労働法制についての対応、国の基本政策、政治方針などが前回のテーマでした。この前にも言ったように、総評が無くなり、90年代には社会党も分解してしまうという状況で、労働運動にはたいへん暗い情勢でした。反動化を危惧する発言が、度々出されました。
しかし私としては、連合の議論は、予想していたよりも堅実で、傘下の産業別組織、あるいは単位組合などから出された意見は、それなりに反映されていたと思います。労働運動全体が停滞して弱くなっていたので、反戦・平和の闘いも、労働法制に中いての闘いも強力でなかったのは事実です。しかし、強引な運営で反対意見を抑え込むというようなことは、あまりなかったと思います。
憲法9条や自衛隊・自衛権などについても、きちんと意見集約がされていたようです。UIゼンセン同盟のように、改憲論の労組があるところでの意見集約でしたから、左派の人々が満足するような内容ではなかったのですが、それは労組の現状ですから、我慢しなければなりません。我慢しながら、正しい意見でまとめられるように、影響力を拡大しなければならないのは当然です。
最近の労働組合の話を聞きますと、われわれの仲間たちも含めて、役員の後継者を確保するのに四苦八苦しているそうです。ということは、逆に言えば、後継者をたくさんつくって労組役員に送り込めば、方針、見解についても足りないところを補える、ということです。もちろん、現在はこの点が一番難しくて、どこの団体も四苦八苦しているところです。今は労組の機関で「主導権争い」をするよりも、どの党派、政治潮流も、「後釜不足」が深刻だそうです。
「後釜」を育てるためにも、労組の政策、政治的立場について、若い人々に理解してもらうことが大切です。長期の不況で、労組の奮起を期待する声が大きくなっているこの頃ですから、ぜひこの点での成果を上げましょう。
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