだと歯を食いしばって日々の活動を続けてきました。けっして社民党を維持したり大きくするために頑張ってきたのではありません。
 いま党員には急速にあきらめの気持ちが拡大し、党への結集力が低下し、党は崩壊の危機に陥っています。
 私の支部では先の参院選を巡る一連の経過で、3人が離党しました。福島県本部では最近の中央執行委員会のやりかたを批判して5人が離党しました。今のような社民追随、社民党の支持団体のような選挙を続けていったら党は崩壊してしまいます、いまこそ立党の精神に立ち返り、主体的に闘う党の再構築をめざしましょう。
●社民党へ溶けて流れていく
 私たちは、一昨年の参議院選挙以来、社民党に擦り寄り、依存し続け、二重党籍で社民党から副委員長を立前補させるという綱領も規約も反故にする党中央執行委員会の態度を批判し、これは社民党のなかに溶けて流れていく事実上の社民合流路線であると指摘してきました。このままでは、前回参院選・今回総選挙の総括も反省もないまま、13年参院選でも社民党を推薦するだけとなるでしょう。今次委員長選挙は、党の路線堅持・存続か、実質的な社民合流・党解体かが問われています。
党員が自信を持てる党と運動をつくりあげよう
党の旗を立てて闘おう
 私たちは、国政選挙でなかなか候補者を立てられないことが続いてきました。私たちは長期的な国政復帰をめざして、闘争資金の積み立てや組織拡大に取り組むべきだと要求してきましたが、中央執行委員会は自らの主体の確立を放棄し、党の候補者を立てられないことを理由に、社民党推薦の口実にし、正当化し、ただひたすら毎回、社民党依存を繰り返すばかりです。これでは党の長期展望も切り開けず、党員は力も出ません。
 私たちは、1 3年参院選で新社会党の候補者擁立を追求し、党の旗を立て、党の政策を訴えて、党への支持を広げるために闘います。政党要件のない現状で比例区擁立は財政的に困難なので、首都圏、近畿圏で一人ずつの選挙区候補を擁立し、全党で支えて闘う方向をめざします。党員が、党への誇りを持てる、自信を持てる党をつくる、党員が自信を取り戻す党建設を進めます。
改憲阻止の強大な院外闘争を
 先の総選挙で改憲、自衛隊を国防軍へと主張した自民党や維新の会が圧勝し、憲法は危機的状況となり、参院選および参院選後に護憲運動が正念場を迎えます。働く者の権利と生活を守ると同時に、オスプレイ配備撤回などの反基地闘争、集団的自衛権反対など、具体的な課題で学習会や講演会・集会を広げて改憲阻止の闘いを地域・職場で強めていかなければなりません。また、護憲を掲げる人々との共同の闘いを広げていくことが求められています。
 しかし、中央執行委員会は国政選挙共闘だけに固執し、「共同」を口実に社民党支持だけを進め、本来の共同戦線構築を阻害しています。
 主体のないところに共闘はなく、いくら共闘を呼びかけても誰も相手にはしません。まずは、もっとも困難な国政選挙での共同戦線だけを追求するのではなく、新社会党自身の護憲運動と主体を強化し、地域や職場での共産党や社民党、民主団体や平和運動との共闘を積み重ね、広げていくことを追求していきます。その大きなうねりを背景にした強大な院外闘争をつくりだすことが喫緊の課題です。
働く者の権利と生活を
 長期不況の深化の中で雇用情勢はますます悪化し、労働者の権利も、労働条件も、賃金七生活も悪化を続けています。職場の組織と闘いの確立をめざすと同時に、電機・通信産業の1 3万人首切り合理化や、労働法制のさらなる改悪に対してナショナルセンターの違いを越えて統一した闘いを作り出すことが必要です。少数派となっている階級的労働組合においては、上部団体の違いを越えた統合も起きてきています。新社会党がこのような闘う統一の流れの促進で一定の役割を果たせるよう頑張ります。
細川正は路線を堅持します。
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推薦者は、松枝氏は中執の大半(17名)、兵庫県本部ほかです。細川氏は江原栄昭、山田敏行氏などほか50余名(氏名なし)です。

2013年2月1日金曜日

『社会主義』2013年2月号目次

又市征治■安倍改憲内閣の発足と私たちの課題
田山英次■参議院選挙まで半年

特集2013春闘をいかに闘うか
岩場朗■連合2013春季生活闘争方針の検討
善明建一■ディーセント・ワークの実現に向けて
酒井和子■ジェンダー平等社会の実現への課題
足立康次■産別の2013春季生活闘争方針を検討する
松永裕方■「平成24年版厚生労働白書」を読む

山本茂■消費税と年金の将来に向けて
石原健二■書評 田中信孝著「検証・日本の財政」
高久明雄■安倍自民党の教育改革の批判検討
佐藤龍一■私と社会主義協会(九)
中村譲■古典を読む⑱ 格闘するレーニン(九

2013年1月31日木曜日

朝日新聞「おやじのせなか」理想追い思想押しつけず(津田大介さん)

本日(2013.1.31)朝日新聞朝刊の週一回連載インタビュー「おやじのせなか」(大阪本社版では26面)に、ジャーナリストで「ウェブで政治を動かす!」(朝日新書)などの著者津田大介さんが登場しています。長く社青同、社会主義協会の専従役員を務め、現在は協会本部ボランティア専従である津田公男さんのご子息です。(紙面に名前は出てきませんが)
今日の時点では朝日新聞HPに転載されていないようですので、朝日新聞HPでは会員制ページ掲載ですので、要旨をまとめておきます。

・父は学生運動に傾倒し、一貫して社会主義という理想に身を捧げてきた人である。
・高沢寅男秘書をはじめ、旧社会党系団体職員をしていた。
・酒好きで、口癖は「俺は酒を飲むのが仕事」。休日になると労働組合関係者を家に呼び、楽しそうに飲んでいた。
・家ではよく遊んでくれた。夏休み・冬休みにはいろいろなところに連れて行ってくれた。楽しい思い出ばかりだ。
・共働きで母が病気がちだったこともあり、率先して家事をしていた。
・父は自分の思想を僕に押しつけることなく、自由に育ててくれた。
・社会問題に興味を持ち始めた一〇代の頃、よく父と話をした。ソ連崩壊の時「結局社会主義ってだめだったじゃん」と言うと、「社会主義の思想自体が間違っていたわけじゃない。運用の仕方だ」と、意外に淡々としていた。
・社会党衰退後、父はどんなにつらかったろうと思うが、「何事もなるようにしかならない」と受け入れていた。達観しつつ楽天的。自分の性格も父に似ている。
・父は僕の仕事については何も言わないが、母によると僕の活動を喜んでいるようだ。

なかなかいいインタビューだと思いました。関心のある方は直接記事にあたってください。津田大介さんに興味のある方は、ウィキペディアの津田さんの項目をみてください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%A5%E7%94%B0%E5%A4%A7%E4%BB%8B

2013年1月30日水曜日

新社会党委員長選挙結果

 1月27日締め切り、28日開票、29日集計の新社会党委員長選挙結果が明らかになりました。
投票率 81%  松枝佳宏氏得票率81.4% 細川正氏16.6% 白票その他5.7% (全国集計)
松枝現委員長の再選です。

すでにネット上で報告されているようですが、ここでもお知らせします。

2013年1月20日日曜日

社民党本部(社会文化会館)解体へ

 本日の産経新聞(電子版)によれば、社会文化会館の解体がまもなく始まるとのことです。私もかつては何度も出入りしたことがあり、感慨があります。他紙や社民党HPではまだ報道がありません。産経報道の一部を紹介しておきます。
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「三宅坂」半世紀の歴史に幕 社民党本部、26日から移転
2013.1.20 21:31
 社民党本部が入る東京・永田町の「社会文化会館」が近く取り壊される。前身の社会党時代から半世紀近く使用されてきた歴史的な建物だけに惜しむ声もあるが、老朽化には勝てなかった。党本部は首相官邸近くの民間ビルに移転することが決まっており、26、27両日に引っ越しが行われる。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130120/stt13012021320004-n1.htm

2013年1月1日火曜日

『社会主義』2013年1月号目次

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 恒例の『社会主義』目次です。

善明建一◆自民党圧勝、民主党は解党的大敗北

特集 世界と日本の経済・政治・労働
北村厳◆不安定化がとまらない世界経済情勢
山崎耕一郎◆新自由主義の後退、社民・中道左派への傾斜
伊藤修◆2013年の日本経済展望
広田貞治◆政治反動に抗する統一戦線を
平地一郎◆資本主義は「社会」を壊す

2013年を迎えて 新自由主義的政治反動に抗する戦線構築を
福島みずほ/古賀伸明/徳永秀昭/石上浩一/鴨桃代/高橋広子/柏原孝行/小川研
芳賀和弥◆オバマが勝利した米大統領選挙
瀬戸宏◆中国共産党第18回大会の特徴と今後の中国
大槻重信◆尖閣問題と自衛隊
小島正雄◆2012確定闘争を闘って