教育実践の内容、教育労働間題の学習会を基礎にもつ日教組運動の強さについては、幡野さんの報告で良く判りました。しかしその後も、資本、保守勢力、権力などから目の敵にされ続け九日教組運動は、処分者の多さ、犠牲者救援資金の確保で、苦労を続けてきました。その問題の打開策の一つとして、文部省との「和解」が行われました。この点で幡野さんは、『社会主義』誌の記述に意見を述べました。当事者でないと良く判らないところが多いのですが、客観的にみると、日の丸、君が代の問題など、日教組だけが矢面に立っている状況を変えないと、打開策は出てこないのではないかという感じがしました。
次のテキスト 『連合運動』(労働運動研究会編 えるむ書房)に
次回からは、次回からは、またテキストを決めて学習しようということになって、えるむ書房の『連合運動』に決めました。2009年に書かれた本です。
最近は、労働組合運動について書かれた出版物がめっきり少なくなってしまったのですが、この本は学者と労働運動の役員、活動家が協力してつくられました。読んで、おおいに議論して、労働運動建て直しへの課題を考えたいと思います。
新自由主義の跳梁蹟琶のもとで、どこでも労働組合運動は苦闘しているのですが、お隣の韓国や、経済危機に直面している南欧の国々では、ストライキが行なわれています。その違いは、簡単には判らないでしょうが、考えてみることは必要です。連合、労働組合運動の実情を学びながら、考えてみたいと思います。
最初は、経済情勢、次が政治情勢と改革の課題です。こういう点でも80年代、90年代とは違う特徴が出ていると思いますが、そういうところをはじめに少し勉強してから、労働組み合運動が現実にぶつかっている課題について考えてみたいと思います。
労農派の歴史研究会に戻る
http://www5f.biglobe.ne.jp/~rounou/rounouha.htm
2012年12月29日土曜日
2012年12月17日月曜日
2012年12月16日サイト更新
●文献・資料に、社青同同盟歌(1960)、社青同行進曲(1965)を追加しました。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~rounou/lsy_002.htm
総選挙での社民党大敗は残念ですが、嘆いていても仕方ありません。できることから反撃していきたいと思います。このHP、ブログも、ささやかながらその一環です。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~rounou/lsy_002.htm
●労農派の歴史研究会に第145回案内を追加しました。
●会報27号を追加しました。
●山川菊栄賞に2012年度受賞作を追加しました。
社青同同盟歌、社青同行進曲については、実際の演奏をMIDIファイルにして貼り付けたかったのですが、録音したテープ類を見つけられませんでした。元東京文化センター関係者など持っていそうな人に問い合わせたのですが、ないとのことです。私に音楽の才能があれば自分で演奏するのですが、それもかないません。やむなく楽譜のみとしました。機会をみて補いたいと思います。
社会党党歌も同時にアップしたかったのですが、これも歌詞類がみあたりません。国会図書館にあることはわかっていますので、これも折をみて補います。
総選挙での社民党大敗は残念ですが、嘆いていても仕方ありません。できることから反撃していきたいと思います。このHP、ブログも、ささやかながらその一環です。
2012年12月16日日曜日
本年度(2012年度)山川菊栄賞
昨日、山川菊栄賞選考委員会が開かれ、下記の書籍に受賞が決まったとのことです。本体に書き込みますが、ここでも紹介します。
徐阿貴『在日朝鮮人女性による「下位の対抗的な公共圏」の形成 大阪の夜間中学を核とした運動』
御茶の水書房
2012年2月刊行
定価:5670円(本体5400円+税)
ISBN:978-4-275-00968-5
内容(御茶の水書房HPより)
民族差別が空気のごとく存続している日本社会で、教育機会からの疎外にとどまらないさまざまな抑圧を、生き抜いてきた在日朝鮮人女性たちが果たした夜間中学入学と独立運動。そこから生まれた主体的言説と新たな公共圏を描く。
http://www.ochanomizushobo.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=978-4-275-00968-5
贈呈式
日時 2013年2月11日
場所:在日本韓国YMCA アジア青少年センター(304・305会議室)
〒101-0064 東京都千代田区猿楽町 2 - 5 - 5
http://www.ymcajapan.org/ayc/hotel/jp/#
徐阿貴『在日朝鮮人女性による「下位の対抗的な公共圏」の形成 大阪の夜間中学を核とした運動』
御茶の水書房
2012年2月刊行
定価:5670円(本体5400円+税)
ISBN:978-4-275-00968-5
内容(御茶の水書房HPより)
民族差別が空気のごとく存続している日本社会で、教育機会からの疎外にとどまらないさまざまな抑圧を、生き抜いてきた在日朝鮮人女性たちが果たした夜間中学入学と独立運動。そこから生まれた主体的言説と新たな公共圏を描く。
http://www.ochanomizushobo.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=978-4-275-00968-5
贈呈式
日時 2013年2月11日
場所:在日本韓国YMCA アジア青少年センター(304・305会議室)
〒101-0064 東京都千代田区猿楽町 2 - 5 - 5
http://www.ymcajapan.org/ayc/hotel/jp/#
2012年12月1日土曜日
『社会主義』2012年12月号目次
特集 総選挙闘争の課題
篠原清
中島修 ■座談会 総選挙をいかに戦うか
田山英次他
瀬戸一郎■医療計画の現状と課題
石丸小四郎■原発震災から一年八カ月!福島の今
武藤聡■労働者派遣法、労働契約法と非正規労働者の課題
鴨桃代■非正規労働者の現状と改革の政治課題
徳光清孝■地方議員を増やし、脱原発・生活再建を
田村英夫■オランド大統領の税制改革と日本
菅原修一■『一二年版労働経済白書』を読む
阿部初子■時間外労働不払い問題の取り組み
柏原孝行■全国大会を通して考える青年の現状と課題
松永裕方■批評 味わい損ねた「勝利の美酒」
駒田正義■社会主義協会の理論に学び続け五〇年(下)
中村譲■『スローガンについて』から『妥協について』へ
篠原清
中島修 ■座談会 総選挙をいかに戦うか
田山英次他
瀬戸一郎■医療計画の現状と課題
石丸小四郎■原発震災から一年八カ月!福島の今
武藤聡■労働者派遣法、労働契約法と非正規労働者の課題
鴨桃代■非正規労働者の現状と改革の政治課題
徳光清孝■地方議員を増やし、脱原発・生活再建を
田村英夫■オランド大統領の税制改革と日本
菅原修一■『一二年版労働経済白書』を読む
阿部初子■時間外労働不払い問題の取り組み
柏原孝行■全国大会を通して考える青年の現状と課題
松永裕方■批評 味わい損ねた「勝利の美酒」
駒田正義■社会主義協会の理論に学び続け五〇年(下)
中村譲■『スローガンについて』から『妥協について』へ
2012年11月30日金曜日
2012年11月30日サイト更新
●文献・資料に、原子力発電所、再処理工場の建設反対運動を推進するための決議(日本社会党 1972)を追加しました。
●労農派の歴史研究会に第144回案内、同報告を追加しました。
今回は小幅更新でしたが、思い立って、「原子力発電所、再処理工場の建設反対運動を推進するための決議」をHPに加えました。短い文書ですが、日本社会党・社民党が40年前から原発に反対していたことの証明になると思います。同ページのURL:
http://www5f.biglobe.ne.jp/~rounou/spj.htm
●労農派の歴史研究会に第144回案内、同報告を追加しました。
今回は小幅更新でしたが、思い立って、「原子力発電所、再処理工場の建設反対運動を推進するための決議」をHPに加えました。短い文書ですが、日本社会党・社民党が40年前から原発に反対していたことの証明になると思います。同ページのURL:
http://www5f.biglobe.ne.jp/~rounou/spj.htm
2012年11月21日水曜日
映画『三池』再上映のお知らせ
映画『三池-終わらない炭鉱の物語』の監督熊谷博子さんから、『三池』再上映の案内をいただきました。大阪、広島などで再上映されます。大阪ではゲストと監督の対談もあります。
どんどん転載してくださいとのことですので、ここに転載します。
また三池関西写真展HP内『三池』応援ページもご覧ください。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~miike/myweb5_031.htm
以下、転載部分です。
全国リレー上映が進んでいます。すさまじい熱気だった東京そして横浜。
24日(土)からいよいよ大阪です。
この3月に「むかし原発 いま炭鉱」(中央公論新社)という本を出しま
した。タイトルには、もう原発はやめにしてくれ、そして炭鉱から始ま
る、この国を支え、今も支えている無名の人々の姿を見直したい、とい
う思いをこめました。
この発想での再上映です。
映画が始まってすぐ、「原発事故と同じじゃないの」
とつぶやいた観客がいました。
映画に7年、本を書くにもさらに7年かかりました。三池炭鉱の坑道が
日本の抱えるあらゆる問題と地下でつながっており、それを確かめるの
に長い時間が必要でした。そこへ3・11が起き、炭鉱から原発に至るエ
ネルギー政策の裏で、何が起きていたかを知ることになりました。原発
の事故は、私が知っていた炭鉱でのできごととあまりに似ていました。
あの映画を3・11の前に見るのと後ではまるで違います。
2006年の公開時には、おかげさまで単館で1万人の方に見ていただく大
ヒットになりました。本を読んで下さった方からは「目からうろこだっ
た、映画をぜひ見たい」。すでに見た方からは「今こそもう一度見たい」
との声を多くいただきました。またこの11月9日に、三池炭鉱・炭じん
爆発事故から49年目を迎えました。
2日間のトークでは母親、映画の作り手、ジャーナリストの立場から、
日本のエネルギー産業の中で人知れず起きていたこと、そして現状を
変えていく希望を、ゲストの方とともに語れればと願っています。
過去をみすえ、再び、この国の根っこを掘りたいと思います。
そして皆で、明日への活力をとり戻したいのです。
==============================
○上映時間:14:10~
○料金:当日1,500円均一(一般、シニア、大・専門学生)
○トークイベント開催!!
<「福島 終わらない原発の物語」をどう生きるのか?>
11/24(土) 対談 海南友子(ドキュメンタリー映画監督)・熊谷博子
11/25(日) 対談 池田知隆(ジャーナリスト)・熊谷博子
その後フォーラム福島など、全国にて順次上映予定
==============================
どんどん転載してくださいとのことですので、ここに転載します。
また三池関西写真展HP内『三池』応援ページもご覧ください。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~miike/myweb5_031.htm
以下、転載部分です。
-----------------------------------
熊谷博子です。
私がつくった『三池 終わらない炭鉱(やま)の物語』の再上映と連続
トークイベント<「福島 終わらない原発の物語」をどう生きるか>の、全国リレー上映が進んでいます。すさまじい熱気だった東京そして横浜。
24日(土)からいよいよ大阪です。
した。タイトルには、もう原発はやめにしてくれ、そして炭鉱から始ま
る、この国を支え、今も支えている無名の人々の姿を見直したい、とい
う思いをこめました。
映画が始まってすぐ、「原発事故と同じじゃないの」
とつぶやいた観客がいました。
日本の抱えるあらゆる問題と地下でつながっており、それを確かめるの
に長い時間が必要でした。そこへ3・11が起き、炭鉱から原発に至るエ
ネルギー政策の裏で、何が起きていたかを知ることになりました。原発
の事故は、私が知っていた炭鉱でのできごととあまりに似ていました。
あの映画を3・11の前に見るのと後ではまるで違います。
ヒットになりました。本を読んで下さった方からは「目からうろこだっ
た、映画をぜひ見たい」。すでに見た方からは「今こそもう一度見たい」
との声を多くいただきました。またこの11月9日に、三池炭鉱・炭じん
爆発事故から49年目を迎えました。
日本のエネルギー産業の中で人知れず起きていたこと、そして現状を
変えていく希望を、ゲストの方とともに語れればと願っています。
そして皆で、明日への活力をとり戻したいのです。
劇場でお待ちしています。
★上映情報
○会場:大阪 シアター・セブン(TEL. 06-4862-7733)
○日程:11/24(土)~11/30(金)○上映時間:14:10~
○料金:当日1,500円均一(一般、シニア、大・専門学生)
会員1,000円(高校生以下も)
炭鉱関連割引あり
炭鉱関連グッズ(書籍「むかし原発 いま炭鉱」も可)を受付にて
ご提示頂いた方は当日料金が 1,500円→1,300円に!
<「福島 終わらない原発の物語」をどう生きるのか?>
11/25(日) 対談 池田知隆(ジャーナリスト)・熊谷博子
※ 両日とも上映終了後
詳細は映画『三池』公式サイトをご覧下さい。
★全国リレー上映
12/1(土)~ 広島・横川シネマその後フォーラム福島など、全国にて順次上映予定
2012年11月19日月曜日
労農派の歴史研究会第144回例会報告
はじめに、お詫び。前回、案内状を出すのを忘れたまま、予定していた1 1月1日の研
究会の直前になってしまい、あわてて電話連絡をして済ませてしまいました。そのために
第14 4回学習会の案内状は出されず(学習会は無事終了)、これが次の第14 5回学習会
の案内状ということになります。
幡野さんの報告は、都立高校の職場での、教育労働問題研究会と結びついた日教組運動
の報告でした。勤評に象徴される権力側の日教組つぶしの攻撃に耐え抜いて運動を継続さ
せてきた強さの一面を学ぶことができました。
私自身の記憶では、勤評闘争が始まったとき、小・中・高校で教えを受けた先生だちと
あの激しい闘争とが、なかなか結び付かなかったのですが、組織内部の苦労はたいへん大
きかったのではないかと思われます。勤務評定が始まった5 0年代後半は、労働運動全体
が大きな力をもっていたし、その中で日教組が果たした役割も大きかったのですが、それ
だけに政府・資本の側の攻撃も烈しく、組織の切り崩しも強烈であったと思います。
都高教においては、教育労働運動研究会による学習活動を組織内に浸透させながら闘っ
たという特徴があったことが、良く判りました。組織の中枢にいる幹部が、学習活動にも
熱心であったところが、成功の大きな要因であったと思われます。
以前に、国労や全逓の運動についての話を聞いたときにも、仕事の上でも周囲の人から
一目置かれるような人が権利を主張すれば、当局側も認めざるを得なかったと言われまし
た。仕事の面で中心になるような人たちが権利意識をしっかり持つようになることで、労
働者の権利が定着したわけです。昭和50年代、60年代の労働運動においては、そうい
う人たちが、分会長、支部長をしていたので、強い力を発揮できたと言えます。今は、労
務管理や、コスト削減の圧力が強いので、職場で権利を主張するのも大変だと思いますが、
頑張ってほしいと思います。
労働運動が立ち直るには、まだ前途遼遠でしょうが・・・。
労農派の歴史研究会に戻る
http://www5f.biglobe.ne.jp/~rounou/rounouha.htm
究会の直前になってしまい、あわてて電話連絡をして済ませてしまいました。そのために
第14 4回学習会の案内状は出されず(学習会は無事終了)、これが次の第14 5回学習会
の案内状ということになります。
幡野さんの報告は、都立高校の職場での、教育労働問題研究会と結びついた日教組運動
の報告でした。勤評に象徴される権力側の日教組つぶしの攻撃に耐え抜いて運動を継続さ
せてきた強さの一面を学ぶことができました。
私自身の記憶では、勤評闘争が始まったとき、小・中・高校で教えを受けた先生だちと
あの激しい闘争とが、なかなか結び付かなかったのですが、組織内部の苦労はたいへん大
きかったのではないかと思われます。勤務評定が始まった5 0年代後半は、労働運動全体
が大きな力をもっていたし、その中で日教組が果たした役割も大きかったのですが、それ
だけに政府・資本の側の攻撃も烈しく、組織の切り崩しも強烈であったと思います。
都高教においては、教育労働運動研究会による学習活動を組織内に浸透させながら闘っ
たという特徴があったことが、良く判りました。組織の中枢にいる幹部が、学習活動にも
熱心であったところが、成功の大きな要因であったと思われます。
以前に、国労や全逓の運動についての話を聞いたときにも、仕事の上でも周囲の人から
一目置かれるような人が権利を主張すれば、当局側も認めざるを得なかったと言われまし
た。仕事の面で中心になるような人たちが権利意識をしっかり持つようになることで、労
働者の権利が定着したわけです。昭和50年代、60年代の労働運動においては、そうい
う人たちが、分会長、支部長をしていたので、強い力を発揮できたと言えます。今は、労
務管理や、コスト削減の圧力が強いので、職場で権利を主張するのも大変だと思いますが、
頑張ってほしいと思います。
労働運動が立ち直るには、まだ前途遼遠でしょうが・・・。
労農派の歴史研究会に戻る
http://www5f.biglobe.ne.jp/~rounou/rounouha.htm
2012年11月2日金曜日
労働者運動資料室HP2012.11.2更新
●文献・資料に、社青同第34回大会宣言を追加しました。大会の写真付きです。
●労農派の歴史研究会に140回~143回研究会案内、第142回報告を追加しました。
●会報24号、25号、26号を掲載しました。
今回の更新で管理人パソコン故障により、労農派の歴史研究会、会報の掲載が遅れていたのを基本的に取り戻しました。
2012年11月1日木曜日
『社会主義』2011年11月号
*パソコンの調子が悪いのか、字が乱れてアップされています。対策を講じますので、しばらくお待ちください。
柏井一郎◆民主党政権三年の審判が下される解散・総選挙
特集 現代社会とマルクス主義
小島恒久◆現代に生きるマルクスの思想
山藤彰◆再び「特殊的危機」について
仲田信雄◆「税の本質」と消費税増税の論議を考える 善明建一◆「新自由主義」と対抗する「福祉国家」の創造 山崎耕一郎◆政権交代の意義とこれからの政治の方向 広田貞治◆『社会民主党宣言』と将来の社会像 小笠原福司◆資本主義の矛盾の深化と労働運動 楢村秀子◆批評 在宅介護を充実させよう 足立康次◆領土問題を考える 沖克太郎◆三池CO闘争の教訓(その四) 駒田正義◆思い出すことども 私と社会主義協会(八)
柏井一郎◆民主党政権三年の審判が下される解散・総選挙
特集 現代社会とマルクス主義
小島恒久◆現代に生きるマルクスの思想
山藤彰◆再び「特殊的危機」について
仲田信雄◆「税の本質」と消費税増税の論議を考える 善明建一◆「新自由主義」と対抗する「福祉国家」の創造 山崎耕一郎◆政権交代の意義とこれからの政治の方向 広田貞治◆『社会民主党宣言』と将来の社会像 小笠原福司◆資本主義の矛盾の深化と労働運動 楢村秀子◆批評 在宅介護を充実させよう 足立康次◆領土問題を考える 沖克太郎◆三池CO闘争の教訓(その四) 駒田正義◆思い出すことども 私と社会主義協会(八)
2012年10月24日水曜日
社青同第34回大会開催
近着の「青年の声」によれば、社青同(日本社会主義青年同盟)第34回全国大会が10月6日-8日東京・全林野会館で開催されました。大会では29本の発言があり、同盟員の職場での働きか方、職場・労組・地域での仲間への働きかけ、組織活動の強化や組織建設に向けた討論が行われたといいます。
大会では、柏原孝行委員長ほかの役員が再選されました。また、又市征治社民党副党首、宮川敏一新社会党労働委員長、金チャドル在日朝鮮青年同盟委員長が来賓として出席、福島みずほ社民党党首、松枝佳宏新社会党委員長らが祝電・メッセージを送りました。
当資料室でも、社青同本部の同意を得た上で、大会宣言などを掲載していきます。
大会では、柏原孝行委員長ほかの役員が再選されました。また、又市征治社民党副党首、宮川敏一新社会党労働委員長、金チャドル在日朝鮮青年同盟委員長が来賓として出席、福島みずほ社民党党首、松枝佳宏新社会党委員長らが祝電・メッセージを送りました。
当資料室でも、社青同本部の同意を得た上で、大会宣言などを掲載していきます。
2012年10月1日月曜日
『社会主義』2012年10月号目次
田山英次◇東日本大震災から一年半
特集 産別大会から今後の課題を探る
松浦健二◇賃下げには大衆闘争の配置を
石崎浩◇「教育改革」で現場はどうなっているのか
江川省吾◇組織拡大を軸にJR内に国労運動を
山川藪沢◇誰が、どう支える三千万人超高齢者
角田政志◇福島の教育現場からの告発
近江守◇二〇一二人勧と退職手当引き下げ
伊藤修◇二〇一二年度『経済財政白書』評注
大槻重信◇中朝ロ三国を敵視する『防衛白書』
平地一郎◇欧州の財政・金融危機と政治・社会
村上武◇原発事故から「市民生活の再建」を求めて
多田雄平◇地域から新自由主義に対抗する砦を
東北ブロック原水禁◇国家補償で、「復興」と「脱原発」の実現を
瀬戸宏◇批評 尖閣諸島問題を巡る日中間の軋轢
西沢清◇思い出すことども 私と社会主義協会(七)
中村譲◇シリーズ 古典を読む⑱
2012年9月17日月曜日
労農派の歴史研究会第142回例会報告
「Ⅲ 社会党的政治勢力の組織的性格」のなかに労農派マルクス主義について、「革命に行かに接近していくかという移行過程の組織論と政策体系に乏しく、革命の客観的条件が熟するまで学習会を組織し、労働組合を組織し、政治的には当面の改良的政策要求を闘うことが主張されているだけである。」(110頁)という記述があり、報告者も引用していて、若干話題になりました。たしかに、われわれは学習会には熱心で、移行過程の組織論と政策体系の議論には不熱心でした。
社会党や総評の基礎的な組織(支部、総支部、労組の分会、支部など)を強くするには、学習会の継続が一番効果的でした。「移行過程の組織論と政策体系」などに熱心であると、どうしてもメンバーが偏り、広がりませんでした。清水慎三の批判に当たっているところもあったのですが、他方で、社会主義協会員が中心にいる組織が、今でも(かなり小さくはなったが)残り、清水理論の信奉者が、優秀なメンバーをそろえていたのに分解してしまったという事実を、見ておくことも必要です。
もちろん問題は二者択一ではなく、基礎的な学習や組織作りを継続しながら、移行過程の研究・検討もこなすことは必要です。現在の運動では、どちらもきわめて細くなってしまっているので、大事に育てないといけません。このあたりは、次回のテーマでもあります。
清水慎三という人は、50年代に、鉄鋼労連、総評、社会党の役員をし、その後は理論・評論活動に移ったのですが、社会主義協会、労働大学、社青同などとは「近いが、ちょっと違う」という関係でした。80年代以降にどういう考えであったかは、『社会的左翼の可能性』(発行・新地平社、発売・れんが書房新社)で、いろいろ語っています。そのなかで 「中衛(前衛でなく後衛まで後退しない)機能をもった『社会的左翼』を」と言っているので、いろいろと総括したのではないかと思われます。
労農派の歴史研究会に戻る
http://www5f.biglobe.ne.jp/~rounou/rounouha.htm
社会党や総評の基礎的な組織(支部、総支部、労組の分会、支部など)を強くするには、学習会の継続が一番効果的でした。「移行過程の組織論と政策体系」などに熱心であると、どうしてもメンバーが偏り、広がりませんでした。清水慎三の批判に当たっているところもあったのですが、他方で、社会主義協会員が中心にいる組織が、今でも(かなり小さくはなったが)残り、清水理論の信奉者が、優秀なメンバーをそろえていたのに分解してしまったという事実を、見ておくことも必要です。
もちろん問題は二者択一ではなく、基礎的な学習や組織作りを継続しながら、移行過程の研究・検討もこなすことは必要です。現在の運動では、どちらもきわめて細くなってしまっているので、大事に育てないといけません。このあたりは、次回のテーマでもあります。
清水慎三という人は、50年代に、鉄鋼労連、総評、社会党の役員をし、その後は理論・評論活動に移ったのですが、社会主義協会、労働大学、社青同などとは「近いが、ちょっと違う」という関係でした。80年代以降にどういう考えであったかは、『社会的左翼の可能性』(発行・新地平社、発売・れんが書房新社)で、いろいろ語っています。そのなかで 「中衛(前衛でなく後衛まで後退しない)機能をもった『社会的左翼』を」と言っているので、いろいろと総括したのではないかと思われます。
労農派の歴史研究会に戻る
http://www5f.biglobe.ne.jp/~rounou/rounouha.htm
2012年9月15日土曜日
2012年9月15日HP(本体)更新
●文献・資料に、座談会・階級的学生運動の歩んだ道(1975 PDF)を掲載しました。
●労農派の歴史研究会に136回~141回研究会報告を追加しました。
約五ヶ月ぶりの更新になってしまいました。管理人パソコンの不調によるものです。お詫びします。
まだ本調子ではなく、更新も部分的になっています。労農派の歴史研究会報告も不十分です。これは後日補います。これから、またこれまで通り一ヶ月に一回のペースでの更新をめざしますので、よろしくお願いします。
「座談会・階級的学生運動の歩んだ道」は、『組織者』10号掲載のもので、35ページにも達する長いものです。1966年社青同東京地本学生班協再建から、1975年頃までの社青同学生運動の歩みを、歴代都学協書記長が座談会形式で語っています。これで社青同学生運動の歴史、理論はだいたい理解できると思います。
この座談会を全部入力・電子化してhtmlファィル化するのは、今は時間の関係で困難です。そのため、『組織者』から直接PDFファィル化しました。お見苦しいところがあると思いますが、お許しください。これで社青同学生運動の基本的文献は、転載が終わったと思います。1980年前後の筑波大学闘争関係の文献は、公開文献として残されているかどうかわかりません。保存されているか、関係者に問い合わせてみます。
2012年9月1日土曜日
『社会主義』2012年9月号目次
特集 「一体改革」は三党合意でどう変わったか
仲田信雄◇「社会保障・税一体改革」と消費税増税の問題
横田 昌三◇消費税増税と社会保障の一体改悪
内山一幸◇年金制度への安心・信頼は取り戻せるのか?
古川秀子◇子どもたちの育ちの保障は国の責任で
水沼剛◇郵政職場における「新たな人事・給与制度」
山田一郎◇NTT賃金制度の見直しについて
佐古正明◇契約社員の導入から正社員化の闘い(下)
金子哲夫◇被爆67周年原水禁大会報告
金子豊貴男◇オスプレイ沖縄配備と低空飛行訓練
大村誠◇平和友好祭中央祭典の取り組みと福島の現実
菅原修一◇『2012年度版中小企業白書』を読む
西澤清◇思い出すことども 私と社会主義協会(七)
2012年8月28日火曜日
労農派の歴史研究会第141回例会報告
レポートのなかに、64頁の「労働者階級の歴史的任務の実現・・・『構造改革論』はこ
れにこたえる理論?」となっている部分が、若干、話題になりました。清水慎三が、構造
改革論をどう評価していたかということです。
構造改革論は、最初の問題提起としては大酒運動を起こしながら国家の構造を改革して
ゆく路線として、提起されました。そして当時の社会党青年部幹部には清水理論信奉者が
多かったのですが、この人たちの多くが、「選挙に勝つには佐々木より江田が良い」という
理由で江田に傾き、同時に江田が提起した構造改革論にも扉いたという経過があります。
だから構造改革論の推進者には、「清水門下生」と称する活動家が多かったのです。清水慎
三自身も、この本を書いた61年の時点では、提起されたばかりの構造改革論を、好意的
に評価していたと思います。
ただその後、構造改革論は急速に変質してしまいました。「三池のように、立派に闘って
もつぶされるような目に会いたくないjという人たちに支持される路線になってしまった
のです。当時の日本資本主義は高度成長期でしたから、徹底抗戦しなくても、体面を保て
る程度には、労働条件と労組の立場は守れたのです。そういう路線としての評価が定着し
てしまったため、もともとの構造改革論者は、離れてしまうという傾向もありました。
社会党・総評系の運動においては、いつでも「タテマエとホンネ」の区別が難しいので
すが、この構造改革論についても、それが言えます。
炭労が三池闘争後に行なった政策転換闘争(石油への転換をせず、石炭産業の維持を主
張)については、われわれも高く評価していますが、構造改革論者も「自分たちの理論の
実践である」と評価しています。闘争の成果で、炭鉱のあった自治体では、閉山の後も国
からの支援が手厚く、労働者や地場産業が守られていました。強力に闘えば、そういう成
果が残るものだという勉強になります。
労農派の歴史研究会に戻る
http://www5f.biglobe.ne.jp/~rounou/rounouha.htm
れにこたえる理論?」となっている部分が、若干、話題になりました。清水慎三が、構造
改革論をどう評価していたかということです。
構造改革論は、最初の問題提起としては大酒運動を起こしながら国家の構造を改革して
ゆく路線として、提起されました。そして当時の社会党青年部幹部には清水理論信奉者が
多かったのですが、この人たちの多くが、「選挙に勝つには佐々木より江田が良い」という
理由で江田に傾き、同時に江田が提起した構造改革論にも扉いたという経過があります。
だから構造改革論の推進者には、「清水門下生」と称する活動家が多かったのです。清水慎
三自身も、この本を書いた61年の時点では、提起されたばかりの構造改革論を、好意的
に評価していたと思います。
ただその後、構造改革論は急速に変質してしまいました。「三池のように、立派に闘って
もつぶされるような目に会いたくないjという人たちに支持される路線になってしまった
のです。当時の日本資本主義は高度成長期でしたから、徹底抗戦しなくても、体面を保て
る程度には、労働条件と労組の立場は守れたのです。そういう路線としての評価が定着し
てしまったため、もともとの構造改革論者は、離れてしまうという傾向もありました。
社会党・総評系の運動においては、いつでも「タテマエとホンネ」の区別が難しいので
すが、この構造改革論についても、それが言えます。
炭労が三池闘争後に行なった政策転換闘争(石油への転換をせず、石炭産業の維持を主
張)については、われわれも高く評価していますが、構造改革論者も「自分たちの理論の
実践である」と評価しています。闘争の成果で、炭鉱のあった自治体では、閉山の後も国
からの支援が手厚く、労働者や地場産業が守られていました。強力に闘えば、そういう成
果が残るものだという勉強になります。
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2012年8月25日土曜日
2012年8月1日水曜日
『社会主義』2012年8月号目次
小島恒久◇逆流する野田政権と「維新の会」の危険性
松谷信◇左翼政権の復活 -フランス2012政治転換-
特集 中小・未組織・非正規労働者の運動
善明建一◇連合の中小・未組織・非正規運動の現状
木下栄治◇地域労働運動の果たす役割と今日的運動課題
原田和明◇地域で雇用問題を考える
十河健治◇香川における連合運動の現状と課題
梅川正信◇地域ユニオン運動10年の実績
早瀬進◇批評 増大する海外設備投資の現状と影響
大江登志栄◇日本航空の不当整理解雇との闘い
佐古正明◇契約社員の導入から正社員化の闘い(上)
西沢清◇思い出すことども 私と社会主義協会(七)
酒居利彦◇「維新の会現象」が私たちに提起する課題
2012年7月27日金曜日
労農派の歴史研究会第140回例会報告
どういう議論をしたかは覚えていないのですが、前回のレポートに、次のようなくだり
が引用されています。
「社会党は政権を担当することなく、否、それ故にこそSPDと比べてfるかに強力な政治的影響力を行使することに成功した、。…それ故、日本社会党はこの効果的影響力のチャンネルを失うリスクを犯して政権党に脱皮するごとに躊躇し続けることになった。」(大嶽秀夫『戦後目本のイデオロギー対立J 197~198頁) 「…社会党の長期低落は、代議制民主主義に対する不信の当然の帰結であったと言わざるをえない」(同199頁)
「五五年体制」にそういう面があったのは事実である。社会党・総評の大衆運動を背景にした要求を自民党がある程度飲んで「円く収める」という于法で、諸問題の決着がつくことが少なくなかったからである。それが「SPDより強力な政治的影響力の行使」であるかどうかは別として、政権をとらなくても、ある程度の成果は得られたのである。
そういう成果の上げ方では、社会党の影響力は持続できない。だから「社会党の長期低落は、代議制民主主義に対する不信の当然の帰結であったと言わざるをえない。」(同199頁)とこの著者は、見ている。
この評価が、すべて的確というわけではないが、「そういう面もあったなあ」という感じは否定できない。「五五年俸制」というのは、そのような「自社共存体制」だったからである。われわれはそれを批判し、否定してはいたが、組織・運動はそういう体制に安住してしまっていた。
ソ連崩壊後の社会主義運動の全般的後退という情勢(とくに日本では総評の解体と重なったために打撃が大きかったのだが)の下で、日本の社会主義運動・労働運動は、西欧の運動以上に、落ち込んでしまった。部分的な「他力本願」はどこにでもあることだが、自前の大衆運動と組織的影響力が弱かったことが、我々の社会主義の弱点であった。
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が引用されています。
「社会党は政権を担当することなく、否、それ故にこそSPDと比べてfるかに強力な政治的影響力を行使することに成功した、。…それ故、日本社会党はこの効果的影響力のチャンネルを失うリスクを犯して政権党に脱皮するごとに躊躇し続けることになった。」(大嶽秀夫『戦後目本のイデオロギー対立J 197~198頁) 「…社会党の長期低落は、代議制民主主義に対する不信の当然の帰結であったと言わざるをえない」(同199頁)
「五五年体制」にそういう面があったのは事実である。社会党・総評の大衆運動を背景にした要求を自民党がある程度飲んで「円く収める」という于法で、諸問題の決着がつくことが少なくなかったからである。それが「SPDより強力な政治的影響力の行使」であるかどうかは別として、政権をとらなくても、ある程度の成果は得られたのである。
そういう成果の上げ方では、社会党の影響力は持続できない。だから「社会党の長期低落は、代議制民主主義に対する不信の当然の帰結であったと言わざるをえない。」(同199頁)とこの著者は、見ている。
この評価が、すべて的確というわけではないが、「そういう面もあったなあ」という感じは否定できない。「五五年俸制」というのは、そのような「自社共存体制」だったからである。われわれはそれを批判し、否定してはいたが、組織・運動はそういう体制に安住してしまっていた。
ソ連崩壊後の社会主義運動の全般的後退という情勢(とくに日本では総評の解体と重なったために打撃が大きかったのだが)の下で、日本の社会主義運動・労働運動は、西欧の運動以上に、落ち込んでしまった。部分的な「他力本願」はどこにでもあることだが、自前の大衆運動と組織的影響力が弱かったことが、我々の社会主義の弱点であった。
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2012年7月26日木曜日
現代社会問題研究会2012年夏季研究集会
毎年恒例の現代社会問題研究会夏季研究集会が、今年も開催されます。
案内文を転載します。
2012年度夏季研究集会のご案内
今年度の夏季研究集会は、欧州の財政・通貨危機を巡る状況を考えます。その趣旨は以下の通りです。
2008年末の金融危機以降、世界の経済は、まさに「薄氷を踏み」ながら一進一退を繰り返しています。2009年の世界同時不況、2010年の不況からの出口政策の模索そして昨年来の欧州の財政・通貨危機の再燃と、金融資本の横暴の前に不安定さを増しています。
と同時に、現代資本主義国家の対応も、当初の緊縮財政の追求から、金融資本の規制(中核的自己資本比率やマネーゲームの規制等)や財政規模の拡大へと大きくぶれながらも、新自由主義的な政策から決別する方向へと向かっていると考えられます。政治的には、フランス大統領選挙における社会党候補オランドの勝利が象徴的出来事でした。
もとより、資本主義の不安定さの増大の中で、政治的な混迷は収まる気配を見せてはいませんが、かつての1929年世界大恐慌に対して、古い資本主義の衣を脱ぎ捨て、ケインズ政策を軸にした戦後社会の再構築が図られたように、新しい社会の構想とその組織化という課題は、どのような政治勢力も避けて通ることのできない状況にあります。
2008年金融危機以降の世界は、歴史的分岐点にあると言えるかもしれない。その検証には現代資本主義の様々な側面を分析しなければなりません。まずは、昨年来の欧州における財政・通貨危機の実態と、それが社会や政治に与えている影響を知ることから始めたいと思います。
開催日時 2012年8月25日(土)午後1時00分~5時00分
開催場所 立教大学 12号館地階会議室 *JR池袋駅より徒歩10分
報告 Ⅰ 欧州の財政・通貨危機 北村巌氏
Ⅱ フランス左翼の政権復帰とその意味(仮) 松村文人氏
参加費 1000円 *終了後懇親会(4000円程度)も予定しています。ご参加を。
現代社会問題研究会 佐賀大学経済学部 平地一郎研究室気付
0952-28-8459 E-mail: hirachi●cc.saga-u.ac.jp
*●を@にかえてください。
現代社会問題研究会の詳細は、同会HPをご覧ください。
http://www.geocities.jp/gensya2004/index.html
案内文を転載します。
2012年度夏季研究集会のご案内
今年度の夏季研究集会は、欧州の財政・通貨危機を巡る状況を考えます。その趣旨は以下の通りです。
2008年末の金融危機以降、世界の経済は、まさに「薄氷を踏み」ながら一進一退を繰り返しています。2009年の世界同時不況、2010年の不況からの出口政策の模索そして昨年来の欧州の財政・通貨危機の再燃と、金融資本の横暴の前に不安定さを増しています。
と同時に、現代資本主義国家の対応も、当初の緊縮財政の追求から、金融資本の規制(中核的自己資本比率やマネーゲームの規制等)や財政規模の拡大へと大きくぶれながらも、新自由主義的な政策から決別する方向へと向かっていると考えられます。政治的には、フランス大統領選挙における社会党候補オランドの勝利が象徴的出来事でした。
もとより、資本主義の不安定さの増大の中で、政治的な混迷は収まる気配を見せてはいませんが、かつての1929年世界大恐慌に対して、古い資本主義の衣を脱ぎ捨て、ケインズ政策を軸にした戦後社会の再構築が図られたように、新しい社会の構想とその組織化という課題は、どのような政治勢力も避けて通ることのできない状況にあります。
2008年金融危機以降の世界は、歴史的分岐点にあると言えるかもしれない。その検証には現代資本主義の様々な側面を分析しなければなりません。まずは、昨年来の欧州における財政・通貨危機の実態と、それが社会や政治に与えている影響を知ることから始めたいと思います。
開催日時 2012年8月25日(土)午後1時00分~5時00分
開催場所 立教大学 12号館地階会議室 *JR池袋駅より徒歩10分
報告 Ⅰ 欧州の財政・通貨危機 北村巌氏
Ⅱ フランス左翼の政権復帰とその意味(仮) 松村文人氏
参加費 1000円 *終了後懇親会(4000円程度)も予定しています。ご参加を。
現代社会問題研究会 佐賀大学経済学部 平地一郎研究室気付
0952-28-8459 E-mail: hirachi●cc.saga-u.ac.jp
*●を@にかえてください。
現代社会問題研究会の詳細は、同会HPをご覧ください。
http://www.geocities.jp/gensya2004/index.html
2012年7月22日日曜日
社会主義理論学会『資本主義の限界と社会主義』刊行
社会主義理論学会から論文集『資本主義の限界と社会主義』が刊行されました。社会主義理論学会4冊目の論文集です。
目次は以下の通りです。
はじめに 西川伸一
第1部 資本主義の行き詰まり
第1章 鎌倉孝夫「体制」変革の理論と実践
第2章 森本高央 証券化資本主義の破綻が招くドル基軸通貨体制の終焉
第3章 瀬戸岡紘 近代社会と市民にかんする一一般理論序説
一新しい社会主義像を構想する手がかりをもとめて
第2部 中国の経験を振り返る
第4章 大西 広 毛沢東、文化革命と文化の次元
第5章 瀬戸 宏 戦後日本の中国研究
--日本現代中国学会を中心に
第3部 社会主義の新たな可能性
第6章 田上孝一 マルクス疎外論の射程
一新たな社会主義構想のためにー
第7章 山崎耕一郎 労農派社会主義の原点と現在
--山川均論を中心に--
第8章 紅林 進 ベーシックインカムと資本主義、社会主義
第9章 松尾 匡 リスクと決定から社会主義を語る
おわりに 田上孝一
入会の呼びかけ・会則・論文集既刊・研究会の歩み・執筆者略歴
社会主義理論学会編 A5判並製 240ページ 定価 2800円+税
時潮社刊
2012年7月3日火曜日
平和友好祭中央祭典が17年ぶりに開催
平和友好祭中央祭典が17年ぶりに開催されるとのことです。
第37回中央祭典で、7月28日、29日両日福島県裏磐梯で開催予定です。
前回の第36回中央祭典は1995年開催です。平和友好祭運動も、社会党解体の影響を強く受けたことがわかります。
反原発運動の盛り上がりが、17年ぶり、福島での中央祭典開催につながったといいます。
詳細は下記に平和友好祭ニュースを転載しましたのでそちらをみてください。
*転載にあたっては、平和友好祭事務局の同意を得ています。
第37回中央祭典で、7月28日、29日両日福島県裏磐梯で開催予定です。
前回の第36回中央祭典は1995年開催です。平和友好祭運動も、社会党解体の影響を強く受けたことがわかります。
反原発運動の盛り上がりが、17年ぶり、福島での中央祭典開催につながったといいます。
詳細は下記に平和友好祭ニュースを転載しましたのでそちらをみてください。
*転載にあたっては、平和友好祭事務局の同意を得ています。
2012年7月1日日曜日
『社会主義』2012年7月号目次
又市征治◇野田政権下の政治情勢と私たちの課題
特集 世界と日本の経済・政治・労働
北村厳◇世界経済をゆるがす欧州危機
立松潔◇日本経済の現状と消費税増税
山崎耕一郎◇「西側」も力失い、新しい力が台頭
小笠原福司◇生産の矛盾と労働者状態
芳賀和弥◇アメリカ大統領選挙への視点
高田順次◇森林は共有財産
杉本龍紀◇計画と市場をめぐって
田本広◇思い出すことども 私と社会主義協会
大橋史恵◇北京からフェミニズムを再考する
足立康次◇「ドイツ左翼党綱領」の検討(下)
2012年6月25日月曜日
社会主義理論学会第60回研究会案内
社会主義理論学会第60回研究会
重慶モデル、薄煕来事件を考える
本年3月、4月の薄煕来事件は、近年の中国共産党内権力闘争とは異なる路線論争の要素が感じられる。社会主義理論研究の立場からこの問題へのアプローチを試みる
日時 7月22日(日)午後2時より
会場 慶応大学三田校舎研究室棟1FB会議室
http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html
*通常と会場が異なっていますのでご注意ください。
報告
瀬戸宏(摂南大学)
重慶モデルの理論背景
大西広(慶応大学)
南街村、華西村との対比における重慶モデルの特徴について
参加費 500円
詳細は社会主義理論学会HP参照。
http://sost.que.jp/
重慶モデル、薄煕来事件を考える
本年3月、4月の薄煕来事件は、近年の中国共産党内権力闘争とは異なる路線論争の要素が感じられる。社会主義理論研究の立場からこの問題へのアプローチを試みる
日時 7月22日(日)午後2時より
会場 慶応大学三田校舎研究室棟1FB会議室
http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html
*通常と会場が異なっていますのでご注意ください。
報告
瀬戸宏(摂南大学)
重慶モデルの理論背景
大西広(慶応大学)
南街村、華西村との対比における重慶モデルの特徴について
参加費 500円
詳細は社会主義理論学会HP参照。
http://sost.que.jp/
2012年6月22日金曜日
『むかし原発 いま炭鉱 ~炭都[三池]から日本を掘る』刊行のご案内
*熊谷博子さんからの掲載依頼です。
熊谷博子です。5年がかりで書いた本が出版されました。
映画『三池 終わらない炭鉱(やま)の物語』で出せたことは、実は撮影した中のわずかでしかなく、上映を続け、様々な人と出会いながら発見したことは、さらに
膨大でした。どうしたらそれが伝えられのか。その後ずっと本を書いていました。
三池炭鉱の坑道は、日本のあらゆる問題とつながっています。しかもエネルギー
問題は、日本の裏事情でもあり、事実を掘り出し、つなぎ合わせ、それが正しいのかを確かめるには、長い大変な作業が必要でした。
何とか完成に近づいたかなと思った時に、3・11が起きました。また全面的に書き直すことになりました。
かなりの大作になってしまいましたが、一気に読めます。
炭鉱から原発に至る見えない坑道があり、すべてのものごとは過去に終わっているのではなく、見事に絡み合いながら現在につながっているということが、パズルを解くようにわかります。読めばきっと、涙が滲みます。
タイトルには、もう原発はやめにしてくれ、という思いを込めました。
炭鉱に始まる、日本という国を支えてきた、そして今も支えている無名の人々の姿を、きちんと見直したいのです。
人々の価値観が変わらなくてはならないこの国を、まさに根っこから掘り、ともに新しい道を作れる本だと、確信しています。
ぜひ、手におとり下さい。
【目次内容】
○炭鉱は文化を生み出したが、原発は文化を生み出さなかった―まえがきに代えて
○プロローグ 古くて新鮮な物語
○第一部 「負の遺産」て何なのさ!~三池というまちで
廃坑跡から声が聞こえた/負の遺産!?/異種混合スクラム/炭鉱にさわる/
地の底で乳をしぼる
○第二部 地の底のジグソーパズル~三池闘争から現代へ
60年の記憶/撮れないものを撮る/それぞれの一瞬/イデオロギーか生活か/
分裂工作のシナリオは誰が?/裏の裏のそのまた裏/炭鉱労働者から原発労働者へ/
みんな仲間だ
○第三部 巨大企業への一刺し~事故を抱きしめる女たち
妻たちと母たちの地獄/妻たちの坑内座り込み/つぶされた鑑定書/
象の足にアリがかみつく/団結公害/負けてそして勝った
○第四部 炭鉱(やま)に埋められた歴史
長老の沈黙/切り取られた壁/心に時効はあるのか?/アメリカ人捕虜の訴え
○第五部 炭都シンフォニー
労働への尊厳/撮れなかったものの重さ/負の遺産を富の遺産に
○エピローグ 三池の女と夕張の女
本のチラシは以下から http://www.cine.co.jp/miike/event.html
本の紹介 http://www.chuko.co.jp/tanko/2012/03/004343.html
熊谷博子です。5年がかりで書いた本が出版されました。
映画『三池 終わらない炭鉱(やま)の物語』で出せたことは、実は撮影した中のわずかでしかなく、上映を続け、様々な人と出会いながら発見したことは、さらに
膨大でした。どうしたらそれが伝えられのか。その後ずっと本を書いていました。
三池炭鉱の坑道は、日本のあらゆる問題とつながっています。しかもエネルギー
問題は、日本の裏事情でもあり、事実を掘り出し、つなぎ合わせ、それが正しいのかを確かめるには、長い大変な作業が必要でした。
何とか完成に近づいたかなと思った時に、3・11が起きました。また全面的に書き直すことになりました。
かなりの大作になってしまいましたが、一気に読めます。
炭鉱から原発に至る見えない坑道があり、すべてのものごとは過去に終わっているのではなく、見事に絡み合いながら現在につながっているということが、パズルを解くようにわかります。読めばきっと、涙が滲みます。
タイトルには、もう原発はやめにしてくれ、という思いを込めました。
炭鉱に始まる、日本という国を支えてきた、そして今も支えている無名の人々の姿を、きちんと見直したいのです。
人々の価値観が変わらなくてはならないこの国を、まさに根っこから掘り、ともに新しい道を作れる本だと、確信しています。
ぜひ、手におとり下さい。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◇『むかし原発 いま炭鉱 ~炭都[三池]から日本を掘る』
熊谷博子 著 中央公論新社 2300円(税別)
熊谷博子 著 中央公論新社 2300円(税別)
―日本の根っこと未来へ向かう坑道がある 原発は何を残そうというのか
話題の映画『三池』監督、渾身の書下ろし― 帯から
話題の映画『三池』監督、渾身の書下ろし― 帯から
【目次内容】
○炭鉱は文化を生み出したが、原発は文化を生み出さなかった―まえがきに代えて
○プロローグ 古くて新鮮な物語
○第一部 「負の遺産」て何なのさ!~三池というまちで
廃坑跡から声が聞こえた/負の遺産!?/異種混合スクラム/炭鉱にさわる/
地の底で乳をしぼる
○第二部 地の底のジグソーパズル~三池闘争から現代へ
60年の記憶/撮れないものを撮る/それぞれの一瞬/イデオロギーか生活か/
分裂工作のシナリオは誰が?/裏の裏のそのまた裏/炭鉱労働者から原発労働者へ/
みんな仲間だ
○第三部 巨大企業への一刺し~事故を抱きしめる女たち
妻たちと母たちの地獄/妻たちの坑内座り込み/つぶされた鑑定書/
象の足にアリがかみつく/団結公害/負けてそして勝った
○第四部 炭鉱(やま)に埋められた歴史
長老の沈黙/切り取られた壁/心に時効はあるのか?/アメリカ人捕虜の訴え
○第五部 炭都シンフォニー
労働への尊厳/撮れなかったものの重さ/負の遺産を富の遺産に
○エピローグ 三池の女と夕張の女
本のチラシは以下から http://www.cine.co.jp/miike/event.html
本の紹介 http://www.chuko.co.jp/tanko/2012/03/004343.html
2012年6月21日木曜日
『三池~終わらない炭鉱(やま)の物語』上映&熊谷博子監督トーク
*熊谷博子さんより連絡がありましたので、掲載します。
■□■市民社会フォーラム第77回例会■□■
むかし原発 いま炭鉱
『三池~終わらない炭鉱(やま)の物語』上映&熊谷博子監督トーク
ドキュメンタリー映画『三池 終わらない炭鉱(やま)の物語』(2005年)を監督し、『むかし原発 いま炭鉱 ~炭都[三池]から日本を掘る』(中央公論社、2012年)を著した、熊谷博子さんをお招きし、上映とトークを開催します。
「三池炭鉱を振り返れば、そこで働いている人々の事情などお構いなしに、国の利益を優先して政府、経済界、学者が連携する構造があった。
原発政策もまったく同じ根っこを持っている。」
政府が地方にエネルギー開発基地を押しつけている、いびつな構造をあぶり出す視点で、熊谷さんは、「国とエネルギーの歴史を見直さずにここまで来てしまっているのが最大の問題
だろう。三池から、日本の『根っこ』を考えてほしい」(『東京新聞』5/13)と訴えています。
3.11原発事故を体験した今だからこそ、「三池」の歴史から日本の「根っこ」をともに考えましょう。
参加費 1000円
★大阪会場
日程 7月12日(木)
会場 シアターセブン(大阪・十三)
共催 NPO法人淀川文化創造館
13:00~ 第1回上映
16:00~ 第2回上映
18:30~ 第3回上映
20:20~21:00 熊谷さんトーク
21:00~21:30 著作サインセール
21:30~22:30 会場で交流会(ワンドリンク・軽食 1500円)
※どの回で鑑賞されてもトークにご参加できます。
★神戸会場
日時 7月13日(金)18:20~20:40
会場 こうべまちづくり会館
お申し込みなしでどなたでもご参加できますが、
人数把握のために事前にご連絡いただければありがたいです。
civilesocietyforum@gmail.com まで
【『三池~終わらない炭鉱の物語』】
オフィス熊谷/2005/1時間43分
監督:熊谷博子
撮影:大津幸四郎
協力:三池炭鉱に生きた人々
企画:大牟田市、大牟田市石炭産業科学館
2006年度 日本ジャーナリスト会議特別賞
2006年度 日本映画復興賞奨励賞
1997年3月30日、日本で最大の規模を誇った三池炭鉱は閉山しました。
でもその歴史を、「負の遺産」と言うひともいます。
囚人労働、強制連行、三池争議、炭じん爆発事故・・・。
過酷な労働を引き受け、誇り高くやまに生きた男と女たちの証言を聞き続け、
7年がかりで完成させました。勇気をもって命がけで生きること。
そのひたむきな力。今さらではなく、今だからこそ未来への思いを込めて伝えたい。
150年以上にわたる、三池炭鉱の歴史に、初めて正面から向き合った映画です。
【熊谷博子(くまがい・ひろこ)さん】
1951年東京生まれ。
1975年より、日本映像記録センターにて、ディレクターとして、TVドキュメンタリー
の制作を開始。
戦争、原爆、麻薬などさまざまな社会問題を追い、
1985年にフリーの映像ジャーナリストとして独立。
これまで各テレビ局で50本を越すドキュメンタリー番組を作る。
TV番組のほかにも、戦時下のアフガニスタンに生きる人々を描いた
『よみがえれカレーズ』(89年 土本典昭と共同監督)、
自らの育児経験をもとにした『ふれあうまち』(95年)、
日本の女性監督たちの格闘を描いた『映画をつくる女性たち』(04年)
などのドキュメンタリー映画を多数監督する。
右手にカメラ左手にこども、がモットー。
■会場アクセス
【シアターセブン】
http://www.theater-seven.com/access.html
〒532-0024 大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ5階
TEL/FAX:06-4862-7733
阪急電車 十三駅、西改札口5分
【こうべまちづくり会館】
http://www.kobe-toshi-seibi.or.jp/matisen/4kuukan/kaikan.htm#access
神戸市中央区元町通4丁目2番14号
(元町商店街4丁目西端の南側角)
地下鉄海岸線「みなと元町駅」西1出口から北へ1分
神戸高速「花隈駅」東口から南へ3分、「西元町」東口から東へ5分
JR・阪神「元町駅」西口から西へ8分
市民社会フォーラムHP
https://sites.google.com/site/civilesocietyforum/
■□■市民社会フォーラム第77回例会■□■
むかし原発 いま炭鉱
『三池~終わらない炭鉱(やま)の物語』上映&熊谷博子監督トーク
ドキュメンタリー映画『三池 終わらない炭鉱(やま)の物語』(2005年)を監督し、『むかし原発 いま炭鉱 ~炭都[三池]から日本を掘る』(中央公論社、2012年)を著した、熊谷博子さんをお招きし、上映とトークを開催します。
「三池炭鉱を振り返れば、そこで働いている人々の事情などお構いなしに、国の利益を優先して政府、経済界、学者が連携する構造があった。
原発政策もまったく同じ根っこを持っている。」
政府が地方にエネルギー開発基地を押しつけている、いびつな構造をあぶり出す視点で、熊谷さんは、「国とエネルギーの歴史を見直さずにここまで来てしまっているのが最大の問題
だろう。三池から、日本の『根っこ』を考えてほしい」(『東京新聞』5/13)と訴えています。
3.11原発事故を体験した今だからこそ、「三池」の歴史から日本の「根っこ」をともに考えましょう。
参加費 1000円
★大阪会場
日程 7月12日(木)
会場 シアターセブン(大阪・十三)
共催 NPO法人淀川文化創造館
13:00~ 第1回上映
16:00~ 第2回上映
18:30~ 第3回上映
20:20~21:00 熊谷さんトーク
21:00~21:30 著作サインセール
21:30~22:30 会場で交流会(ワンドリンク・軽食 1500円)
※どの回で鑑賞されてもトークにご参加できます。
★神戸会場
日時 7月13日(金)18:20~20:40
会場 こうべまちづくり会館
お申し込みなしでどなたでもご参加できますが、
人数把握のために事前にご連絡いただければありがたいです。
civilesocietyforum@gmail.com まで
【『三池~終わらない炭鉱の物語』】
オフィス熊谷/2005/1時間43分
監督:熊谷博子
撮影:大津幸四郎
協力:三池炭鉱に生きた人々
企画:大牟田市、大牟田市石炭産業科学館
2006年度 日本ジャーナリスト会議特別賞
2006年度 日本映画復興賞奨励賞
1997年3月30日、日本で最大の規模を誇った三池炭鉱は閉山しました。
でもその歴史を、「負の遺産」と言うひともいます。
囚人労働、強制連行、三池争議、炭じん爆発事故・・・。
過酷な労働を引き受け、誇り高くやまに生きた男と女たちの証言を聞き続け、
7年がかりで完成させました。勇気をもって命がけで生きること。
そのひたむきな力。今さらではなく、今だからこそ未来への思いを込めて伝えたい。
150年以上にわたる、三池炭鉱の歴史に、初めて正面から向き合った映画です。
【熊谷博子(くまがい・ひろこ)さん】
1951年東京生まれ。
1975年より、日本映像記録センターにて、ディレクターとして、TVドキュメンタリー
の制作を開始。
戦争、原爆、麻薬などさまざまな社会問題を追い、
1985年にフリーの映像ジャーナリストとして独立。
これまで各テレビ局で50本を越すドキュメンタリー番組を作る。
TV番組のほかにも、戦時下のアフガニスタンに生きる人々を描いた
『よみがえれカレーズ』(89年 土本典昭と共同監督)、
自らの育児経験をもとにした『ふれあうまち』(95年)、
日本の女性監督たちの格闘を描いた『映画をつくる女性たち』(04年)
などのドキュメンタリー映画を多数監督する。
右手にカメラ左手にこども、がモットー。
■会場アクセス
【シアターセブン】
http://www.theater-seven.com/access.html
〒532-0024 大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ5階
TEL/FAX:06-4862-7733
阪急電車 十三駅、西改札口5分
【こうべまちづくり会館】
http://www.kobe-toshi-seibi.or.jp/matisen/4kuukan/kaikan.htm#access
神戸市中央区元町通4丁目2番14号
(元町商店街4丁目西端の南側角)
地下鉄海岸線「みなと元町駅」西1出口から北へ1分
神戸高速「花隈駅」東口から南へ3分、「西元町」東口から東へ5分
JR・阪神「元町駅」西口から西へ8分
市民社会フォーラムHP
https://sites.google.com/site/civilesocietyforum/
2012年6月17日日曜日
労農派の歴史研究会第139回例会報告
前回のレポートでは、曽我中執の『社会新報』論文などにより、当時の党指導部が理論委員会の学者グループの説にしたがって、国家独占資本主義論を放棄して「過程社会主義論」(現実の資本主義の過程が社会主義だという説)を採り、また公明党綱領に通じるように、「人間尊重・ヒューマニズム=社会主義」という定義をしたことが報告された。そういう変化は、党指導部が「政権が近い」ことを強く意識した結果であった。どこの国の左翼政権も、政権が近づくと言うことも現実的になるものである。
先ごろ当選したフランス大統領も、自分は社会主義者だと名乗っているが、資本主義の制度を根本的に変えるような政策は出していない。自分と閣僚の報酬を大幅に削り、教員の増員、労働者の賃上げを主張しているのは立派だが、それは社会主義ではない。しかし、まず国民に好感をもたれるような改革をして、支持率を上げてからじっくり改革に取り組もうというのは、理解できる。
当時の社会党指導部も、同じようなことを考えて、政権構想、政策をより現実的にしていこうと考えていたのだろうが、残念ながら支持率は上がらなかった。マスコミも理解を示さなかった。まだ冷戦中であったので、社会主義的な要素をもった構想には、拒否反応が強かったのである。
政策変更に反対する方の陣営も、そのあたりの理解はパラパラで、対応がいくつにも分かれてしまったのだが、続回大会では付帯決議を付けるという対応で統一された。そのときの努力は、後に社会党の分解が進む過程で、出来るだけ組織を維持する力として生きた。
現在は、政権からは遠いので、もろもろの経過、問題点を総点検して、次の時期に備えることが大事だと思われる。そういう討論をしておけば、必ず役に立つときはくるということを期待しつつ。
2012年6月1日金曜日
社会主義2012年6月号目次
鎌倉
孝夫
◇
金融・財政危機から国家の危機へ(下)
近江
守
◇
連合12春闘中間総括を検証する
根岸
均
◇
一歩を踏み出したJP労組の12春闘
豊巻浩也
◇
岩手県教組の12春闘総括と課題
小池
泰博
◇
働く者が企業存続の調整弁か
佐藤肇
◇
独立行政法人下における職場改善の闘い
高橋
俊夫
◇
地方連合春闘の取り組みと課題
石井
敏郎
◇
北海道における12春闘中間総括
熊谷
重勝
◇
内部留保分析の視座
菅原晃悦
◇
震災被害を資本主義の矛盾の観点で捉えなおす
金子
豊貴男
◇
相模原市公契約条例スタート
山田
あつし
◇
生活苦・労働苦と繰返し闘い社民党の強化を
善明
建一
◇批評
フランス、ギリシャの二つの選挙結果を考える,
田本
広
◇思い出すことども 私と社会主義協会
2012年5月25日金曜日
労農派の歴史研究会第138回例会報告
この「新宣言」は、革命、革命的激動にかかわる表現を出来るだけ少なくして、社会主
義への移行を説こうという文章です。当時の社会党左派の人たちが、右派、労働組合の指
導者たちを刺激するような部分を削りながら、党員を納得させようという意図が、読み取
れます。それが当時の私(山崎)を含む社青同の活動家には不満であったのです。
しかし、さきの政権交代を経験してみると、別の受け止め方も出てきます。ご承知のよ
うに民主党というのは、社会主義政党ではありません。自民党政権時代の財界、官僚との
癒着、アメリカ追随をやめて、民主化を推進しようとしたのですが、それだけの改革でも、
ものすごい抵抗があり、内閣は行きづまってしまいました。
もしあの頃に、社会党政権ができていたら、既得権者たちの抵抗・妨害は、ものすごか
ったと思われます。われわれは、革命的な議論をしていた割には、そういう反動攻勢への
備えについては、準備が出来ていませんでした。そして政権を再転覆しようとする人たち
と闘うには、多くの労働組合との協力が必要です。たとえ右派(労資癒着の運動をしてい
る人たち)であっても、できるだけわれわれの意図を理解してもらうことが、必要です。
そういうことを考えながら当時の論争を想い起すと、もう少し違う発言で良かったような
気がします。
話は変わりますが、フランスの大統領選挙の結果は、たいへん良かったと思います。オ
ランドという人は、有名なENA (国立行政学院)出身のエリートであり、社会主義者では
ありませんが、緊縮財政政策を批判し、雇用拡大による経済の成長を主張しているのは、
適切だと思います。日本の政治家も、「公務員叩き」の風潮に迎合しないで、「賃金上昇に
よる内需拡大」策を、主張した方がよいと思います。
義への移行を説こうという文章です。当時の社会党左派の人たちが、右派、労働組合の指
導者たちを刺激するような部分を削りながら、党員を納得させようという意図が、読み取
れます。それが当時の私(山崎)を含む社青同の活動家には不満であったのです。
しかし、さきの政権交代を経験してみると、別の受け止め方も出てきます。ご承知のよ
うに民主党というのは、社会主義政党ではありません。自民党政権時代の財界、官僚との
癒着、アメリカ追随をやめて、民主化を推進しようとしたのですが、それだけの改革でも、
ものすごい抵抗があり、内閣は行きづまってしまいました。
もしあの頃に、社会党政権ができていたら、既得権者たちの抵抗・妨害は、ものすごか
ったと思われます。われわれは、革命的な議論をしていた割には、そういう反動攻勢への
備えについては、準備が出来ていませんでした。そして政権を再転覆しようとする人たち
と闘うには、多くの労働組合との協力が必要です。たとえ右派(労資癒着の運動をしてい
る人たち)であっても、できるだけわれわれの意図を理解してもらうことが、必要です。
そういうことを考えながら当時の論争を想い起すと、もう少し違う発言で良かったような
気がします。
話は変わりますが、フランスの大統領選挙の結果は、たいへん良かったと思います。オ
ランドという人は、有名なENA (国立行政学院)出身のエリートであり、社会主義者では
ありませんが、緊縮財政政策を批判し、雇用拡大による経済の成長を主張しているのは、
適切だと思います。日本の政治家も、「公務員叩き」の風潮に迎合しないで、「賃金上昇に
よる内需拡大」策を、主張した方がよいと思います。
2012年5月1日火曜日
『社会主義』2012年5月号目次
鎌倉孝夫◇金融・財政危機から国家の危機へ(上)
広田貞治◇混迷する国内外情勢と解散総選挙
特集 現存する社会主義の現状
善明建一◇「ドイツ左翼党綱領」の検討(上)
松永裕方◇キューバの経済改革で社会主義を考える
辻田純◇「中南米社会主義運動の現状」について
加納克己◇「中国の特色ある社会主義」をめぐって
伊藤修◇批評 「大学は今」
中野麻美◇雇用改革の現段階
津田公男◇活発化する改憲論議
梅川正信◇訪韓して韓国民主労働者との交流から得たもの
大槻重信◇変貌する日米安保体制
小川研◇古典を読む⑲ 『パリ燃ゆ』(二)
広田貞治◇混迷する国内外情勢と解散総選挙
特集 現存する社会主義の現状
善明建一◇「ドイツ左翼党綱領」の検討(上)
松永裕方◇キューバの経済改革で社会主義を考える
辻田純◇「中南米社会主義運動の現状」について
加納克己◇「中国の特色ある社会主義」をめぐって
伊藤修◇批評 「大学は今」
中野麻美◇雇用改革の現段階
津田公男◇活発化する改憲論議
梅川正信◇訪韓して韓国民主労働者との交流から得たもの
大槻重信◇変貌する日米安保体制
小川研◇古典を読む⑲ 『パリ燃ゆ』(二)
2012年4月28日土曜日
2012年4月28日更新
●会報23号を掲載しました。
今回の更新から全文ファイル添付は、原則としてpdfファイルとします。
●文献・資料に、学生運動の再建・統一にむけ階級的学生運動の全面展開を!!(1973)を掲載しました。
●リンク集に、マルキスト インターネット アーカイブ2012、旗旗、社会主義協会北海道支局を追加しました。
最近管理人のパソコンが故障し、その関係で資料室HPファイルが不調になり、かなり手直ししました。一部のページのURLが変わり、現在かなりのページで文献・資料目次に内部リンクできなくなっています。目次に戻る際はブラウザの戻るボタンをお使い下さい。順次修正していきますが、しばらく時間がかかります。ご理解下さい。表紙(トップページ)へのリンクは問題ありません。●リンク集に、マルキスト インターネット アーカイブ2012、旗旗、社会主義協会北海道支局を追加しました。
●山川菊栄賞に2011年度受賞作品を追加しました。
●労農派の歴史研究会に136回研究会報告を追加しました。
今回の更新から全文ファイル添付は、原則としてpdfファイルとします。
2012年4月22日日曜日
社青同神奈川学協同窓会
上の神奈川新聞投稿記事は、明記されていませんが、社青同神奈川学協(社青同神奈川地本学生班協議会)の同窓会です。投稿者の原均さんから送っていただきました。転載および氏名を出すことの許可をいただきましたので、ここで紹介します。4月8日開催とのこと。
ここでのアップは控えた方がいいと思いますが、当日の写真もいただいています。16人が集まりました。
上の画像ではわかりにくいかと思いますので、投稿全文をまず紹介します。
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労働運動語り合った仲間
団体職員原均60(鎌倉市)
1970年代の労働運動の高揚期、当時の横浜4大学(横浜国大、市大、神大、関東学院)に「労働運動をやって世直ししよう」と語り合う学生グループがあった。
卒業後、それぞれの道を歩んだが、最近、「そろそろみんな定年。集まらないか?」との声が上がり、日曜の中華街で久しぶりに再会。集まったのは県内外から16人。
一組合員として労組を支えている人、単組や連合、地区労の役員を務めている人、労組書記、労働福祉団体職員、人権団体役員、労働行政職員、管理職になった人、退職した人、主婦。労働争議や障がい者問題、女性運動に関わっている人など多士済々だった。参加できなかった仲間の中には社会保険労務士や国会議員秘書などもいる。共通しているのは、20代で志した「働き方」と「世直し」へのこだわりだ。
病気や家族の介護で欠席した人もいる。そういう年齢になったが、世の中はかつて夢想した通りにはなっておらず、非正規労働者の激増などの課題も浮上。「やることはまだたくさんあるよ」と、懇談が続いた。
----------------------------------------
私と原さんは同年齢のようです。学生運動現役だったのは約40年前なのですね。私は1971年入学ですが、その40年前というと1931年で満州事変(9.18事変)の年です。中学高校大学で授業に満州事変が出てきても、はるか昔という感覚だったのですが、今の学生に私の学生時代を語っても同じ感覚を持たれるのでしょうね。
東京あるいは全国の社青同学協同窓会ができないか、元学協議長の鎌田さんと話したことがあります。誰かが国会議員に当選した時にお祝いを兼ねてやるのがいいのでは、ということになりましたが、残念ながらその機会はなかなか訪れません。国会議員候補者ならいるのですが。
(1989年反消費税ブームの時元大阪市立大学の喜岡淳さんが参議院議員に当選していますが、当時はまだ同窓会をやろうという雰囲気ではありませんでした)
来年、2013年3月は全国学協再建40周年です。あるいは、これを機会にするのがいいかもしれません。東京、全国学協の場合は、いろいろ意見の対立もあり難しい面もありますが、実現できればいいと思います。
2012年4月1日日曜日
『社会主義』2012年4月号目次
ご注文は社会主義協会へ。東京新宿・紀伊国屋書店本店、東京神田・東京堂書店、福岡・積文館書店新天町店でも販売しています。一冊600円
---------------------------------
特集 雇用破壊「合理化」に抗して
平地一郎 日本経団連の雇用戦略―新自由主義の労働市場改革
武藤聡 自治体における合理化の進行
持田幸雄 JR西日本の合理化攻撃に抗して
水沼剛 JP労組の現状と職場からの課題
下平正治 大震災後の職場状況と課題を考える
大内和夫 同じ職場で働く仲間として―岩教組臨時採用教職員部の取り組み―
清水哲男 臨時・非常勤職員の組織化
鈴木靖 地域から公契約条例運動の組織化
仙葉 久 全労働者の賃上げをめざした共闘体制の確立
布野幹夫 教育基本条例(案)の問題点と教育政策
田山 英次 第13回社民党全国大会を終えて
岸田清実 意識的な組織づくりと総合力の発揮
真鍋健一 原発はもうたくさんだ!―放射能のない安心してくらせる社会を―
第41回社会主義協会全国総会開催
石川克己 批評 プーチン大統領の復帰
小川研 シリーズ古典を読む⑲ パリ燃ゆ(一)―パリ・コミューンの誕生―
次号予告
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特集 雇用破壊「合理化」に抗して
平地一郎 日本経団連の雇用戦略―新自由主義の労働市場改革
武藤聡 自治体における合理化の進行
持田幸雄 JR西日本の合理化攻撃に抗して
水沼剛 JP労組の現状と職場からの課題
下平正治 大震災後の職場状況と課題を考える
大内和夫 同じ職場で働く仲間として―岩教組臨時採用教職員部の取り組み―
清水哲男 臨時・非常勤職員の組織化
鈴木靖 地域から公契約条例運動の組織化
仙葉 久 全労働者の賃上げをめざした共闘体制の確立
布野幹夫 教育基本条例(案)の問題点と教育政策
田山 英次 第13回社民党全国大会を終えて
岸田清実 意識的な組織づくりと総合力の発揮
真鍋健一 原発はもうたくさんだ!―放射能のない安心してくらせる社会を―
第41回社会主義協会全国総会開催
石川克己 批評 プーチン大統領の復帰
小川研 シリーズ古典を読む⑲ パリ燃ゆ(一)―パリ・コミューンの誕生―
次号予告
2012年3月27日火曜日
2011年度山川菊栄賞
●授賞式報告
3月24日(土)、午前中は昨年を思い出させる雨模様でしたが、午後からは青空が広がるなかで、第31回山川菊栄記念婦人問題研究奨励金の贈呈式がありました。対象者は大橋史恵さん、著書は『現代中国の移住家事労働者―農村・都市関係と再生産労働のジェンダー・ポリティックス』でした。
…………………・・・…………………
大橋さんは団塊第2世代の若き研究者である。東京外大で中国語を習得され、大学院で中国地域研究を始めるが、ジェンダーの視点を取り入れたいとお茶大に転校。2005年9月から1年間北京の清華大に留学し、北京に生きる農村出身女性たちにインタビューを試みた。外国人のインタビューはとても困難だったようだ。外部の人間がどうまとめるかに2年間思い悩んだ後まとめられた博士論文とその後の研究2編も加えての本書である。
……・・・・・・・・・・・・
記念スピーチは、「北京からフェミニズムを再考する」というテーマで行われました。大橋さんは、2年前から山川菊栄賞第24回受賞作である『黄土の村の性暴力―ダーニャンたちの戦争は終わらない』を書いたメンバーたちの活動に協力していると言います。WAM(女たちの戦争と平和資料館―第21回特別賞対象関係者が設立)のつくったパネルを展示する活動ですが、最初は大学の構内から始まり少しずつ外に広がっているなかにジェンダーの視点の広がりを感じるそうです。1995年世界女性年北京会議で打ち出された「ジェンダー平等」は中国国内ではなかなか浸透しなかったが、この17年間には大きな社会変革が起き、そのなかでジェンダーの視点が広がってきている様子を語られました。
著書の内容には触れられませんでしたが、大都市の女性は「家政サービス」を受けることで働きつづけ、農村女性は生き残りをかけて都市への「移住家事労働」に従事するようになったなかで、双方が目覚め始めている実態が描かれているので、そうした社会変化の一環としての、ジェンダー視点の広がりに希望を持ち、お話しいただいたのかなと受け止めました。
スピーチの前に井上輝子さんが選考対象作品の紹介をされたが、大橋秀子さんの『金子喜一とジョセフィン・コンガー―社会主義フェミニズムの先駆的試み』の説明に私は「思い入れがあるなあ」と感じていたら、結びが「今日の受賞者大橋史恵さんのお母さまです」となったので参加者一同もちょっとした興奮状態になったことを付け加えておきたいと思います。(資料室会員 中村ひろ子)
●推薦のことば
加納実紀代
かつて人民中国は女性解放の先進国だった。人民公社の共同食堂や託児所によって再生産労働から解放され、いきいきと生産労働で働く女性の姿が伝えられ、文革時代にはスローガン「女性は天の半分を支える」が日本の女性の羨望を誘った。しかし80年代、「改革・開放」とともに聞こえてきたのは「婦女回家」、「女は家庭に帰れ」だった。いったいどうなっているのか? 女性たちはそれをどう受け止めているのか?
大橋さんのこの本は、「改革・開放」からグローバル化経済への接合という大変動期における再生産労働再編を大きなスケールで描き出しており、この疑問に十分に答えてくれる。超大国中国は国内に都市と農村という「南北問題」を抱えているが、大橋さんは北京の移動家事労働者に着目することから、「婦女回家」という再生産労働の再編は、女性だけでなく農村というもう一つの労働力の<貯水池>を巻き込みつつなされていることを発見する。そこには都市女性の「婦女回家」回避の願いと、都市への移動に「生き残り」をかける農村女性の切実な思いがある。両者は家事労働者リクルートの<回路>によってつながれるが、それは都市女性による農村女性収奪の<回路>でもある。しかし農村女性たちはたんにそれに回収される客体ではない。<回路>を利用しつつそれをすり抜ける行為体でもある。大橋さんはそうした動きを<水路>というオリジナルな言葉でとらえ、彼女たちのオーラルヒストリーを位置づけている。
こうした成果を生み出した背景には、10年以上にわたる緻密な理論研究とフィールドワークの積み重ねがあり、マクロ、メゾ、ミクロの水準における分析の重層的組み合わせがある。それを可能にしたのは、まずは硬直した二項対立的視点ではなく、有機的相互的に物事を見るジェンダー分析の基本姿勢だろう。しかしそれ以上に大きいのは移動家事労働者に対する共感ではないか。大橋さんにとって彼女たちは、単なる他国の研究対象ではなく、日本の高度成長期に地方から都市に移動した母世代と二重写しになる。あとがきによれば、フェミニスト仲間でもある母上とはそうした会話がかわされたという。その意味ではこの本は中国の現在であるだけでなく過去の日本を照射するものでもある。さらにいえば、いっそうの少子化で移動家事労働者増大が予想されるが、その<回路>において日本の女性たちが収奪者にならないためにはどうあればいいだろうか。そうした未来を考える上でも意味を持つ。
とは言うものの、あまりにもこの本は大部であり、内容も値段も高すぎる。この研究成果を踏まえ、ぜひとも一般読者にも読みやすい形での刊行を望みたい。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~rounou/yamakawakikue.htm
2012年3月11日日曜日
労農派の歴史研究会第137回例会報告
レポートで言われたように、この文書では「行政と企業の官民一体の意思決定構造に、
介入・参加し、規制する」ことによって改革を進めようという提起でした。70年代までの
労働運動が力をもっていた時代には、若い活動家には、「参加と介入など、生ぬるい」と受
け止められていました。80年代に入っても、その気分をもち続けていた人もいるでしょう
が、運動の力量はかなり落ちていました。
この文書が決定された82年には、臨調行革がはじまり、官公労への攻撃が強まってい
ました。電電公社に民営化をへて、86, 87年に国鉄分割・民営化になります。労働運動の
側が、権力・資本の圧力・介入を受けて、オタオタしていたわけです。総評の力も落ち、
89年に連合に吸収されました。そういう時期に、出来た文書ですが、党幹部も、若い活動
家も、運動の後退がこんなに続くとは思っていませんでしたから、社会主義の力、労働者
階級の運動はますます強くなるという前提で、議論していました。
「改革はすべて権力奪取後に」というのではなく、現在の闘いが大事だというのは、重
要なことだと思います。この文書が「改良闘争の過程そのものが社会主義だ」と言ってい
るのは間違いですが、「闘争の過程」を重視するのは大事なことです。
これからまた労働運動が強くなる時も来ると思います。そういう時のためにも、資本と
権力機構をどのように攻め、変革するのかという議論は、こなしておかなければならない
と思います。EUを見てみると、現在、経済危機の中にあっても、労働組合は弱気になら
ずに要求し、必要な時にはストライキも行っています。国民もそれを容認しています。ず
っと昔からそういう力・落ち着きがあったのではなく、何度も挫折を繰り返した後に、立
て直して運動を続けているのです。日本の労働運動にも、挫折から立ち直り、高揚を作り
だすという粘り強さが必要だと思います。
介入・参加し、規制する」ことによって改革を進めようという提起でした。70年代までの
労働運動が力をもっていた時代には、若い活動家には、「参加と介入など、生ぬるい」と受
け止められていました。80年代に入っても、その気分をもち続けていた人もいるでしょう
が、運動の力量はかなり落ちていました。
この文書が決定された82年には、臨調行革がはじまり、官公労への攻撃が強まってい
ました。電電公社に民営化をへて、86, 87年に国鉄分割・民営化になります。労働運動の
側が、権力・資本の圧力・介入を受けて、オタオタしていたわけです。総評の力も落ち、
89年に連合に吸収されました。そういう時期に、出来た文書ですが、党幹部も、若い活動
家も、運動の後退がこんなに続くとは思っていませんでしたから、社会主義の力、労働者
階級の運動はますます強くなるという前提で、議論していました。
「改革はすべて権力奪取後に」というのではなく、現在の闘いが大事だというのは、重
要なことだと思います。この文書が「改良闘争の過程そのものが社会主義だ」と言ってい
るのは間違いですが、「闘争の過程」を重視するのは大事なことです。
これからまた労働運動が強くなる時も来ると思います。そういう時のためにも、資本と
権力機構をどのように攻め、変革するのかという議論は、こなしておかなければならない
と思います。EUを見てみると、現在、経済危機の中にあっても、労働組合は弱気になら
ずに要求し、必要な時にはストライキも行っています。国民もそれを容認しています。ず
っと昔からそういう力・落ち着きがあったのではなく、何度も挫折を繰り返した後に、立
て直して運動を続けているのです。日本の労働運動にも、挫折から立ち直り、高揚を作り
だすという粘り強さが必要だと思います。
2012年3月1日木曜日
『社会主義』2012年3月号目次
ご注文は社会主義協会へ。東京新宿・紀伊国屋書店本店、東京神田・東京堂書店、福岡・積文館書店新天町店でも販売しています。一冊600円
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横田 昌三 「社会保障・税一体改革『素案』」の問題点
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横田 昌三 「社会保障・税一体改革『素案』」の問題点
特集 震災から一年
田山 英次 大震災からの復興-現状と課題
松澤 悦子 母親たちと一緒に放射能汚染と闘う
-暖かでしなやかな風と共に-
角田 政志 学校現場のこれまでと今後の課題
小檜山 聡 放射能汚染下の除染対策と労働環境
森岡 康志 東日本大震災で明らかになった自治体労働者の課題
佐藤 隆一 反原発の闘いを新潟から
田部 徹 泊原発の運転中止と廃炉をめざして
奥村 英二 核と人類は共存できない
熊田 哲治 ヒロシマからフクシマへ
山崎 耕一郎 大統領選挙を前にしたロシアの現実
近江 守 日本経団連「経労委報告」紹介と批判
-定期昇給見直しに踏み込む-
津田 公男 金正日死去後の朝鮮
高橋 広子 批評
女性の貧困率の高さを考える
川本 富貴子 学校事務臨時職員解雇攻撃と闘う
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