最近おこなわれた新社会党委員長選挙の結果はすでにお知らせした通りですが、選挙公報の主要部分を資料として紹介します。両候補の主張部分です。細川氏の部分の方が長くなっていますが、これは細川氏の公報の方が主張部分が長いからです。省略した部分は、推薦者、推薦の言葉、略歴、連絡先などです。
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■松枝佳宏氏の選挙公報(抜粋)
運動と党組織を強化しながら護憲共同の構築に全力をあげよう。
皆さんといっしょに闘いと組織をつくる
立候補にあたって
2期連続の委員長選挙になった。全国の同志の温かいご支援を心からお願いします。
12年末総選挙は自民党の圧勝となり、7月参院選挙は改憲発議3分の2をめぐる闘いになる。護憲派が3分の1勢力を確保できるか否かは、その後の日本社会の方同を左右することになろう。護憲共同の構築のため全力を挙げ、その一翼を担う、それが当面する新社会党の課題である。
だな容易ではない。何よりも「憲法どころではない」という憲法破壊が先行する中で、私たちの周りの仲間の生活・労働の現実がある。「富を独占する1%の人々に対して、99%の人々が声を上げる」といわれるが、総選挙では99%の多くは棄権・無効票、そして「維新」「みんな」へと流れ、護憲派は惨敗した。一言で言えば、労屋運動をはじめ憲法を生かす大衆運動、およびそれと結びつく私たちの運動・和織の弱さの結果である。「憲法どころではない」という実態の中で、仲間と一緒になって闘いと組織をつくるしかない。
私は書記長、委員長を担う中で、党員同志の奮戦に深い敬意の念を抱いている。そして改憲の危機を迎えている今日、よくぞ新社会党を作った、よくぞ闘いぬいている、と誇りを持っている。だが弱いのである。私たち新社会党が護憲共同の軸を担う力と情熱を持たない限り、共同の前進もない。
困難な局面だが、執行部一丸となって闘う決意を表明する。委員長選挙は第18回大会 (2月16、17日)の議案討論に重なる。委員長選挙が、大会に結びつき、闘う方針が豊富化されることを願いながら、立候補のご挨拶といたします。
■細川正氏の選挙公報(抜粋)
民主的な党運営を進め党員の気持ちを大切に
党の立場はあくまでも共同候補者づくりをめざすものであり、社民党とだけ選挙協力をしたり応援するものではありません。社民党の手足となって運動するのは、けっして「共同」ではありません。先の17回大会決定は、第16回大会の「本格的な選挙共同をどうつくりだすかつきつけられる」という確認を受け継ぎ、「参院選を含め、社民、『みどりの未来』、できれば共産党も単独でなく大胆な選挙協力をすべきだ」という立場から、共同テーブルを地域につくり、条件に応じ候補者の選考に関わるにとを決定したのです。社民党だけの推薦は共同をめざす大会決定に違反します。
●新社会党の存在意義
中央執行委員会は、今回また社民党を推薦して総選挙を行ないました。東京の総支部では『社会新報』が何千枚も下りてきて、多くの党員が腹を立てながら配ったそうです。もちろんはっきりと拒否した党員もいたそうですが。社民党のチラシを配ったりポスターを貼ったりすることは、新社会党の発展にも拡大にも、党員の意識の向上にもつながらず、新社会党の展望を失っていきます。こんなことを毎回やっていては新社会党の存在は危うくなります。私たちは17年前に何のために新社会党を結成し、なんのために闘ってきたのでしょうか。選挙のたびに毎回、社民党の下請けをし続けるだけでは、新社会党の存在意義はうすれるばかりです。
●社会変革をめざし闘う党
私たち新社会党員は、度重なる国政選挙の敗北にも耐え、地域や職場の小さな一つ一つの闘いが、社会を変えることにつながっていく、人らしく生きられる社会をつくることにつながっているのだと歯を食いしばって日々の活動を続けてきました。けっして社民党を維持したり大きくするために頑張ってきたのではありません。
いま党員には急速にあきらめの気持ちが拡大し、党への結集力が低下し、党は崩壊の危機に陥っています。
私の支部では先の参院選を巡る一連の経過で、3人が離党しました。福島県本部では最近の中央執行委員会のやりかたを批判して5人が離党しました。今のような社民追随、社民党の支持団体のような選挙を続けていったら党は崩壊してしまいます、いまこそ立党の精神に立ち返り、主体的に闘う党の再構築をめざしましょう。
●社民党へ溶けて流れていく
私たちは、一昨年の参議院選挙以来、社民党に擦り寄り、依存し続け、二重党籍で社民党から副委員長を立前補させるという綱領も規約も反故にする党中央執行委員会の態度を批判し、これは社民党のなかに溶けて流れていく事実上の社民合流路線であると指摘してきました。このままでは、前回参院選・今回総選挙の総括も反省もないまま、13年参院選でも社民党を推薦するだけとなるでしょう。今次委員長選挙は、党の路線堅持・存続か、実質的な社民合流・党解体かが問われています。
党員が自信を持てる党と運動をつくりあげよう
党の旗を立てて闘おう
私たちは、国政選挙でなかなか候補者を立てられないことが続いてきました。私たちは長期的な国政復帰をめざして、闘争資金の積み立てや組織拡大に取り組むべきだと要求してきましたが、中央執行委員会は自らの主体の確立を放棄し、党の候補者を立てられないことを理由に、社民党推薦の口実にし、正当化し、ただひたすら毎回、社民党依存を繰り返すばかりです。これでは党の長期展望も切り開けず、党員は力も出ません。
私たちは、1 3年参院選で新社会党の候補者擁立を追求し、党の旗を立て、党の政策を訴えて、党への支持を広げるために闘います。政党要件のない現状で比例区擁立は財政的に困難なので、首都圏、近畿圏で一人ずつの選挙区候補を擁立し、全党で支えて闘う方向をめざします。党員が、党への誇りを持てる、自信を持てる党をつくる、党員が自信を取り戻す党建設を進めます。
改憲阻止の強大な院外闘争を
先の総選挙で改憲、自衛隊を国防軍へと主張した自民党や維新の会が圧勝し、憲法は危機的状況となり、参院選および参院選後に護憲運動が正念場を迎えます。働く者の権利と生活を守ると同時に、オスプレイ配備撤回などの反基地闘争、集団的自衛権反対など、具体的な課題で学習会や講演会・集会を広げて改憲阻止の闘いを地域・職場で強めていかなければなりません。また、護憲を掲げる人々との共同の闘いを広げていくことが求められています。
しかし、中央執行委員会は国政選挙共闘だけに固執し、「共同」を口実に社民党支持だけを進め、本来の共同戦線構築を阻害しています。
主体のないところに共闘はなく、いくら共闘を呼びかけても誰も相手にはしません。まずは、もっとも困難な国政選挙での共同戦線だけを追求するのではなく、新社会党自身の護憲運動と主体を強化し、地域や職場での共産党や社民党、民主団体や平和運動との共闘を積み重ね、広げていくことを追求していきます。その大きなうねりを背景にした強大な院外闘争をつくりだすことが喫緊の課題です。
働く者の権利と生活を
長期不況の深化の中で雇用情勢はますます悪化し、労働者の権利も、労働条件も、賃金七生活も悪化を続けています。職場の組織と闘いの確立をめざすと同時に、電機・通信産業の1 3万人首切り合理化や、労働法制のさらなる改悪に対してナショナルセンターの違いを越えて統一した闘いを作り出すことが必要です。少数派となっている階級的労働組合においては、上部団体の違いを越えた統合も起きてきています。新社会党がこのような闘う統一の流れの促進で一定の役割を果たせるよう頑張ります。
細川正は路線を堅持します。
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推薦者は、松枝氏は中執の大半(17名)、兵庫県本部ほかです。細川氏は江原栄昭、山田敏行氏などほか50余名(氏名なし)です。
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